【11番札所藤井寺】藤の古木で知られるお寺は歩き遍路の難所「遍路ころがし」の入口

珍しい川中島と沈下橋の遍路道で吉野川を渡って、しばらく歩くと11番札所藤井寺に到着します。弘法大師空海が植えたという伝説がのこる藤の古木で知られるお寺は、歩き遍路で最初にして最大の難所である「遍路ころがし」の入口です。

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お大師さまお手植えの藤の古木

11番札所「藤井寺」の由来は、お大師さまが42歳の厄年にあたる弘仁6年にこの地で護摩修法をされ、自らの厄祓いと衆生の安寧を願い薬師如来像を彫造して、堂宇を建立した際に、堂宇の前に5色の藤を植えたことからとされています。
現在でも藤の古木が残っており、4月から5月にかけては藤棚に見事な藤の花が咲くらしいのですが、私が参拝した1月には花が咲いているはずもなく、藤棚が気にもならず写真を撮るのを忘れてしまいました。

ちなみに、「藤井寺」は「ふじいでら」と読み、88ヵ所霊場で唯一「寺」を「てら」と読みます。他のお寺は「じ」ですね。
昔のプロ野球の近鉄バッファローズの本拠地球場が「藤井寺球場(ふじいでらきゅうじょう)」だったことから、私は自然に勝手に「ふじいでら」と読んでいましたが。

 

最初にして最大の難所である「遍路ころがし」の入口

藤井寺は、山を越えながら、標高700mの12番札所焼山寺に向かう難所「遍路ころがし」の入口にあたります。
遍路ころがしとは、お遍路さんをころげ落とすような道の意味で山寺への難所のことをいい、以下の複数の区間がそのように呼ばれています。

●11番札所「藤井寺」から12番札所「焼山寺」への山越え路
●20番札所「鶴林寺」への登山路
●21番札所「太龍寺」への登山路
●27番札所「神峯寺」への急坂 ※「真縦(まったて)」とも呼ばれる
●60番札所「横峰寺」への登山路
●66番札所「雲辺寺」への登山路
●81番札所「白峯寺」への登山路

その中でも、焼山寺への道のりは、全長約13kmで山を2つ越えるための登り下りがあり、「健脚5時間、平均6時間、遅足8時間」かかるともいわれる最初にして最大の難所です。
あとから思い起こせば、「焼山寺への道ががんばれたんだから、この道も越えられるはず」と自分に言い聞かせて苦しい道を乗り切ることができたとも思います。

藤井寺はこの難所への入口になっており、以下写真のように本堂横からお大師さまに励ましてもらいながら、山道に入っていきます。

藤井寺 遍路ころがし入口

「遍路ころがし」ばかりが気になってしまいます。お大師さまから落ち着くように諭されている感じがしました。

 

藤井寺の奥の院は八十八ヶ所霊場参道

藤井寺から山道に入っていくと、八十八ヶ所霊場のご本尊が並んでいて、八十八ヶ所巡りができるようになっています。

藤井寺 八十八ヶ所霊場参道奥の院

ここをまわるきるだけでもけっこうたいへんそうと思い、案内板を写真におさめていました。

 

しばらく進むと藤井寺の奥の院である大日如来の祠もありますが、ここをゆっくり参拝している余裕はなく、足早に遍路ころがしに挑んでいきました。あとから思えば、もっと気持ちに余裕をもって、山道をゆっくり進めばよかったと思います。

しかも、私が藤井寺に到着したのが、2日目の夕方で、その日は藤井寺から宿泊場所の「鴨島温泉・鴨の湯 いやしの舎」に移動し、次の朝も再度藤井寺を通って進んでいきましたので、余計に素通りになってしまったと思います。
焼山寺へのオススメスケジュールは、前日は藤井寺は参拝せず、吉野川通過後に鴨島市街に向かって宿泊し、翌朝早出で朝一番7時に藤井寺で納経してから遍路ころがしに挑むプランです。
このプランであれば、早朝の藤井寺を楽しんで気持ちを落ち着かせてから多少の余裕も持って山登りができると思います。

私のように藤井寺を素通りになることなくゆっくり楽しむことで、遍路ころがしを無事に通過することにもつながると思いますので、ぜひ参考にしてみてください。

 

【11番札所】  金剛山 一乗院 藤井寺(こんごうざん いちじょういん ふじいでら)
宗派: 臨済宗妙心寺派
本尊: 薬師如来
真言: おん ころころ せんだり まとうぎ そわか
開基: 弘法大師
住所: 徳島県吉野川市鴨島町飯尾1525
電話: 0883-24-2384

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この記事を書いた人

お遍路さん初心者です。  2015年1月20日(火)に1番札所を出発し、2015年3月1日(日)に41日間で88番札所で通し歩き結願を果たすことができました。 2015年4月12・13日の2日間で、開創1200年で盛り上がる高野山にお礼参りにも行ってきました。 自身の通し歩き遍路体験を元にお役立ち情報を発信しています。