「レイライン」とは英語で「Ley Line」と表記し、特定の日に太陽が射す方向に沿って聖地が並んでいることを意味します。レイラインを探し、その意味や聖地性を紐解く「レイラインハンティング」に長年取り組んでいる内田一成がレイラインの基礎知識を解説します。
「レイライン(Ley Line)」とは?
まず「レイライン」という言葉ですが、単に音だけ聞くと大多数の人が「霊ライン」と思い込んで、「ああ、おカルトか」という白い目線が返ってきます。 しかし、これは英語で、"Ley Line"と表記します。
1920年代に、イギリスのアマチュア写真家アルフレッド・ワトキンスという人が、ウェールズの小高い丘の上から景色を見渡したときに、教会やマウンドと呼ばれる古い墳墓や十字路などが直線上に並んでいることを発見します。 あとで地図で確かめてみると、目撃したとおりぴったり直線で結ばれ、その直線が通る地名が"◯◯ley"という場所が多く、"ley"という単語には、聖地の意味もあることから、この直線を"Ley Line"と呼ぶようになりました。
ワトキンスがレイラインを紹介してから、地理好きの人たちの間で、レイラインを探す「レイハンティング」がブームとなり、様々なレイラインが発見されていきます。 レイラインは春分や秋分、夏至や冬至、あるいはメイデイなどの特定の日の朝日や夕陽が射す直線に並ぶことが多いのですが、それ以外にも、大地に天体の配置と同じように聖地が並べられていたり、ナスカの地上絵のように動物や昆虫などの形が大地に描かれていて、それが特定の方向を指し示すような場合にも使われます。
日本にも、そんなレイラインがいくつもあります。 また、神社仏閣や古墳、遺跡などの多くは特定の方向を意識した構造になっていることが多く、それを測量し、分析することで秘められた歴史や古の人たちの思いが見えてきます。
スポンサーリンク
「レイラインハンティング」とは?
私は、ちょうど21世紀に入る頃から、GPSとデジタルマップ、地質データなどを使って、こうした聖地の構造を解析してきました。 イギリスをはじめとするヨーロッパで盛んな「レイハンティング」は、どちらかといえはスピリチュアルな視点でとらえられることが多いのですが、私はもっと客観的に聖地を分析することから、オリジナルな言い方とは異なる「レイラインハンティング」という用語を独自に使っています。 レイハンティングを楽しむ人はレイハンターと呼ばれていますが、これも一線を画して、レイラインハンターと称しています。
四国にもレイラインはたくさんあります。 空海が開いた霊場もその多くがレイラインと関係し、また寺院の配置や向きにも様々な意味がこめられています。
ある寺院は本堂が東を向き、参拝者は彼岸の中日に本堂に祀られた仏を拝むと同時に、その真後ろに沈んでいく夕陽も拝んで、西方にあるという浄土を思い浮かべる構造になっています(彼岸に真西に沈む夕陽を拝して西方浄土を想うことを「日想観」といいます)。 ある寺院は、次に向かう聖地を示し、それが太陽の再生を願う冬至の夕陽の方向に一致している例もあります。
空海が活躍していた時代には、もちろんレイラインという言葉はありませんでしたが、レイラインが結局大地に秘められた力を表す記号であるように、風水や陰陽道として古くから大地の力を示す知識や技術が存在し、空海もそれを会得していたのでしょう。
これから、そんな四国のレイライン、四国の聖地に秘められた歴史や文化をご紹介していきたいと思います。 四国巡礼に込められた深い意味もそこから見えてくると思いますので、どうぞご期待ください。
※当サイト内のレイライン関連の記事は下記リンク先にまとめていますのでご覧ください。
【内田一成 レイライン 関連情報】
●聖地観光研究所 --レイラインプロジェクト-- http://www.ley-line.net/
●聖地観光研究所 FaceBookページ https://www.facebook.com/leylineproject/
●主著 『レイラインハンター』(アールズ出版) 『再見西域 新疆シルクロード自動車旅行記』(山海堂)
●出演 『レイラインハンティング』(NBS長野放送) 『ビーバップハイヒール』(ABC朝日放送) 『太陽と大地の聖地 上田・別所温泉を巡る旅』(BS-TBS)
四国遍路情報サイト「四国遍路」を運営する株式会社四国遍路では、聖地観光研究所の内田一成氏と共同で、四国のレイラインを現地フィールドワークを通してご紹介するツアープランをご提供しています。 ツアーの様子を撮影した以下動画をぜひご覧ください。 ツアーの詳細情報は以下リンクのページに掲載しています。