「伊予土居」の別格12番札所「延命寺」は、お大師さまお手植えの「いざり松」と千枚通し霊符の伝説が残るお寺です。
今は枯れてしまい太い幹と枝の名残だけが残る「いざり松」の横の東屋は野宿可能なスペースになっています。

「関ノ戸峠」を越えて四国中央市に入る

この日はJR「伊予西条駅」前の「西条アーバンホテル」から出発し、新居浜市に入り、昔の関所「関ノ戸峠」の登り途中では、「霜降和牛コロッケ」でパワーチャージして、標高160mの峠頂上を越えると、そこからは四国中央市です。
※「霜降和牛コロッケ」を食べた「コーヒーハウスホットワン(峠のごはん)」に関しては、以下リンクの記事をぜひご覧ください。

関ノ戸の峠越え前に「霜降和牛コロッケ」でパワーチャージ【コーヒーハウスホットワン(峠のごはん)】

四国中央市は愛媛県でもっとも東に位置する市で、四国の他の3県にすべて隣接しており、四国高速道路の交差点の要所となっています。
製紙、紙加工業において日本屈指の生産量をほこり、海岸線には大規模な工業地帯を構成し、大王製紙やユニ・チャームなど上場企業の本社も多数あります。

といいつつも、「関ノ戸峠」を越えてからの遍路道はのどかな田舎道を歩いていきますので、工業的な雰囲気を特別感じることはなく、道の途中ではおじいちゃんの武勇伝を延々とうかがうという地元民交流ができてしまう雰囲気でした。

若いころは遠投100m以上の強肩の野球選手だったというおじいちゃんのお話をうかがいました。

若いころは遠投100m以上の強肩の野球選手だったというおじいちゃんのお話をうかがいました。

 

「いざり松」と「千枚通し霊符」の別格12番札所「延命寺」

「関ノ戸峠」を一気に下って、5kmほど進んだ先の「伊予土居」地域の旧街道遍路道沿いには別格12番札所「延命寺」があります。

遍路道沿いに立派なお寺が見えるのですぐにわかると思います。ぜひお立ち寄りを。

遍路道沿いに立派なお寺が見えるのですぐにわかると思います。ぜひお立ち寄りを。

このお寺にはお大師さまゆかりの伝説が残っています。
お寺の開創は奈良時代に行基菩薩によるものとされていますが、平安時代に空海がこの地に立ち寄り、松の木を植えたそうです。
その後、この松の木の下で足の不自由な人が苦しんでいるのを見た空海は、千枚通し霊符を創札し、霊符を一枚水に浮かべて飲ませると全快したとのこと。
治癒してもらったこの人物はこれに感銘し空海より得度を受け、法忍と名乗り、この地で千枚通しの霊符を継承したいったといわれています。

この千枚通し護符は現在でもお寺で授かることができ、朝夕に祈念しながら飲むと病気平癒・安産に効果があるといわれ、お寺は「千枚通し本坊」の通称で長く親しまれています。

お大師さまお手植え伝説の松は、明治時代には枝が傘状に東西30m・南北20mに広がっていた巨木で「土居のいざり松」と呼ばれ、有名な古木でしたが、昭和43年に枯れてしまったそうです。

ただ、今でも太い幹と枝の名残が残っており、この「いざり松」は野宿遍路さんにもありがたい存在になっているのです。

枯れてしまったとはいえ、太い幹が特別な存在感を放っています。かたわらではお大師さまが見守っておられます。

枯れてしまったとはいえ、太い幹が特別な存在感を放っています。かたわらではお大師さまが見守っておられます。

 

「いざり松」の横には野宿可能な東屋

「いざり松」は、お寺の境内から道を挟んで向かい側の広場に残されており、ここには立派な東屋と、すぐ近くにお寺のトイレがあって、野宿可能なように開放してくださっています。

