【21番札所太龍寺】大龍を拝む弘法大師空海修行の古刹「西の高野」

3番目の「遍路ころがし」を経てたどり着く21番札所太龍寺は、和歌山県の高野山奥の院と堂宇の配置が同じであることから「西の高野」とも呼ばれる古刹です。弘法大師空海が厳しい修行をした際に「大龍」が守護したと伝わっています。

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三番目の「遍路ころがし」である急坂を登る

20番札所鶴林寺から山を一気に下り、21番札所太龍寺へは再度急坂を登る難所である「遍路ころがし」です。
阿波の三大難所を「一に焼山、二にお鶴、三に太龍」といわれ、歩き遍路さんを苦しめます。
ただ「太龍寺への遍路ころがし」はよく整備もされており、登山口前の那賀川、若杉谷川周辺の遍路道は景色も抜群なので、楽しんで登りたいものです。
※太龍寺への遍路ころがしに関しては以下記事もぜひご覧ください。

【21番札所太龍寺への遍路ころがし】三番目の「遍路ころがし」は川の風景が美しい良道…が…お寺直前で試練

ちなみに、太龍寺までの道のりは、車でも駐車場がお寺から約1.5km下にあり、そこからの登りが厳しいことで有名ですが、1992年に運行が開始された「太龍寺ロープウェイ」で楽に登れるようになっています。
このロープウェイですが、全長2,775mととても長く西日本一、山・川を超える珍しいルート設定、それを支える鉄塔支柱の大きさは世界一と、乗ってみる価値大いにありです。その分運賃もそれなりにかかりますが。
歩きでないお遍路さんはほとんどの方が使われているのだと思います。

太龍寺ロープウェイHP http://www.shikoku-cable.co.jp/tairyuji/

私は歩きなので、もちろん使わなかったのですし、しかも乗り場が鶴林寺から進んでいくと太龍寺の山の向こう側にありますので、歩きの場合登りでは使えないと思いますが、下り片道だけロープウェイを経験しておくのもありのように思います。

太龍寺ロープウェイ 山頂駅

山頂のお寺からすぐの乗り場を写真だけとりました。ここからでは景色も見えず。

 

「西の高野」ともいわれる堂々とした佇まい

どのような手段であれ太龍寺に登れば、そこに広がる堂々とした佇まいに圧倒されるはずです。

太龍寺 本堂 多宝塔 修行大師像

境内中心にお大師さまがいらっしゃって、本堂と多宝塔のバランスが絶妙に感じました。

大師堂が御廟の橋、拝殿、御廟が「高野山奥の院」と配置が同じであることから「西の高野」ともいわれているそうです。

太龍寺 大師堂

橋を渡って大師堂に向かうアプローチは、荘厳な雰囲気を感じました。

この太龍寺はお大師さまの修行地としても有名で、19歳のときに現在の境内の600m ほど西にある舎心嶽の岩上で百日間の虚空蔵求聞持法を修めたとされ、そこから山号は「舎心山」となったようです。
また、修行の際に大きな龍が空海を守ったとのことから寺名は太龍寺とされたとのこと。

鶴林寺はわかりやすくいろいろなところに「鶴」がいらっしゃいましたが、太龍寺の「龍」は探さないとわかりませんでした。これは見逃す方も多いようなので、ぜひ見ていってほしいです。

太龍寺 龍天井

納経所のある「本坊」の廊下天井に「龍」が描かれています。

納経後は、車駐車場方向に山を下っていきますが、これがなかなかの急坂悪路。車で登ってくるのもかなり注意が必要だと思われる道のりです。私が通ったときは落石が多く、道に落ちていた石を路肩によけながら歩きました。
距離にしても4kmほどひたすら下るので、鶴林寺と太龍寺への遍路ころがし後だったこともあり、しかも雨も降ってきて、心が折れそうになりました。

「一に焼山、二にお鶴、三に太龍」を制覇し、太龍寺の堂々とした佇まいを満喫して、安心せず、下りまでが太龍寺と思って、慎重に歩んでいきたいものです。

 

 

【21番札所】  舎心山 常住院 太龍寺(しゃしんざん じょうしゅういん たいりゅうじ)
宗派: 高野山真言宗
本尊: 虚空蔵菩薩
真言: おん のうぼう あきゃしゃらばや ありきゃ まりぼり そわか
開基: 弘法大師
住所: 徳島県阿南市加茂町竜山2
電話: 0884-62-2021

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この記事を書いた人

お遍路さん初心者です。  2015年1月20日(火)に1番札所を出発し、2015年3月1日(日)に41日間で88番札所で通し歩き結願を果たすことができました。 2015年4月12・13日の2日間で、開創1200年で盛り上がる高野山にお礼参りにも行ってきました。 自身の通し歩き遍路体験を元にお役立ち情報を発信しています。