22番札所平等寺から23番札所薬王寺へは、国道旧55号の峠越えと、県道25号の海岸道の2ルートがありますが、私は海岸ルートを選択し、「大浜海岸」と「厄除橋」からの薬王寺の眺めを楽しみながら進みました。
「薬王寺」へは2ルートの選択
22番札所平等寺を出発してからは、山間の県道284号を進み、平等寺の奥の院である「月夜御水庵」を横目に、釘打(かねうち)で国道55号に出ます。
そこから2kmほど進むと、小野の集落で、旧国道55号方面の星越峠を越えていく山ルートと、県道25号で由岐峠を越えて海岸に出るルートの2ルートの選択になります。
私は、前日に由岐の「橋本屋旅館」に宿泊していて、荷物も預けていたこともあり、由岐方面の海岸ルートを選びました。
由岐を通過し、田井ノ浜や木岐あたりで海岸に出ると、海の美しい景色に出会えます。徳島の遍路道は、基本的には山の中が多かったので、海の景色はとても新鮮に感じましたが、ここから高知に入っていくと、嫌というぐらい海の景色なんですけどね。
大浜海岸より「薬王寺」を眺める
そこからは、海岸に出たり、峠を越えたり、遍路道らしい道のりが続き、えびす洞(標高52mの岩山に、波の浸食で直径30mの大きな穴が空いた奇勝)のある岬に出ると、そこからはウミガメの産卵地として有名な「大浜海岸」が一望できます。
大浜海岸はもちろんなのですが、ここで見逃してはならないのが、23番札所「薬王寺」が見えるのです。
写真ではわからないと思いますが、中央の山の下の方にとても目立つ「瑜祇塔(ゆぎとう)」が肉眼だとばっちり見えます。
こんなに遠くから札所を確認できたのは、ここまでの道のりで初めてでした。と同時に、なかなか派手なお寺だなと感じました。
厄除橋から再度の薬王寺と日和佐城
岬から進んでいくと日和佐のまちに入っていきます。
そこには地元の方々が運営されている遍路接待所があり、私が歩いていた1月は歩き遍路が少ないので、待ってましたとばかりにおねえさまに手招きされ、飲み物やらお菓子やらたくさんお接待をいただいてしまいました。
ここを通過すると薬王寺は目の前ですが、ここで通過する朱塗りの厄除橋からの景色も見ものです。
海側を見ると湾にせり出した山の上に日和佐城、山側を見ると再度の薬王寺瑜祇塔が見えます。
橋を渡るとお寺の門前商店街にお店が連なり、23番札所薬王寺に到着です。近くには、日帰り温泉施設の「薬王寺温泉 湯元 醫王の湯」や、「JR日和佐駅」併設の「道の駅 日和佐」などの施設やお店が充実していて、これだけ観光地化している札所も初めてでした。私が訪問した際の参拝客の多さも徳島の札所で随一でした。
※23番札所「薬王寺」、「道の駅 日和佐」に関しては、ぜひ以下記事もご覧ください。
【23番札所薬王寺】厄坂の1円玉を不思議に感じつつ…坂の上の「瑜祇塔」を見上げる
【道の駅日和佐】「ウェルかめ」の舞台で「すだちソフトクリーム大(かめたろう)」を食らう
ここでご紹介した薬王寺の眺めは、星越峠ルートを選択すると見ることができない景色なので、海岸ルートを選択した際にはぜひ楽しんでみてください。