長ベンチを備えた立派な東屋です。ここに休憩で立ち寄るお遍路さんも多いようです。

長ベンチを備えた立派な東屋です。ここに休憩で立ち寄るお遍路さんも多いようです。

ここから次の65番札所「三角寺」まではまだ10km以上ありますし、野宿スポットは少ないエリアですので、野宿遍路さんには重宝されているようです。
別格霊場では、徳島県の4番札所「鯖大師本坊」の東屋でも野宿をさせていただきましたが、野宿遍路さんのために施設提供してくださるお寺もけっこうあります。
※「鯖大師本坊」の様子は、以下リンクの記事もぜひご覧ください。

空海と行基の「鯖伝説」が残る「鯖大師」で野宿【別格4番札所「八坂山八坂寺(鯖大師本坊)」】

お大師さまお手植えの「いざり松」に見守られながら、一夜を過ごすなんてことも、なかなかよい経験になるかもしれません。

私がここにたどり着いたのは、お昼過ぎの時間帯だったので、休憩だけさせていただいて、先に進むことにしました。

【別格12番札所「延命寺」 地図】

 

工事中でもちゃんと迂回遍路道を用意してくれる心遣いと遍路小屋「しんきん庵・秋桜」

「伊予三島」方面に進むと、高速道路の土居IC付近で高速道路入口下をくぐった先で、遍路道では恒例となってきた工事中の道と遭遇しました。

「通り抜けできません」の表示に他の場所でもビビり続けてきたのですが、往々にして歩行者には仮設路を用意してくださっています。

「通り抜けできません」の表示に他の場所でもビビり続けてきたのですが、往々にして歩行者には仮設路を用意してくださっています。

ちゃんと「遍路道」の表示があり、お遍路さんが通ることを意識して工事をしてくださっているのがありがたいです。

ちゃんと「遍路道」の表示があり、お遍路さんが通ることを意識して工事をしてくださっているのがありがたいです。

通り抜けられてほっとしたのも束の間、その先ではたいへんなことになっていました。

通り抜けられてほっとしたのも束の間、その先ではたいへんなことになっていました。

このあたりはさしてイベントもなく、ひたすら歩き続けるしかなく、「延命寺」から進むこと約12km、3時間近くを要して、ようやく「伊予三島」の中心街に入ってきたところで、大きな道標と遍路小屋を発見です。

立派な石柱遍路道標と遍路小屋「しんきん庵・秋桜」がありました。

立派な石柱遍路道標と遍路小屋「しんきん庵・秋桜」がありました。

この遍路小屋も野宿可能にしてくださっているのですが、国道11号と県道126号の交差点に建っていて、夜でもかなり交通量が多いと思われる地点なので、環境としては寝づらいかもしれません。
近くにコンビニやお店はあるものの、トイレ・水はない小屋なので、もし泊まる場合は準備が必要です。

ちなみに、私はこの日の宿泊を高速道路の「三島川之江IC」近くの「スーパーホテル四国中央」にしました。
「横峰寺」の「遍路ころがし」からの長距離歩行で疲れがたまっていて、「西条アーバンホテル」に続き、快適なビジネスホテルに連泊という少々さぼり気味の行動をとってしまいました。
「スーパーホテル」グループは、部屋や寝具の就寝環境がとてもよくて、お気に入りのホテルです。
ここ「スーパーホテル四国中央」は、天然温泉の大浴場もあり、おかげで翌日の「三角寺」「雲辺寺」の難所に備える疲労回復がしっかりできました。
※「スーパーホテル四国中央」の詳細情報は、以下リンクよりご確認ください。

 

「伊予西条駅」からの峠越えを含む40km越え長距離歩行をクリアし、途中お大師さまの「いざり松」の応援も受けて、いよいよ伊予の國の遍路旅がクライマックスを迎えます。

 

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ごんのすけ

お遍路さん初心者です。  2015年1月20日(火)に1番札所を出発し、2015年3月1日(日)に41日間で88番札所で通し歩き結願を果たすことができました。 2015年4月12・13日の2日間で、開創1200年で盛り上がる高野山にお礼参りにも行ってきました。 自身の通し歩き遍路体験を元にお役立ち情報を発信しています。