75番札所善通寺は、お大師さまの出身家である佐伯家ゆかりのお寺で誕生の地でもあるといわれています。 広大な境内にはたくさんのお堂が建ち並び、重要文化財の宝庫でもありました。
さてどちらに進めばよいのやら
74番札所甲山寺を参拝し、「宮川製麺所」で昼食をとり、巨大病院「四国こどもとおとなの医療センター」を横目に進んだ先で、老舗パン屋「三村のパン」を発見して立ち寄りました。 ※宮川製麺所、三村のパンの様子は、以下リンクの記事もぜひご覧ください。
【宮川製麺所】さぬき式セルフに圧倒されながらも優しいおねえさんに教えを請う
【三村のパン】昭和28年創業老舗パン屋の善通寺名物「レトロあんぱん」
三村のパンが角にある交差点から、歴史を感じるお店が点在する細道に入って300mほど進むと75番札所善通寺に到着しますが、さてどちらに進めばよいのやら、迷ってしまいました。
私は「仁王門」を目指して右側に進んだのですが、こちらは大師堂である「御影堂(みえどう)」のある「西院」で、本堂である「金堂」は左側に進んだ先の「東院」にあることを、西院に入ってから気がつき、本堂に先に参拝するために、引き返すことになりました。 ちなみに、先ほどの写真で東院に進む途中で後ろ姿が見えていた弘法大師像があるお寺は「観智院(かんちいん)」で、善通寺創建と同時に空海によって開創され、多くの堂塔がある善通寺の寺務を筆頭格として統括していたお寺なのだそうです。 弘法大師像は昭和9年(1934年)に建てられたもので、像の周囲には四国八十八ヶ所の御本尊とお砂が配置され、お砂踏みができるようになっています。
善通寺は広大な境内で、大きくは東院と西院の2つのエリアにわかれており、歩き遍路道は2つのエリアのちょうど真ん中にたどり着きますので、私のように迷わないようにご注意ください。
お大師さまの父ゆかりの「伽藍」には重要文化財の「金堂」と「五重塔」
ということで、まずは本堂がある「東院」へと進みます。 「伽藍」とも呼ばれる東院では、表情豊かな「五百羅漢」がお出迎えしてくださいますが、まず目に飛び込んでくるのは巨大な「五重塔」です。
そして、本堂である「金堂」も重厚なたたずまい。
五重塔と金堂は重要文化財にも指定されている見事な建造物です。
善通寺の縁起によると、現在の善通寺の所在地は空海が生まれた地で、「東院(伽藍)」がある場所は空海の父であり地元の豪族であった佐伯直田公(さえきのあたいたぎみ(法名:善通))が空海に寄進した土地で、空海の唐での修行後、長安の青龍寺を模して創建されたといわれています。 寺名も父の法名から「善通寺」とされたのですが、当時の善通寺は現在の東院にあたる場所のみで、「西院」はのちに創建されることになります。
佐伯家邸宅跡に創建された「誕生院」
現在の西院にあたる場所は「誕生院」とも呼ばれており、元は佐伯家の邸宅があった場所だといわれています。 ここに堂宇が建設されたのは、善通寺創建から400年以上経った鎌倉時代の建長元年(1249年)で、創建時は空海誕生の地であることから名をとり「誕生院」とされ、善通寺とは別のお寺だったそうです。
御影堂の地下は、約100mの暗闇の道を、法号を唱えながら歩き、お大師さまと結縁する「戒壇めぐり」をすることができる道場となっています。
西院には、他にもたくさんのお堂があり、観光目的の参拝客の姿も多くみられます。
また、西院の敷地内には、お遍路さんの中では超有名な宿坊「いろは会館」もあります。
75番札所善通寺は、お大師さま誕生の地であり、真言宗善通寺派の総本山たる堂々たるお寺でした。 広大な境内をじっくりまわらせていただき、次の札所を目指します。
四国遍路情報サイト「四国遍路」を運営する株式会社四国遍路では、総本山善通寺と共同で、善通寺をより詳しくご紹介し、楽しんでいただくことができるツアープランをご提供しています。 ツアーの様子を撮影した以下動画をぜひご覧ください。 ツアーの詳細情報は、以下リンクのページに掲載しています。
【75番札所】 | 五岳山 誕生院 善通寺(ごがくざん たんじょういん ぜんつうじ) |
宗派: | 真言宗善通寺派 |
本尊: | 薬師如来 |
真言: | おん ころころ せんだり まとうぎ そわか |
開基: | 弘法大師 |
住所: | 香川県善通寺市善通寺町3-3-1 |
電話: | 0877-62-0111 |