【12番札所焼山寺周辺】焼山寺周辺・神山町市街地の観光・立ち寄りスポット

遍路道中で屈指の難所として知られる12番札所焼山寺がある徳島県神山町は、全国から移住者が集まるユニークなまちづくりの地としても有名です。弘法大師空海の足跡を辿りながら、新しいまちの息吹も感じてみてください。

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多くの霊場と先進的なまちづくりが交わる神山町

11番札所藤井寺から12番札所焼山寺までの歩き遍路道は、6度の遍路ころがしを乗り越えなければいけない遍路道中でもトップレベルの難所で、空海が歩いた時代の自然が残ると伝わる貴重な遍路道です。ふたつの山を越えて辿り着く山間のまちが、徳島県神山町。焼山寺以外にも数々の空海ゆかりの霊場が遺る町である一方、先進的なまちづくりが進められているユニークなエリアでもあります。

神山町イメージ

この記事では、神山町で出会える様々な観光・立ち寄りスポットをご紹介します。過疎化が進んでいた町で、国内外のアーティスト招聘やIT企業誘致など様々なプロジェクトがうまれ、移住者が増えている神山町。霊場や聖地が点在する伝統的な巡礼道中の町でありながら、移住者がもたらす新しい文化にも触れられる、興味深いエリアです。

※12番札所焼山寺から13番札所大日寺までは神山町の市街地を通らないルート(玉ケ峠を超える道)もあります。

番外霊場 長戸庵  柳水庵  浄蓮庵(一本杉庵) ❹ 杖杉庵 焼山寺奥の院 ❻ 鏡大師 善覚寺大師堂 ❽ 吉祥院(鍬持大師) 別格2番童学寺  建治寺
立ち寄りスポット❶ 神山温泉ホテル四季の里&いやしの湯  かまパン&ストア  豆ちよ焙煎所 COFFEE ROASTERY  神山BEER   道の駅「温泉の里神山」  創造の森・アートウォーク  上一宮大粟神社

 

12番札所焼山寺

1番札所霊山寺から札番順に歩みを進めるお遍路さんにとって、11番札所藤井寺から12番札所焼山寺までの山道が一番最初のハードな遍路道です。6度の遍路ころがしを乗り越えなければいけない厳しい山道…と脅しをかけてしまいますが、ここを越えるとしばらくは楽になるので、一踏ん張りしましょう。
がんばって山を越えた先には「巨大な杉に囲まれた山の聖域」という表現がぴったりの焼山寺が待ってくれています。公共交通機関や車でもお寺にはたどり着けますが、どのような移動手段であろうと苦労がある難関・焼山寺。だからこそ山深い貴重な聖域が現代にも遺っているのでしょう。

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杉の木立と焼山寺

参道の巨大な杉の木が印象的です。

 

神山温泉で旅の疲れを癒す

焼山寺を打ち終えて神山町市街地方面に向かうお遍路さんにおすすめなのが、神山町中心部にある「神山温泉ホテル四季の里&いやしの湯」。日帰り温泉とレストランのみの利用も可能なので、宿泊してゆっくりするのもいいですし、食事だけ、または温泉だけの利用で体を休めることも可能です。ハードな道を歩いてきたお遍路さんにとって、疲れた体を癒すのに最適な施設です。

神山温泉ホテル四季の里&いやしの湯ホームページ: https://kamiyama-spa.com

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神山ホテル温泉

神山温泉ホテル四季の里と神山温泉。

神山温泉ホテル四季の里&いやしの湯 住 所 :徳島県名西郡神山町神領本上角80-2
電 話 :088-676-1117
営業時間:ホテルは無休
温泉:(4月-9月)10:00~21:00 / (10月-3月)10:00~20:00
レストラン:(夏) 11:00〜20:00(L.O.19:30)/ (冬) 11:00〜19:00(L.O.18:30)
※温泉・レストラン共に第4火曜定休(祝日は営業)

 

神山町周辺のグルメ・買い物スポット

近年、食堂やパン屋などグルメスポットが増えている神山町。移住者が開いた店も多く、地産地消や神山らしさを意識した加工品など、こだわりが光る食やクラフト製品に出会えます。

かまパン&ストア

神山町の農業従事者と消費者とをつなぎ「地域で育て、地域で食べる」をコンセプトとして営業されている「かまパン&ストア」。地元食材を使ったパンとこだわりの食料品(野菜・調味料)を扱っています。曜日や季節によっては地元の人が作る惣菜なども並ぶ、うれしい買い物スポットです。

かまパン&ストア

木調の建物が印象的な「かまパン&ストア」。

かまパン&ストア 住 所 :徳島県名西郡神山町神領北190-1
電 話 :088-676-1077
営業時間:9:00〜18:00(月・火定休)

運営母体の株式会社フードハブ・プロジェクトでは、神山の農業を次世代につなぐことをコンセプトに、食堂や食料品店経営の他に食育や生産者育成などを手がけています。活動については、下記リンクのホームページをご覧ください。

Food Hub Project 神山ホームページ: http://foodhub.co.jp

 

