【6番札所安楽寺】旅路をサポートしてくれる癒しのお寺の包容力ある本堂

私が歩き遍路初日に宿泊したのが6番札所安楽寺です。古来よりお遍路さんの旅路をサポートし続ける「駅路寺」であった安楽寺には温泉が湧く宿坊があり、私は山門をくぐって目に飛び込んできた本堂の姿が印象的でした。

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「温泉山」の由来

6番札所「安楽寺」の山号は「温泉山」です。
その名の通り、「温泉」に山号の由来があります。

平安初期の弘仁6年に、四国を巡錫中だったお大師さまが、温泉を発見され、「この地は、病魔から人々をすくう薬師如来様とご縁の深い土地である」とおっしゃられ、万病の治癒に効果があるこの温泉のほとりにお堂を築き、薬師如来を刻んで安置されて、山号を「温泉山」、寺号を「安楽寺」と名付けらたそうです。

安土桃山時代には、阿波徳島藩の藩祖である蜂須賀家正公より「駅路寺」として定められたとのこと。
その当時、阿波の国には遍路や旅人のための宿泊施設がなく、そういった人々に宿や食事を提供して保護するために藩が指定した寺院を駅路寺と呼んだそうです。
以来、安楽寺は札所八十八ヶ所で唯一の駅路寺として、宿(宿坊)の歴史は400年を超え、境内大師堂前から湧き出る温泉は、多くのお遍路さんを癒しています。

安楽寺 宿坊

近代的な立派な構えの宿坊。売店もあり、遍路用品を買い揃えることもできます。

 

宿泊したのは「宿坊」ではなく…

こうくると当然立派な宿坊に泊まったの?となると思いますが、私が宿泊したのは「山門(通夜堂・鐘撞堂)」です。
「安楽寺の山門」は、野宿をするお遍路さんにはとても有名で、宿坊を含め、いろいろなたくさんのお遍路さんを癒し続けるありがたいお寺なのです。
山門での宿泊の様子は、以下記事にアップしていますので、ぜひご覧ください。

【6番安楽寺・通夜堂(鐘撞堂)】巨大な鐘の下で寝る貴重な体験

安楽寺 山門

入口山門の2階が鐘撞堂になっており、ここに泊まらせていただけるのです。初日宿泊にしてはなかなか刺激的な体験でもありました。

 

見事な「庭園・多宝塔」と、全てを包み込むがごとくの「本堂」

安楽寺の注目ポイントは温泉だけではなく、山門をくぐるとすぐに目の前に広がる見事な「庭園・多宝塔」と、堂々とした構えの「本堂」です。

安楽寺 多宝塔

池と松に囲まれた多宝塔が艶やかです。多宝塔の周囲では、八十八ヶ所霊場のお砂踏みもできるようになっています。

 

そして、安楽寺の本堂は、私にとって特別な存在です。
初日の日没後にお寺に到着し、真っ暗な中でそのまま山門で寝たのですが、翌朝誰もいない境内で堂々とした本堂を見た時には、全てを包みこんでくれるような感覚をおぼえました。

安楽寺 本堂

日が昇りかけた空と本堂の姿にお遍路をスタートしたことを実感しました。

 

初日宿泊だったお寺ということもり、初心を忘れないように意識したこともあり、たいへん印象に残っています。
多くのお遍路さんを癒し続ける安楽寺は、私にとって特別なお寺になりました。

 

【6番札所】  温泉山 瑠璃光院 安楽寺(おんせんざん るりこういん あんらくじ)
宗派: 高野山真言宗
本尊: 薬師如来
真言: おん ころころ せんだり まとうぎ そわか
開基: 弘法大師
住所: 徳島県板野郡上板町引野字寺ノ西北8
電話: 088-694-2046

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この記事を書いた人

お遍路さん初心者です。  2015年1月20日(火)に1番札所を出発し、2015年3月1日(日)に41日間で88番札所で通し歩き結願を果たすことができました。 2015年4月12・13日の2日間で、開創1200年で盛り上がる高野山にお礼参りにも行ってきました。 自身の通し歩き遍路体験を元にお役立ち情報を発信しています。