【35番札所清瀧寺】高さ15mの厄除け薬師如来立像とともに田園を見下ろす

35番札所清瀧寺は厄除け祈願で有名なお寺で、高さ15mの巨大な厄除け薬師如来立像が迎えてくれます。標高130mの山の中腹から見下ろす田園風景は絶景です。

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清瀧と鏡池と土佐和紙

醫王山(いおうざん)の中腹標高130mに位置する35番札所清瀧寺の名前の由来は、弘仁年間(810〜824年)に空海がこの地で修行した際に岩の上に壇を築き満願の際に杖で壇を突くと、岩から清水が湧き出し、鏡のような池になったことからきています。そのことを受けて院号を「鏡池院(きょうちいん)」、寺名を「清瀧寺(きよたきじ)」と改めたとのことです。
お大師さまの水にまつわる伝説とは、遍路旅で度々出会いますが、ここ清瀧寺の水は地域産業の発展に大きく貢献しているようで、遍路道で通過してきた田園の稲作はもちろん、特産品の「土佐和紙」の原料である「みつまた」を晒したり、紙を漉く際に利用されてきたそうです。
土佐和紙といえば、平安時代から生産されていたようで、江戸時代には幕府献上品でもありました。明治時代には和紙の生産量日本一を誇っており、現在も様々な高度な製紙手法が受け継がれ、伝統的工芸品の指定も受けています。

本サイトを運営している株式会社四国遍路では、土佐和紙の中でも職人さんが一枚一枚手で漉いた「土佐手漉和紙」をメイン素材にしたオーダーメイド方式の納経帳・御朱印帳を開発し制作・販売しています。
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ということで清瀧寺といえば、清水が湧き出る「滝」が見どころなのですが、私は前知識がなかったばっかりに見逃してしまい、写真もありません。
本堂の右奥側に今も滝があるそうなので、皆さまは必ず確認してみてください。

 

高さ15mの厄除け薬師如来とともに田園を見下ろす

清瀧寺のシンボルといえば、境内に本堂や大師堂よりも目立っていらっしゃる巨大な「薬師如来立像」です。
昔から厄除け祈願の名刹しても有名なお寺で、昭和8年(1933年)に安置されたこの薬師如来立像は「厄除け薬師」として長く親しまれています。 像の台座部分は中に入ることができるようになっており、88段の戒壇巡りができます。

清瀧寺 厄除け薬師如来立像 本堂 大師堂

本堂と大師堂を従えるがごとくの存在感をはなつ「厄除け薬師如来立像」

薬師如来様が向いている方向を見ると、山から田園を見下ろす絶景が広がっていて、常に土佐市の街を見守っておられることを感じました。

清瀧寺 田園風景

これまでの山の上の札所からの景色は海が多かったのですが、田園風景は新鮮です。遠くを見ると仁淀川やその向こうには太平洋も広がっているのですが、山・平野・川・海のフルセットを楽しめるエリアが四国には多いです。

 

ありがたい休憩所兼通夜堂の提供もあり

清瀧寺では、ありがたい休憩所兼通夜堂も提供してくださっています。

清瀧寺 休憩所 通夜堂

大師堂の石段を下りたところの大きな小屋が休憩所兼通夜堂です。

清瀧寺 休憩所 通夜堂 内観

建物内は大きな机に椅子や炊事場があり、通夜堂部分は畳敷きの部屋が二間あり、男女別での宿泊も可能のようで、電気コンロまで用意してくださっていました。

スケジュール都合で私は宿泊はしませんでしたが、たいへんありがたい充実設備だと思います。

また、壁や窓に貼られていた地元小学生制作のお寺紹介に心が和みました。
地域とつながり、愛されている感じが伝わってきて、若い世代にも遍路文化が受け継がれているんだろうなと想像しました。

清瀧寺 休憩所 通夜堂 小学生パネル

簡単に調べるだけでは知ることができない詳細な情報が掲載されていて、小学生から勉強させていただきました。

33番札所雪蹊寺34番札所種間寺、35番札所清瀧寺と連続して立派な通夜堂を提供してくださっていて、歩き遍路さんへの理解の深さを感じました。

 

清瀧寺は、いろんな意味で地域とのつながりを感じることができるお寺でした。
「滝」をみることをくれぐれもお忘れなく。

 

【35番札所】  醫王山 鏡池院 清滝寺(いおうざん きょうちいん きよたきじ)
宗派: 真言宗豊山派
本尊: 薬師如来
真言: おん ころころ せんだり まとうぎ そわか
開基: 行基菩薩
住所: 高知県土佐市高岡町丁568-1
電話: 088-852-0316

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この記事を書いた人

お遍路さん初心者です。  2015年1月20日(火)に1番札所を出発し、2015年3月1日(日)に41日間で88番札所で通し歩き結願を果たすことができました。 2015年4月12・13日の2日間で、開創1200年で盛り上がる高野山にお礼参りにも行ってきました。 自身の通し歩き遍路体験を元にお役立ち情報を発信しています。