【12番札所焼山寺】「遍路ころがし」制覇後も油断するなかれの「十三仏」

最初にして最大の難所の「遍路ころがし」をやっとのことで登りきり、12番札所焼山寺に到着したと思ったら、行けども行けどもお寺にたどり着かない…でも焦らず「十三仏」を楽しみながら、杉の巨木が並ぶ境内を目指してください。

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「遍路ころがし」を制覇!

11番札所藤井寺の山道入口から、約5時間で二つの山を越え、最初にして最大の難所の「遍路ころがし」を登りきり、12番札所焼山寺に到着することができました。以下写真の「お疲れさまです」看板を見たときには、かなりの達成感がありました。

焼山寺 参道入口

この時点で、ほっとしたというか力が抜けたというか、この先の道を知る由もなく…

さあ納経だと思ってお寺に向かうのですが、行けども行けども坂道が続き、お寺にたどり着きません。

焼山寺 参道坂道

先にも後にも坂道が続くだけです…

ただし、ここで焦ってはいけません。
坂道には、わたし的な焼山寺の見どころ、十三仏がずらりと並んでいますので、一心不乱にお寺に向かわず、まわりを見る余裕をもってみてください。

 

「十三仏」とは?

坂道に並んでいるのは、一般の方が奉納している十三仏の石像です。比較的新しいようで細部まで凝った造りのものもあり、どの石像もなんとなく気持ちを落ち着かせてもらえるような安心感がありました。

焼山寺 文殊菩薩

獅子に座る「文殊菩薩」

焼山寺 普賢菩薩

象に座る「普賢菩薩」

焼山寺 勢至菩薩 阿弥陀如来

切り開いた岩を抱かれた「勢至菩薩」「阿弥陀如来」

十三仏とは、冥土に旅立つときとその後の審理を行う裁判官の役目を担っているといわれている菩薩・如来です。
それぞれの役目は以下のようになっているとのこと。

十三仏 裁判官 審理
不動明王 秦広王 初七日
釈迦如来 初江王 二七日
文殊菩薩 宋帝王 三七日
普賢菩薩 五官王 四七日
地蔵菩薩 閻魔王 五七日
弥勒菩薩 変成王 六七日
薬師如来 泰山王 七七日
観音菩薩 平等王 百か日
勢至菩薩 都市王 一周忌
阿弥陀如来 五道転輪王 三回忌
阿閦如来 蓮華王 七回忌
大日如来 祇園王 十三回忌
虚空蔵菩薩 法界王 三十三回忌

まだまだ冥土に旅立つわけにはいきませんが、早くお寺にたどり着きたい衝動を抑えて、十三仏の御姿を拝みながら、ゆっくりと坂道を進むことをオススメします。

 

「焼山寺」は杉の巨木が印象的

坂道を約300mほど登っていくと、ようやく仁王門に到着。少し階段を上がりますが、ここまでの「遍路ころがし」を思い出すと、こんな階段はへっちゃらです。

焼山寺 仁王門

仁王門をくぐると、今度こそお寺の境内に到着です。

境内に入ると、まず目に入るのが、杉の巨木が並ぶ参道です。お寺に杉を植えたというよりも、元々あった杉の木に沿って参道をつくり、お寺をつくったような感じですね。

焼山寺 境内 杉

徳島県指定天然記念物の杉の並木。樹齢は約500年ともいわれているそうです。

遍路ころがしでも杉の山道をひたすら進んできましたが、焼山寺でとどめの杉の巨木で、「焼山寺」=「杉」のイメージを植えつけられました。

ちなみに、焼山寺は88札所で2番目の高所、標高700m地点にありますが、山の中腹で山に囲まれているために、眺望には恵まれていません。これだけ登ってきたのに、けっこう山からの景色を楽しめないのはけっこうがっかりしました。代わりといってはなんですが、十三仏と杉をぜひ楽しんでみてください。

なにはともあれ、最初にして最大の難所である遍路ころがしを制覇できたことに喜びひとしおです。

 

【12番札所】  摩廬山 正寿院 焼山寺(まろざん しょうじゅいん しょうさんじ)
宗派: 高野山真言宗
本尊: 虚空蔵菩薩
真言: のうぼう あきゃしゃ きゃらばや おん ありきゃ まりぼり そわか
開基: 役行者小角
住所: 徳島県名西郡神山町下分字中318
電話: 088-677-0112

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この記事を書いた人

お遍路さん初心者です。  2015年1月20日(火)に1番札所を出発し、2015年3月1日(日)に41日間で88番札所で通し歩き結願を果たすことができました。 2015年4月12・13日の2日間で、開創1200年で盛り上がる高野山にお礼参りにも行ってきました。 自身の通し歩き遍路体験を元にお役立ち情報を発信しています。