西条市から新居浜市にかけての「旧讃岐街道」は、お遍路さんへのあたたかい心遣いを感じるお接待ロードでした。新居浜市に入ってすぐの中萩の集落には、有名な善根宿「萩生庵」があります。
歩行者専用橋を渡って危険な交差点へ
64番札所前神寺の参拝を終え、次の65番札所三角寺は約45km先の四国中央市で、途中で1泊は必要な長距離歩行となります。
私はこの日は伊予三芳の「光明寺」を早朝に出発して、60番札所横峰寺に登り、61番札所香園寺、62番札所宝寿寺、63番札所吉祥寺を立て続けに参拝し、夕方17時ぎりぎりで前神寺に到着しました。
前神寺から東にしばらく進むと、国道11号との合流地点がありますが、そのまま旧道を進むのがオススメです。
橋を渡って、川沿いを右方向に進むと、春は1500本もある桜の名所として有名な「武丈公園」をまわりこみ、旧道を歩いていきます。
私はこの先の以下交差点でこの日の遍路歩行を終え、遍路道とは違う北方向の伊予西条駅方面に進みました。
この日の宿泊は伊予西条駅すぐ近くの「西条アーバンホテル」にしました。
本当は、このあとご紹介する善根宿「萩生庵」に宿泊することも検討していたのですが、時間的・体力的に無理でした。
※この日朝出発した伊予三芳から「萩生庵」までは、横峰寺の「遍路ころがし」を含めて距離にして40km越え、札所も5カ寺参拝のため、さすがに無茶です。むしろ、17時までによく前神寺までたどり着くことができたと、あとから振り返って思いました。
伊予西条駅近辺は、ホテルや旅館が多いので宿泊場所確保には困らないと思いますが、私が宿泊した「西条アーバンホテル」は館内・客室がとても清潔で気持ちがよく、朝食は多種類のバイキング、なにより最上階に展望大浴場(人工温泉)があり、通ってきた石鎚山の山並を一望しながら疲れを癒すことができるオススメの宿です。
※参考に「西条アーバンホテル」の施設詳細情報リンクをはっておきます。
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「四国のみち」おもしろ道標とお大師さま一夜彫像の地蔵庵
前出の「危険な交差点」からの遍路道は住宅・田園地帯の生活道路で、分岐が多くてわかりづらいルートなのですが、「四国のみち」にもなっていて、その道標がしっかりと導いてくれました。
おもしろ道標に導かれて、約2kmほど進むと、遍路道沿いに地蔵庵があり、その由来を解説した石碑を読んで、ここはお大師さまゆかりのお地蔵さんであることを知りました。
旧遍路道沿いでもあることから、お遍路さんがお参りをしていくことが多いそうで、私も参拝させていただきました。
「旧讃岐街道」はあたたかい心遣いを感じるお接待ロード
地蔵原を通過して、3kmほど進むと、高速道路の「いよ西条IC」近くで国道11号に合流し、西条市から新居浜市に入ります。
しばらく進んだ先の中萩駅前交差点から、遍路道は国道11号と平行している「旧讃岐街道」に入っていきます。
昔は、松山方面から讃岐國(香川県)にある「金刀比羅宮(通称:こんぴらさん)」に参拝するためこの街道を通った人が多かったことから、「讃岐街道」と呼ばれているそうです。
現在は国道11号が整備されていますが、旧街道も生活道路として残っており、風情がある道です。
道幅が狭くて、少々危険ではありますが、地元の人の生活感を感じられると同時に、地元の人の遍路に対する理解が深く、声をかけていただくことが特に多かった道のりでした。
有名な善根宿「萩生庵」
旧街道に入って約2km、中萩小学校の手前に、このお接待ロードのきわめつけ、有名な善根宿「萩生庵」があります。
タイミングさえ合えば宿泊させていただこうと思っていたのですが、私がここにたどり着いたのはお昼頃だったので、休憩のみ立ち寄らせていただきました。
私はお会いできなかったのですが、この善根宿の主はこの家(高橋畳店)の高橋おばあちゃんで、お遍路さんにたいへん親切だと評判の方です。
お遍路道中に地元の方とふれあいながら進むのも歩き遍路の醍醐味ですね。
【善根宿「萩生庵」 地図】
さらにおまけで、萩生庵から少し進んだ先で気になる看板を発見しました。
お遍路さんにやさしい「旧讃岐街道」を通り、まだまだ先の65番札所三角寺を目指して、ひたすら東に進んでいきます。