【63番札所吉祥寺】毘沙聞天が御本尊のお寺の「成就石」と「くぐり吉祥天女」

63番札所吉祥寺の御本尊は四国霊場唯一の「毘沙聞天」です。「成就石」に祈願成就、「くぐり吉祥天女」に金運アップを祈願していきましょう。

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JR伊予氷見駅すぐ近くにたたずむ「吉祥寺」

62番札所宝寿寺を出発して、国道11号を進むこと約1.5kmで、63番札所吉祥寺に到着です。
西条市小松町は札所密集地域で、しかも国道やJR線のすぐ近くにお寺があるので、60番札所横峰寺の山の中から下りてきた直後にはとてもギャップを感じます。

吉祥寺はJRの伊予氷見駅のすぐ近くにあり、宝寿寺に引き続きの駅近札所です。
創建時から戦国時代までは、現在の場所よりも南側の坂元山にあったそうなのですが、「天正の兵火」で被害を受け、移転を余儀なくされたそうです。
その後も、近代化の時代に道路・線路開発の影響を受けて、寺域が狭められてきたとのことで、街中にあるお寺はそれはそれでいろいろな苦労があるようです。

吉祥寺 山門

駅近のお寺ではあるのですが、山門と塀でへだてられた境内は、静かな空間でよい雰囲気でした。めずらしく象さんがお出迎えしてくれます。

 

四国霊場唯一の御本尊「毘沙聞天」

吉祥寺の縁起によると、平安時代の弘仁年間(810~824年)に空海がこの地を訪れ、1本の光を放つ檜を見つけ、一帯に霊気が満ちているのを感得し、この霊木で御本尊とする「毘沙聞天像」を彫造、さらに脇侍として「吉祥天像」と「善膩師(ぜんにし)童子像」を彫って安置し、貧苦からの救済を祈願して堂宇を建立して開創したといわれています。

毘沙聞天を御本尊にしているのは四国霊場では唯一だそうです。
ちなみに、吉祥寺では「毘沙聞天」と表記する際に「聞」の字を使っていますが、通常は「門」の字で「毘沙門天」です。
「毘沙門天」は、持国天・増長天・広目天と共に「四天王」の一尊に数えられる武神で、その際には「よく聞く者」の意味の「多聞天」と称されることから、「聞」の字をあてているようです。

さらにちなみにですが、「吉祥天」は毘沙門天の妃または妹、「善膩師童子」は毘沙門天の息子の一人だそうで、家族でお寺を守る形をとっているみたいです。

吉祥寺 本堂

秘仏である毘沙聞天像が安置されている本堂です。55番札所南光坊の山門で見た「多聞天」はいかつかったですが、多くのことを聞き入れ、家族でお寺を守っていると知ると、吉祥寺の「毘沙聞天」はアットホームなパパに感じてきました。

※南光坊の山門に関しては、以下リンクの記事もぜひご覧ください。

【55番札所南光坊】今治市の中心部の伊予一宮別当寺は四天王が守る山門と納経所に注目

 

金運アップの「くぐり吉祥天」と祈願成就の「成就石」

吉祥寺の境内での見どころといえば「くぐり吉祥天」と「成就石」です。

吉祥寺 くぐり吉祥天 成就石 お迎え大師

お大師さまと並んでいる「くぐり吉祥天」は、その名の通り像の下をくぐることができます。

吉祥天像の下をくぐって祈願すると、貧苦を取り除き、富貴財宝を授かるご利益があるとのことですので、金運アップをお願いしていくとよいと思います。

そして、もうひとつの見どころ「成就石」ですが、私は完全に見逃してしまいました。
が、奇跡的に上の写真に写りこんでいたのです。
どこだかわかりますか?
写真左下に立札の「成」の文字と、写真の角がちょうど石の穴になっています。

この成就石は、高さ1mほどの石で、直径30~40cmの穴があいており、この穴に金剛杖を差すと願いが叶うとのことなのです。
私は金剛杖を持ち歩いていなかったので、どちらにしても祈願することができませんでした。
皆さまはここで無事のお遍路結願を祈願されるとよいと思います。

 

63番札所「吉祥寺」では、御本尊としてはめずらしい毘沙聞天のストーリーを学び、金運アップ、大願成就を祈願されてみてください。

 

【63番札所】   密教山 胎蔵院 吉祥寺(みっきょうざん たいぞういん きちじょうじ)
宗派: 真言宗東寺派
本尊: 毘沙聞天
真言: おん べいしらまんだや そわか
開基: 弘法大師
住所: 愛媛県西条市氷見乙1048
電話: 0897-57-8863

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この記事を書いた人

お遍路さん初心者です。  2015年1月20日(火)に1番札所を出発し、2015年3月1日(日)に41日間で88番札所で通し歩き結願を果たすことができました。 2015年4月12・13日の2日間で、開創1200年で盛り上がる高野山にお礼参りにも行ってきました。 自身の通し歩き遍路体験を元にお役立ち情報を発信しています。