豆ちよ焙煎所 COFFEE ROASTERY

関東から徳島県に移住した店主が、2018年に神山町にオープンしたコーヒー焙煎所。古民家を改修した店舗には、焙煎豆のほかにコーヒーに合うお菓子やクラフト製品などが並んでいます。コーヒーのテイクアウトはありませんが、ドリップバッグの取り扱いがあるので旅のお供に便利です。おいしいコーヒーと一緒にお土産選びもできる素敵な空間です。

豆ちよ焙煎所ホームページ: https://mamechiyo.shop

豆ちよコーヒー

豆ちよさんのコーヒーは優しくて深みのある味でした。

豆ちよ焙煎所
COFFEE ROASTERY
住 所 :徳島県名西郡神山町神領字北85-3
電 話 :080-8863-9090
営業時間:12:00~17:00(月曜定休)

 

神山BEER

神山町でクラフトビールを製造している「神山BEER」。オランダでアーティストとして活動していたマヌスさん(アイルランド出身)とさやかさん(日本出身)の2人が、神山町のアーティスト招聘プロジェクトで町に招かれた縁からはじまったブリュワリーです。
実店舗の営業日は限られているので訪問の際は確認が必要ですが、クラフトビールは上記で紹介した「かまパン&ストア」で販売していたり、神山温泉のレストランなどで飲めたりします。地元食材を使ったユニークなビールとオリジナルラベルが楽しいクラフトビールです。

KAMIYAMA BEER ホームページ:https://kamiyamabeer.stores.jp

神山ビール

キャンプ場の奥に現れるポップな外観の神山ビール工房。

神山BEER 住 所 :徳島県名西郡神山町神領字西上角280番1
電 話 :050-2024-3576(週末のみ)
営業時間:12:00-20:00 (週末営業/季節やメンテナンス等で変更あり)

 

道の駅「温泉の里神山」

神山町の道の駅「温泉の里神山」は、神山町産の野菜や加工品、クラフト製品などが揃うおすすめ買い物スポットです。併設されている食堂「旬彩茶屋」では、神山町の食材を使ったご当地アイス「旬感アイス」も味わえます。神山町の特産は「すだち・梅・しいたけ」ですが、それ以外にも町内で生産されるさまざまな季節の野菜が並び、お手頃価格で購入が可能。神山の「旬」が感じられる道の駅です。

道の駅「温泉の里神山」ホームページ: http://kamiyama-spa.sakura.ne.jp/michi/

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道の駅 温泉の里神山
道の駅 温泉の里神山
※道の駅に温泉施設はありません
住 所 :徳島県名西郡神山町神領字西上角151-1
電 話 :088-636-7077
営業時間:(3月-10月)9:00~18:00/9:00~17:00(11月-2月)第3火曜定休

 

神山町でアートに触れる-創造の森アートウォーク

神山町では1999年から神山アーティスト・イン・レジデンス(以下、KAIR)という国際的なアート・プロジェクトを開催しています。日本国内および海外から3名~5名のアーティストが、神山町に毎年約2ヶ月間滞在し作品を制作するもので、10月下旬から町内で作品展覧会が開催されるほか、制作された作品の一部は大粟山の「創造の森・アートウォーク」に常設展示され、1年を通じて見ることができます。
※2020年に予定されていたKAIRは、2022年に延期となっています。

イン神山 ホームページ「アート」: https://www.in-kamiyama.jp/art

大粟山アートウォーク地図

創造の森・アートウォークの手描きマップ。

「創造の森・アートウォーク」は、桜や彼岸花など四季折々の自然を堪能できる自然散策コースになっていて、そのなかにアート作品が点在しています。山頂までは歩いて約40分のコースになっており、時間帯は午前中がおすすめとのこと。桜の森があるので、桜の時期に歩くと格別でしょう。

大粟山アート

駐車場すぐの場所に、黄金比の螺旋を描いたアートがありました。

創造の森・アートウォーク 住 所 :徳島県名西郡神山町神領西上角330

 

阿波国の国神を祀る「上一宮大粟神社」

上記で紹介した創造の森アートウォークと同じ大粟山にある神社が、上一宮大粟神社(かみいちのみやおおあわじんじゃ)です。神山町を代表する神社で、阿波国一宮の一つ(論社※)でもあります 。
祭神である「オオゲツヒメ/大宜都比売神」は、古事記に出てくる穀物の神で、イザナギイザナミの国産みで生み出された阿波国(粟国)という国名が穀物と関連していることからわかるように、徳島にゆかり深い女神。伝承によればこの大粟山に降臨したとされています。境内に一歩足を踏み入れると、阿波国一宮の論社としての由緒が肌で感じられるようなすばらしい神社です。

※ その国(県など)の総鎮守というべき格式ある神社を「一宮」といいます。阿波国と呼ばれた徳島県には「一宮」の候補とされる神社が四つあり、上一宮大粟神社はその「論社」の一つです。

