【33番札所雪蹊寺】長宗我部元親ゆかりのお寺は高知特産品の宝庫

33番札所雪蹊寺は、四国を制覇した武将「長宗我部元親」ゆかりのお寺です。お寺の境内には地元の特産品の直売所があって、アットホームな雰囲気を感じることができました。

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桂浜の丘陵地帯は「長宗我部元親」の居城「浦戸城」跡

32番札所禅師峰寺から浦戸湾の入口を県営渡船で渡ると、そこは長浜の集落で、商店街の中にはうどんだしに中華麺の高知ご当地グルメ「ちゅうにち」の元祖である「竹村食堂」があり、ほどなく33番札所「雪蹊寺」に到着します。
雪蹊寺は弘法大師によって真言宗のお寺として開創されましたが、現在は臨済宗妙心寺派のお寺になっています。このことには、高知の有名な武将「長宗我部元親(ちょうそかべもとちか)」が関係しているのです。

開創後、一時廃寺となっていたこのお寺を戦国時代に四国を制覇した土佐の武将「長宗我部元親」が後援し復興した経緯があり、元親の宗派の臨済宗から住職を招いたことで、臨済宗のお寺となったとのことです。
その後長宗我部家の菩提寺になり、元親の法名「雪蹊恕三大禅定門」から寺名も「雪蹊寺」と改められました。

そもそも元親とお寺にご縁があったのは、雪蹊寺からほど近い、今では有名な観光地となっている「桂浜」の北部の丘陵地帯に、元親の居城「浦戸城」があったことだといわれています。
現在の高知市の中心地は「高知城」がある少し内陸に入った地域になっていますが、江戸時代に入るまでは、海沿いの港もある雪蹊寺近くの地域が中心だったそうです。

現在ではのどかな雰囲気がただよう長浜地域ですが、戦国時代の高知の中心地だった歴史を知ると、また見え方も変わってきます。

雪蹊寺 本堂

本堂は平成16年に改築され、瓦葺のカーブが美しい屋根が特徴です。

 

境内には高知特産品の直売所

このお寺で珍しいと思ったのが、境内に高知特産品の直売所があったことです。
他の札所で、境内でこれだけ堂々と物品販売をしているお寺はなかったように思います。

雪蹊寺 特産品直売所

境内での物品販売が珍しかったので、まじまじ見てしまい、写真もばっちり撮ってしまいました。

私が歩いていたのは1~2月の時期だったので、高知では柑橘類が旬の季節でした。
ここの直売所でも、見事な「文旦」が大量に並んでいましたが、高知で見かけた「ポンカン」や「八朔」にも共通する特徴が、サイズがとても大きいこと。
歩き遍路が持ち歩くのには適していないのが残念なのですが、そんなことはお構いなしで進む先々の皆さまがお接待でいろいろな柑橘類をくださいました。
もっとも良い状態で収穫したその場でいただけてしまうので、どれも味は最高でした。

雪蹊寺 おちゃめな奴

境内にはこんなおちゃめな奴もいて、なんとなく心が和みました。

 

通夜堂の提供もあり

雪蹊寺では、遍路が宿泊可能な「通夜堂」も提供してくださっています。
私は宿泊しなかったのですが、宿泊した歩き遍路さんに話を聞いたところ、施設は充実していて、納経所で受付をする形式なので安心感もあり、自転車の貸し出しもしてくれたそうです。
自転車があれば、周辺のお店への買い出しや、少し足を伸ばせば、桂浜散策や日帰り入浴施設にも行けてしまうと思います。

話を聞いた歩き遍路さんは、自転車で桂浜の「国民宿舎桂浜荘」に日帰り入浴に出かけたそうなのですが、日帰り入浴可能時間が10:30~15:00で時間外に行ってしまい、それでも歩き遍路さんがわざわざ来たとのことで特別に入浴させていただけたそうです。
これはあくまでも特別対応なので、皆さまは入浴可能時間に要注意でご利用ください。
※参考に施設情報のリンクをはっておきます。

 

 

 

お寺の起源や桂浜の歴史も学びながら、高知市内の歩みも終わりが近づいてきます。

 

【33番札所】  高福山 高福院 雪蹊寺(こうふくざん こうふくいん せっけいじ)
宗派: 臨済宗妙心寺派
本尊: 薬師如来
真言: おん ころころ せんだり まとうぎ そわか
開基: 弘法大師
住所: 高知県高知市長浜857-3
電話: 088-837-2233 

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この記事を書いた人

お遍路さん初心者です。  2015年1月20日(火)に1番札所を出発し、2015年3月1日(日)に41日間で88番札所で通し歩き結願を果たすことができました。 2015年4月12・13日の2日間で、開創1200年で盛り上がる高野山にお礼参りにも行ってきました。 自身の通し歩き遍路体験を元にお役立ち情報を発信しています。