高知県芸西村の海岸遍路道は、立ち寄りスポットがたくさんあり変化に富んでいます。有名な善根宿や老人ホーム併設休憩所と、歩き遍路さんにはありがたい施設もありました。
砂浜の景色に高知の雄大さを感じる
「安芸市」で名物の「安芸ちりめん丼」で元気をつけ、海岸沿いの国道55号を歩いていくと、「芸西村(げいせいむら)」に入ります。
芸西村は人口4000人ほどの小さな村ですが、村内には有名なゴルフ場「Kochi黒潮カントリークラブ」があり、ここでは毎年男子プロゴルフツアー「カシオワールドオープン」が開催されています。
安芸市と芸西村の境は「赤野(あかの)」という集落で、高台に休憩所があり、ここからの砂浜の景色は絶景です。
ずっと歩いてきた室戸の海岸は、基本的には断崖岩場だったので、この砂浜は同じ海岸でも全然違った趣きがあり、高知県の雄大さを実感できるとともに、まだまだ先が長いことも痛感しました。
この高台から陸方向を見ると「高知くろしお鉄道」が走っており、高台を貫くトンネルに入っていく電車の様子もなかなか乙だったので、写真を掲載しておきます。
自動車とは無縁の「自転車道」を歩く
赤野の休憩所は国道55号として並行している「自転車道」の入口になっていて、歩き遍路さんはここを進みます。
自転車専用道路を歩くことは遍路道の中ではたいへん珍しく、当然自動車は通っていないので、安全歩行が可能です。
この道を歩いて高台から海岸に降りれば、砂浜の方に出ることもできるので、砂とたわむれるものよいかと思います。
この海岸線沿いには、珍しい海水プールがあったり、坂本龍馬の妻「お龍」の銅像があったりしますので、砂浜ばかりに気をとられずに歩いてみてください。
有名な善根宿と老人ホーム併設休憩所
芸西村には歩き遍路さんにありがたい施設があります。
まず1カ所目は、遍路さん向けの善根宿の中では超有名な「善根宿 萩森(はぎもり)」です。
ここを運営している萩森さんは善根宿を運営されている方々のネットワークの中でもリーダー的な存在のようで、私はお世話にならなかったのですが、ここに宿泊した歩き遍路さんに話を聞いたところ「究極の世話焼き」と表現するほど、遍路さんに対して思い入れが強い方のようです。
高知くろしお鉄道の「西分駅」近くの海岸道沿いにあります。
2ヶ所目は特別養護老人ホーム「ウェルプラザ洋寿荘」に併設されている休憩所です。
この老人ホームは、全国初の木造2階建て老人ホームだそうで、建物を見るだけでもなかなか見ごたえがあり、とても環境が良さそうな老人ホームでした。
飲み物のディスペンサーを設置してくださっていて、板張りの小上がりもあるので、仮眠や一夜宿として使用してもよいようです。
西分駅を通過して、国道55号に合流した先に施設があります。
念のため地図も掲載しておきます。
芸西村はとても小さな村でありながら、海岸道が美しく、地域の方々のお遍路さんへの理解が深く、昔から遍路文化が根付いているように感じました。
ちなみに私はこの日、早朝に27番札所神峯寺の「真っ縦」を登り、安芸市、芸西村を通過し、香南市の「高知黒潮ホテル」まで歩いて宿泊しました。
山の登り下りを含む約40kmの歩行で、相当なダメージを蓄積してしまいました。
室戸岬を出発してからの海岸道はどんどん進みたくなってしまうのですが、上手に休憩・宿泊を区切りながら歩かれることをオススメします。
その意味では上記2施設を活用させていただくことも有力な手段だと思いますのでご参考ください。
私が宿泊した高知黒潮ホテルは、天然温泉の「黒潮温泉 龍馬の湯」が併設されていて、疲れを癒すにはとても良い環境で、周辺には買い物や食事をする場所が多くたいへん便利でした。
参考に施設情報のリンクもはっておきます。
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気持ちのよい海岸道を歩ききれば、ここからはしばらく内陸歩行といよいよ高知市内に入っていきます。