愛媛県内子町には歩き遍路さんにありがたい遍路小屋・休憩所・お堂がたくさんあり、宿泊も可能にしてくださっているところも多いです。私がおすすめするスポットをまとめてみました。
川に沿って山の中に入る内子町の道のり
お大師さま野宿のゆかりの地、別格8番札所十夜ヶ橋がある大洲市を通過し、内子町に入ると中心街には重要伝統的建造物群保存地区に指定されている「八日市護国」の昔の風情を残す街並みを通り、私オススメの休憩スポット「道の駅 内子フレッシュパークKARARI(からり)」でひと休みしてからは、小田川に沿った国道379号を山の中に入っていきます。
※「十夜ヶ橋」と「内子町中心街」の様子は、以下リンクの記事もぜひご覧ください。
【別格8番札所十夜ヶ橋・通夜堂】お大師さまが橋の下で野宿をした場所にはありがたい通夜堂あり
【内子町八日市護国】ハゼを原料に木蝋と和紙の生産で財をなした重要伝統的建造物群保存地区
内子町は四国遍路においては札所がない通過エリアなのですが、久万高原に向けて登りが続き、峠を越える難所であるからか、歩き遍路さんにありがたい遍路小屋・休憩所・お堂がたくさんあります。
その中でも私がおすすめするスポットをまとめてご紹介したいと思います。
大江健三郎の出身地「大瀬」の丸型ポスト
内子町の中心街から約6kmほど進むと、「大瀬(おおせ)」の集落があります。
ここはノーベル文学賞作家、大江健三郎の出身地だそうで、小さいながらも昔風の建物に統一された商店街があり、こんな山奥でも昔から住んでいる方はいらっしゃるんだなとしみじみ感じ入ってしまいました。
そして、昔風の建物に興味を持ち、きょろきょろしながら歩いていると、いらっしゃいました「丸型ポスト」です。
※「丸型ポスト」に関しては、以下タグの記事をぜひご覧になってみてください。
ここ大瀬には、旧喜多郡大瀬村役場だった建物を改修して、交流拠点として地元のボランティアさんが運営している宿泊施設「大瀬の館」があり、山村の生活感を味わえそうな雰囲気を感じたので、参考に施設HPのリンクをはっておきます。
愛媛県内子町 大瀬の館HP: http://xn--u9jy93jekpep1b.com/
千人にお接待を記念して建て替えられた「千人宿記念大師堂」
大瀬の集落から3kmほど進み、国道379号と小田川を挟んで対面の旧道沿いに「千人宿記念大師堂」があります。
この地で長くお遍路さんにお接待や善根宿を提供してきた山本さんが、昭和5年に千人宿泊を記念して古くからあった大師堂を建て替えたのが「千人宿記念大師堂」とのことで、現在も代替わりして維持管理を引き継がれているそうです。
大師堂のすぐとなりの「やなぜうどん山本商店」さんが、管理をされているので、利用の際は一声お声がけを。
【千人宿記念大師堂 地図】
久万高原への複数ルートの分岐点「突合」にある「遍路小屋・内子」
千人宿記念大師堂から2km程度で、国道379号と国道380号の交差点「突合(つきあわせ)」があり、久万高原への峠越えの複数ルートの分岐点になります。
「鴇田(ひわた)峠」を越えるルートなら田渡川沿いの国道379号方向に左折、「農祖(のうそ)峠」を越えるルートなら通ってきた小田川沿いの国道380号方向に直進します。
私は鴇田峠ルートを選択し、突合の交差点から少し進んだ先に「遍路小屋・内子」がありました。
この遍路小屋は、地元の方々の熱意と、愛媛信用金庫の寄付で平成21年(2009年)に建設されたそうで、遍路小屋周辺のスペースも広いので、野宿には重宝するスポットです。
【遍路小屋「内子」 地図】
清潔なトイレがありがたい「なみへいうどん」
田渡川沿いの国道379号をしばらく進んでいくと、突然木造のきれいな建物と敷地内に休憩所らしきスペースを発見し、ここが「なみへいうどん(なみへい食品株式会社)」で、不思議な名前と建物の美しさにひかれ、立ち寄りました。
うどん屋としての営業時間は昼の短い時間のようで、私が立ち寄った時には営業していなかったのですが、休憩スペースとトイレをお借りすることができ、特にトイレが清潔でたいへんありがたかったです。
参考にお店HPのリンクをはっておきます。
なみへいうどんHP: http://namihei-udon.com/
【なみへいうどん(なみへい食品株式会社) 地図】
内子町と砥部町の境「落合」にあるお堂
「なみへいうどん」から国道379号をさらに進み、「落合トンネル」という短いトンネルを抜けると、国道379号と県道42号の分岐点「総津落合交差点」で、ここが内子町と砥部町の境にあたります。
ここから鴇田峠へは県道42号を進み、いよいよ未舗装路もある峠道に入り、峠を越えて久万高原中心街に出るまでに12kmほどの距離がありますので、午後の遅い時間にここにたどり着いた場合は、その日はこれ以上進まない方が無難です。
国道379号を少し進んだ先の砥部町広田の集落には数軒旅館がありますので、ここをベースキャンプにして朝から鴇田峠に挑む人がお遍路さんが多いですが、野宿にこだわる人用に宿泊可能なお堂をご紹介します。
【総津落合交差点近くお堂 地図】
ということで、内子町内にはありがたい休憩・宿泊スポットがたくさんあり、地域の方々の遍路への理解を深さを感じ、まさしく愛媛伊予國「菩提の道場」を体感する道のりでしたが、このエリアは山の中で、天候が変わりやすいですし、登り坂が続き峠を越える難所ですので、けっして無理はせず、時間に余裕をもって、計画的に進まれることをおすすめします。