28番札所大日寺を出発してからは、住宅と田畑が広がる田園地帯を歩きます。住宅街ならではの手作りおもしろ道標に導かれながら、宿泊可能な「松本大師堂」で「甚兵衛桜」が咲く様子を想像しました。
田園地帯にはおもしろ道標
28番札所大日寺を出発すると、次の29番札所国分寺までは約8kmの距離で、住宅と田畑が広がる田園地帯を歩きます。
高知県に入ってからは基本的には海岸沿いを歩いてきているので、田園風景は久々でかなり新鮮に感じました。
この道のりで注目なのが「おもしろ道標」です。
かなり入り組んだ住宅街を歩くエリアがあり、地域住民の方々が手作りで設置していただいているのか、他の地域では見られないような道標がありました。
宿泊可能な松本大師堂で「甚兵衛桜」の咲く姿を想像する
28番札所大日寺から3km強歩いた遍路道沿いに「松本大師堂」があります。
この大師堂は、江戸時代に岩目家三代目甚兵衛という人が建立し、この地で現代まで地域の方々によって守られてきたそうです。
しかし、お堂の老朽化が進み、建て替えを検討した際に、遍路小屋も兼ねる案により、地域の800人の方々の寄進によって平成19年に新築されたのが現在の大師堂とのこと。
毎月21日には、地域の方々が集まって大師講が行われ、お遍路さんにお接待もしているそうで、地域に遍路が根付いていて、お遍路さんにとってはたいへんありがたいですね。
大師堂のすぐわきには、初代大師堂建立者の甚兵衛さんのお墓と「甚兵衛桜」が植わっており、私が歩いたのは1月なので、もちろん桜は咲いていなかったのですが、咲いている姿を想像だけしていきました。
参考に「松本大師堂」の場所の地図を掲載しておきます。
国分川の年一回の大清掃で「豚汁ぶっかけ飯」のお接待
さらに歩を進めると、29番札所「国分寺」の手前に「国分川」という大きな川があり、河原に集まっている地元の方々がいらっしゃいました。
呼び止められてお話をしてみると、毎年2月の第一日曜日に年一回の川の大清掃があるとのことで、私がここを通りかかったのが2015年2月1日の日曜日でちょうどその日だったのです。
そして、これも毎年恒例らしいのですが、巨大な釜で豚汁をつくって、それをごはんにぶっかけて食べるとのことで、もちろんお接待でいただいてしまいました。
超大盛りにしていただき、さらにおかわりも勧められまくりましたが、さすがに満腹で遠慮してしまうほど、お接待心溢れる皆さまで、たいへんありがたかったですし、年一度に機会に巡り合えたことがうれしくもありました。
高知に入ってからは海岸の孤独な道のりを進むことが多かったですが、28番札所大日寺から29番札所国分寺の道のりは、地域の方々との交流やありがたいお接待を体感できる田園地帯でした。