四国霊場各県にある「国分寺」の最後を飾るのは讃岐國の80番札所国分寺です。奈良時代に広大な寺域をほこったお寺にはその痕跡が状態よく遺っており、国の特別史跡に指定されています。
丁寧な道標に導かれて「国分寺」へ
79番札所天皇寺を出発して、綾川沿いにある「山下うどん店」でさぬきうどんを堪能し、しばらく進んで交通量の多い国道11号に差しかかるところで、遍路道標を発見です。
指示通り進んだ先のトンネルの手前で、再度道標を発見です。
そして、さらに進んだ先でもうひとつ発見です。
このように丁寧に導いてくれる道標は初めてかもしれません。
地元の方に感謝ですが、この話にはもういっしょオチがあります。
丁寧な道案内も、こんな工事は予測できませんね。
なんだかんだ遍路道を楽しんでいたら、80番札所「国分寺」に到着です。
国の重要文化財に指定されている本堂と銅鐘
80番札所国分寺は、奈良時代に聖武天皇の詔により日本各地に建立された「国分寺」のうち、讃岐国分寺の後継寺にあたるお寺で、四国霊場の札所として各県の国分寺参拝のラストを飾るお寺です。
私が訪れたときに、境内にはちょうど大勢の僧侶姿の人達と遭遇しました。
国分寺の見どころでまずあげられるのが、国の重要文化財に指定されている「本堂」と「銅鐘」です。
「本堂」「銅鐘」は歴史を感じるすばらしいものなのですが、さらに注目していただきたのが、上の写真の参道に沿って並んでいる大きな石なのです。
これは、奈良時代に創建時の「金堂」を支えていた礎石だそうで、現在の「本堂」が建っているのは元の「講堂」跡地で、元々は現在の境内をすっぽり囲った上に周辺地域も含めて広大な寺域だったそうなのです。
国の特別史跡の「讃岐国分寺跡」はお寺の裏まで散策必須
現在のお寺の敷地外になる境内の北側にぐるっとまわってみると、昔の国分寺の痕跡を示すものが保存されており、一部は再現されているものもあり、「讃岐国分寺跡」として国の特別史跡に指定されています。
広大な敷地の史跡は、上の写真にもちらっと写っていますが子どもが走りまわったり、散歩する方がいたりと、地域の憩いの場になっているようでしたが、国分寺参拝者がこちらまで散策をされている様子は見かけませんでした。
すばらしい史跡なので、お遍路さんにもぜひ足を伸ばしてもらいたい場所です。
史跡から少し離れたところには「讃岐国分寺跡資料館」があり、歴史の詳細な情報を入手することもできます。
ちなみに、この資料館の駐車場にはきれいな公衆トイレが整備されており、野宿が可能な場所にもしてくださっているので、野宿遍路さんは活用されるのもよいと思います。
施設名: | 讃岐国分寺跡資料館 |
営業時間: | 9:00~16:30 |
休館日: | 月曜 ※月曜が祝日のときは翌日 年末年始(12月29日~1月3日) |
住所: | 高松市国分寺町国分2177番地1 |
電話: | 087-874-8840 |
施設HP: | http://www.city.takamatsu.kagawa.jp/kyouiku/bunkabu/rekisi/kokubunzi/ |
80番札所国分寺では、奈良時代の広大な寺域をしのばせる礎石に注目し、ぜひお寺裏側の「讃岐国分寺跡」まで足を伸ばしてみてください。
【80番札所】 | 白牛山 千手院 国分寺(はくぎゅうざん せんじゅいん こくぶんじ) |
宗派: | 真言宗御室派 |
本尊: | 十一面千手観世音菩薩 |
真言: | おん ばさら たらま きりく |
開基: | 行基菩薩 |
住所: | 香川県高松市国分寺町国分2065 |
電話: | 087-874-0033 |