上一宮大粟神社鳥居

上一宮大粟神社の巨大の鳥居の奥に、古い鳥居と随神門があります。

本殿は山の中腹にあるので、苔むした石段が残る長い参道を登ります。すぐ横に車であがれるアスファルトの道もあるのですが、この参道にただよう幽玄な雰囲気は体験する価値があります(石段の凹凸が大きくて少し登りにくいですが)。
本殿の横には「神宮寺」というお寺もあり、神仏習合の形を残している神社です。

大粟神社

土の参道は途中から阿波青石の苔むした石階段へと変わります。

上一宮大粟神社 住 所 :徳島県名西郡神山町神領西上角330
電 話 :088-676-0838
※上一宮大粟神社は新四国曼荼羅霊場の73番札所です。

 

神山町で出会う番外霊場

神山町に遺る弘法大師空海の足跡(番外霊場)をご紹介します。四国遍路の起源になったと伝わる「衛門三郎」ゆかりの地など、歴史ある霊場に出会えるエリアです。

11番札所藤井寺〜12番札所焼山寺にある番外霊場

11番札所藤井寺から12番札所焼山寺の登山ルートには、歩いて登った人だけが出会える空海の霊跡が点在しています。湧水をくめたり、トイレが設置されていたりと歩き遍路さんの休憩スポットにもなっているので、いろいろな意味でありがたい場所です。

長戸庵
ちょうどあん
空海が山に登るときに休憩したと言われる場所。お遍路さんも一息入れるのにちょうど良い場所です。大師を祀るお堂あり。※吉野川市
柳水庵
りゅうすいあん
空海が休息の際、付近に水がないので柳の枝で加持をしたところ水が湧き出たとされる場所。遍路ころがしの山中にあって、霊水にあずかれる貴重な場所です。湧水・休憩施設・弘法大師開基のお堂あり。
浄蓮庵(一本杉庵)
じょうれんあん
空海がここで木の根を枕に仮眠されたところ、夢の中に阿弥陀如来が現れたことで、尊像をきざみ安置したとされる場所。そのときお手植えされた杉が見事な老大木となって通過するお遍路さんを感動させています。
杖杉庵
じょうしんあん
四国遍路の元祖と伝わる衛門三郎の終焉の地。空海に無礼を働き没落した衛門三郎が、懺悔のために空海を追い続け、死の間際に空海に出会えた場所とされています。
焼山寺奥の院 焼山寺の山頂に蔵王権現を祀った堂があります。周辺には空海が火を吹く大蛇を退治した伝承が残ります(竜王窟・大蛇封じ込めの岩)。参拝には納経所に一言告げてから向かってください。
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12番札所焼山寺〜13番札所大日寺にある番外霊場

12番札所焼山寺を打ち終えたあとは山下りの道のりです。静かに佇む番外霊場にぜひ立ち寄ってください。

鏡大師
かがみだいし
空海ご巡錫のおり、この地に休息して傍の石を撫でたところ、その石が不思議と輝きだし人の顔が映るようになったと伝わります。現在は石は見られませんが空海の石像が祀られています。※玉ヶ峠を通るルート
善覚寺大師堂
ぜんかくじだいしどう
境内に空海が見出したという弁天鉱泉があるとのこと。大師堂は元禄8年の建立と伝わっています。
吉祥院(鍬持大師)
きっしょういん
伝説となっていた弘法大師空海開基の寺を平成14年に再建した寺院。空海がこの地にあった湖の水を抜いて開拓を指揮した伝承が残っています。
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少し足を伸ばすと出会える番外霊場

神山町周辺は古くより修験の行場だったことから、古刹や修行道場が残っています。

別格2番札所童学寺
どうがくじ
飛鳥時代建立の古刹。空海が16歳のときに逗留し学問に親しんだと伝わっています。「いろは四十八文字」もこの地で作られたといわれます。
建治寺
こんちじ
役行者の開創と伝わる古刹。空海も荒修行されたと伝わる場所で、現在も滝行など修行の霊場として名高いお寺です。
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数々の番外霊場と阿波国創成の神話が残る神山町は、移住者やクリエイターが集まる「地方創生」の聖地でもありました。古の信仰が残る弘法大師空海の霊場と、新しく変わり続ける神山の町。そんなコントラストが魅力的なエリアです。

 

番外霊場 長戸庵  柳水庵  浄蓮庵(一本杉庵) ❹ 杖杉庵 焼山寺奥の院 ❻ 鏡大師 善覚寺大師堂 ❽ 吉祥院(鍬持大師) 別格2番童学寺  建治寺
立ち寄りスポット❶ 神山温泉ホテル四季の里&いやしの湯  かまパン&ストア  豆ちよ焙煎所 COFFEE ROASTERY  神山BEER   道の駅「温泉の里神山」  創造の森・アートウォーク  上一宮大粟神社

この記事を書いた人

廣瀬美音子
札幌で生まれ育ち、東京にて都市計画コンサルタントに従事。結婚を機に香川に移住し、地方自治体勤務などを経て、2019年から株式会社四国遍路(https://shikokuhenro.co.jp/)に入社。お遍路文化を通じた新しい四国の楽しみ方を模索しています。日本酒とワインが好き。