2番目の「遍路ころがし」を登りきり、標高500mの山頂にたどりつくと、そこが20番札所鶴林寺です。雌雄2羽の鶴が黄金のお地蔵さんを守っていたという伝説が残るお寺内のあらゆる「鶴」をお見逃しなく。
2番目の「遍路ころがし」を制覇
20番札所鶴林寺は、標高500mの山頂にあり、距離にして約3kmの道のりで一気に山を登りきる急坂で有名な難所のひとつです。阿波の3大難所を「一に焼山、二にお鶴、三に太龍」と表現されることもあります。
※それぞれの遍路道の様子は、以下3記事もぜひご覧ください。
【12番札所焼山寺への遍路ころがし】お大師さまのお出迎えが感動的な「浄蓮庵」からの下り登りが勝負
【20番札所鶴林寺への遍路ころがし】二番目の「遍路ころがし」裏道編
【21番札所太龍寺への遍路ころがし】三番目の「遍路ころがし」は川の風景が美しい良道…が…お寺直前で試練
山は自然が昔のまま残っている環境で、天正年間(1573~1593年)に多くの寺が兵火に遭遇した「天正の兵火」からも、山頂の難所であったため逃れており、歴史ある姿を留めているとのことです。
雌雄2羽の鶴が黄金のお地蔵さんを守っていたという伝説
寺名が鶴林寺となった由来は、弘法大師がこの山で修行していたとき、雌雄2羽の白鶴がかわるがわる翼をひろげて老杉のこずえに舞い降り、小さな黄金のお地蔵さんを守護しており、この情景を見た弘法大師が、近くにあった霊木で高さ90センチほどの地蔵菩薩像を彫造し、その胎内に5.5センチぐらいの黄金の地蔵さんを納めて本尊としたこととされています。
境内には、わかりやすく「鶴」がいらっしゃいますので、とても印象に残ると思います。
本堂にかかる幕にも「鶴の紋」があり、御朱印も開創1200年記念印もばっちり鶴なので、これでもかというぐらい鶴を満喫できます。
とはいいながら、見逃しがちだと思うのが、「山門の中」の鶴です。
遍路ころがしを登ってきて、汗だくで息をきらしていると思うので、山門をしっかりみておかないと見逃します。
山門に堂々と動物がいらっしゃるのは、札所の中でもこのお寺ぐらいではないでしょうか。
2番目の遍路ころがしを制覇できた余韻に浸りつつ、鶴が印象的な山頂の古刹をぜひ楽しんでみてください。くれぐれもいろいろな鶴をお見逃しなきよう。
【20番札所】 | 霊鷲山 宝珠院 鶴林寺(りょうじゅざん ほうじゅいん かくりんじ) |
宗派: | 高野山真言宗 |
本尊: | 地蔵菩薩 |
真言: | おん かかかび さんまえい そわか |
開基: | 弘法大師 |
住所: | 徳島県勝浦郡勝浦町生名鷲ヶ尾14 |
電話: | 0885-42-3020 |