伊予最後の野宿スポットとして横山公会堂近くの通称「ハト小屋」と、遍路小屋「しんきん庵・法皇」があります。お大師さまが熱病を封じ込めたといわれる別格14番札所常福寺(椿堂)にも立ち寄っていきましょう。
「横山公会堂」近くの通称「ハト小屋」
65番札所三角寺から香川県方面には、山下りの舗装路です。
車の通行量はそれほどない生活道路なので、山を眺めながら気持ちよく3.5kmほどを下ると、「平山バス停」の分岐点にたどり着きます。
平山バス停の交差点は道が入り組んでいて複雑ですが、遍路道標が複数設置されているので、それに従って進めば問題ありません。
半田の遍路小屋・休憩所を横目にさらに1kmほど進んだ「横山公会堂」という公民館の少し先道路左側に、野宿もさせていただけるお遍路さん休憩所があり、ハトが飼われていることから通称「ハト小屋」とよばれています。
【四国中央市金田町「ハト小屋」 地図】
道路会社が「チョウザメ」の養殖?
「ハト小屋」からしばらく歩いていると、道の側溝に目を引く看板がありました。
気になってネットで調べてみたら、この場所の近くに高速道路があり、そのトンネルを掘ったのが「中央道路株式会社」で、工事の際に地下水が湧き出たので、それを活かすために「チョウザメ」の養殖を始めたのだそうです。
なかなかチャレンジングな取り組みですね。
まだ卵の「キャビア」は採れておらず、「チョウザメ」の身を出荷しているとのとのこと。
私はチョウザメを食べたことはないので、機会があればぜひ試してみたいと思いました。
※中央道路(株)の「チョウザメ」の紹介記事を見つけたので、ご興味がある方は以下リンクをご覧ください。
中央道路株式会社 キャビアフィッシュ(えひめの食財ファイル): http://www.aifood.jp/ehimesyokuzai/?p=1507
お大師さまが熱病を封じ込めた「椿堂」
高速道路の下をくぐって1kmほど進むと、別格14番札所常福寺(椿堂)があります。
空海が四国巡錫中にこの地に立ち寄った際に、地域で熱病が流行していたため、椿の杖を地面に突き立て、邪気を地中に封じ込めて病をおさめ、その杖から目が出て大木になったことから、「椿堂」とよばれ地域に親しまれているそうです。
三角寺から6kmの距離を下ってきたところですので、休憩に立ち寄るお遍路さんも多い別格霊場です。
【「常福寺(椿堂)」 地図】
伊予國最後の野宿スポット「しんきん庵・法皇」
椿堂から、金生川(きんせいがわ)沿いの国道192号に入ると、香川県方面には再びゆるやかな登りが始まり、2km強進むと、道路右側に三角屋根の「しんきん庵・法皇」があります。
この遍路小屋は、遍路道沿い各地で見かける「四国八十八ヶ所ヘンロ小屋プロジェクト」による遍路小屋のひとつで、地元の川之江信用金庫の寄付により建設されたそうです。
名前の「法皇」は、この地域の南側に連なる「法皇山脈」からとっているそうで、前出の「チョウザメ」養殖のきっかけのトンネルの名前も「法皇トンネル」でした。
ここまでたどり着くと、伊予國の旅路もいよいよクライマックスです。
この「しんきん庵・法皇」が、伊予國最後の野宿スポットでもあります。
【「しんきん庵・法皇」 地図】
伊予國最後の65番札所三角寺を出発してから、伊予國クライマックスの遍路道沿いには野宿や休憩ができる立ち寄りスポットがいくつかありますので、スケジュールに合わせて有効利用してください。
次の66番札所雲辺寺は難所寺なので、その前に無理はなさらず、時間に余裕を持って歩みたい道のりです。