四国八十八ヶ所霊場の札所のうち、最も高所の標高911mに位置する66番札所雲辺寺。実はお寺の周辺にある「天空のブランコ」「天空のフォトフレーム」「天空のカフェ」がSNSで話題となり、若い女性を中心に人気を集めています。
四国八十八ヶ所霊場最高峰の66番札所雲辺寺
66番札所雲辺寺は、標高927mの雲辺寺山の山頂付近の911mの四国八十八ヶ所霊場の中で最も高い位置にお寺があります。その高さと急傾斜であることから、「遍路ころがし」と呼ばれる難所のひとつとされています。
山麓から登山道を歩いて約2時間で登頂することができますが、歩きお遍路さんでないかぎり、お寺へのアクセスはロープウェイがおすすめです。
この雲辺寺ロープウェイの規模は日本最大級。全長約2,600m、行程差約660mを毎秒10mというスピードで進み、ちょっぴりスリリングな約7分間の空中遊泳を楽しむことができます。
お寺がある雲辺寺山は、その形が亀に似ていることから「巨鼇山(きょごうざん)」とも呼ばれているそうです。
この山は季節によって見せる姿が違うのが魅力的です。青々とした緑や赤く染まる紅葉など、窓から見える景色が美しく、ロープウェイに乗車した方々はそろってその姿をカメラに収めています。
雲辺寺山山頂に到着したら五百羅漢がお出迎え
雲辺寺ロープウェイ山頂駅に到着すると、そこは香川県と徳島県の県境になっています。徳島県側に進んでいくと、五百羅漢像が出迎えてくれます。
五百羅漢像が並ぶ小道を抜けると、66番札所雲辺寺にたどり着きます。
お寺は約1200年の歴史があり、本尊は弘法大師が刻んだといわれる「千手観音菩薩」です。
本堂の脇には、野菜のなすの形をした腰掛「おたのみなす」があります。「なす」と「成す」をかけて、願いが叶うといわれています。参拝した際は、この腰掛けに座って願かけをしてみてください。
SNSで話題の雲辺寺山頂公園
雲辺寺の参拝を終えた後は、坂を登ってお寺に隣接の雲辺寺山頂公園へ。
元々はスキー場として地元の方々に親しまれていたスノーパークですが、現在は緑の芝が生い茂る美しい公園にリニューアルされました。
この公園を一躍有名にしたのが「天空のブランコ」です。
旅行サイトじゃらんが選ぶ「爽快!絶景ブランコランキング」で全国第4位にランクインしました。
まるで空に飛び立っていくような感覚になるブランコは、週末になると長蛇の列ができるほどの人気です。
「天空のカフェ」でちょっと一休み
雲辺寺参拝と雲辺寺山頂公園内を散策した後は、「天空のカフェ」とも呼ばれている「雲辺寺コーヒー&park」で一休み。
ころんとしたフォルムが可愛いキッチンカーでドリンクやスイーツを購入して、絶景を眺めながら休憩することができます。
また、地元の観音寺市内にある和菓子店「坂口屋」とコラボした「生どら焼き」や「和三盆わらび餅」も絶品です。
秋・冬の季節限定ですが、このカフェの隣にクレープ屋さん「Ohale crepe」も出店しています。明るいスタッフの方が、ひとつひとつ丁寧にクレープを焼いてくれますよ。
年中楽しめる雲辺寺山の景色
自然豊かで標高の高い雲辺寺山だからこそ、四季折々の景色を楽しむこともできます。
春には山桜、夏には紫陽花、秋には紅葉、冬には雪景色…。季節ごとに鮮やかな色で彩られる雲辺寺山は、訪れる人を魅了します。
特に秋の季節は、美しい紅葉を一目見ようと雲辺寺山に訪れる人が最も多くなるそうです。
普段はロープウェイの最終時間は17時ですが、この紅葉の時期と夏休みの時期には、特別に時間が延長されます。夏には沈んでいく夕日と、ぽつりぽつりと光が灯る街の様子、秋には紅葉の幻想的なライトアップなど、季節ごとの雲辺寺山の楽しみ方があります。
写真を撮ったり、景色を見たり、おいしいものを食べたり…。66番札所雲辺寺を参拝する際には、他の札所とは一味違ったたくさんの楽しみ方があり、いろいろなことを楽しみたいお遍路女子には特におすすめです。何度も足を運ぶリピーターが多いのは、一度では味わい尽くせない魅力があるからなのだと思います。
季節に応じたイベントの開催も多いので、お遍路での参拝はもちろん、観光や休日のリフレッシュなどでもぜひ足を運んでみてください。
※雲辺寺からロープウェイで下山後、山麓駅から次の67番札所大興寺に向かうルートとおすすめの立ち寄りスポットを以下リンクの記事でご紹介していますので、ぜひこちらもご覧ください。
【66番札所雲辺寺→67番札所大興寺】雲辺寺ロープウェイ山麓駅からのおすすめ立ち寄りスポット
【「66番札所雲辺寺」 地図】
【「雲辺寺山頂公園」 地図】