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地元では「みねんじ」の通称で親しまれる32番札所「禅師峰寺」は、昔から海上安全祈願のお寺とされてきました。
浦戸の海の景色に見とれていたら、実は本堂の御本尊と大師堂のお大師さまがともに御開帳の幸運に恵まれていたのです。

足が痛くなると心の余裕がなくなります

高知市内中心部の31番札所「竹林寺」を出発してからは一路土佐湾を目指して南下していきます。
「竹林寺」のある五台山からの下り遍路旧道はなかなかスリリングな山道で、気をつけておりていきましたが、そのときの様子の写真がまったく残っていません。
そして、32番札所「禅師峰寺」までの約6kmほどの道のりも、石戸トンネル前で工事現場の竹林に間違って突入したり、石戸池や野宿可能な石戸神社(テントを張っていた遍路さんが手を振ってくれました)などイベントスポットはたくさんあったのですが、何も記録が残っていないのです。

というのも、前々日の27番札所「神峯寺」から痛み出した右足の脛の調子がすこぶる悪く、足を引きずりながらなんとか前に進むのがやっとの状態になっていました。
痛みと戦いだすと、心の余裕がなくなり、遍路道を楽しむことができなくなってきます。
これも歩き遍路の試練であり醍醐味といえばそうなのですが、なるべくならそうならないように、私の症状自己診断をご紹介した以下記事も参考にしてみてください。

歩き遍路を苦しめる脛の痛みの原因は?【シンスプリント(脛骨過労性骨膜炎)】

 

「浦戸」を一望の海上安全祈願の「みねんじ」

足の苦痛に耐えながら、標高80mの小高い峰の上まで登りきると、そこが32番札所「禅師峰寺」です。
境内からは、坂本龍馬像や観月の名所として有名な「桂浜(かつらはま)」のある「浦戸(うらど)」を一望できます。
「浦戸」は、戦国時代に武将「長宗我部元親」の居城であった「浦戸城」が築かれ、現在も高知港・高知新港がある水運の拠点にもなっていて、土佐の國の中心地でした。
峰の上から「浦戸」を見守る「禅師峰寺」は、海に出る漁師や旅人、また江戸時代にはここから海路で参勤交代に出かけた歴代藩主も海上祈願に訪れるお寺として親しまれ、地元では「みねんじ」という通称でよばれているそうです。

境内から眺めは広大な土佐湾をひとり占めしたかのような気分になれます。昔の人々は並々ならぬ決意で、ここから太平洋へと出航していたのでしょう。

境内から眺めは広大な土佐湾をひとり占めしたかのような気分になれます。昔の人々は並々ならぬ決意で、ここから太平洋へと出航していたのでしょう。

 

本堂・大師堂がともに御開帳に遭遇の幸運

境内はこじんまりしたスペースなのですが、たくさんの岩がある中に本堂と大師堂が仲良く並んでおり、他のお寺にはない見ごたえがあり、独特の雰囲気を醸し出しています。
あとから知ったのですが、このお寺を訪れた空海は、観音の浄土・仏道の理想の山とされる天竺・補陀落山さながらの霊域であると感得されたそうで、たしかにそれがわかるような気がしました。
境内からの海の景色もあわせて、私の特にお気に入りのお寺のひとつです。

広くなく、本堂や大師堂もひっそりとした佇まいなのですが、独特の雰囲気を感じるお寺でした。

広くなく、本堂や大師堂もひっそりとした佇まいなのですが、独特の雰囲気を感じるお寺でした。

そんな本堂と大師堂をもちろん参拝したのですが、私が訪問した2015年2月2日は、御本尊とお大師さまがともに御開帳という幸運なタイミングだったのです。
「禅師峰寺」では、四国例所開創1200年を記念して、大師堂のお大師さまの御開帳が2014年1月1日~2015年3月31日までの長期間にわたって行われていたのですが、本堂の御本尊「十一面観世音菩薩」の御開帳は、特に案内がなかったようなのですが、たしかに私は御開帳している御姿を拝見しました。
お遍路を歩いているときは、お寺に関する知識・情報に乏しかったので、御開帳の意味をよくわかっていなかったのですが、御開帳されるのは稀なことで、とても貴重な機会のようで、お気に入りになったお寺で、このような幸運に遭遇していたことに、遍路後にあらためて強いご縁を感じました。

堂宇は派手さはありませんが、本堂・大師堂ともに堂内はきらびやかな装飾の中で御開帳されている御姿を拝見しました。

堂宇は派手さはありませんが、本堂・大師堂ともに堂内はきらびやかな装飾の中で御開帳されている御姿を拝見しました。

 

また、山門脇には私がいろいろな札所でひかれ続けている「不動明王」が見事なにらみをきかせていて、境内から駐車場方向におりていくと巨大な「十一面観世音菩薩」の石像もあり、コンパクトに見どころ満載のお寺です。

きりたった岩の前でにらみをきかす「不動明王」の迫力は、他のお寺の「不動明王」と比べても屈指の迫力でした。

きりたった岩の前でにらみをきかす「不動明王」の迫力は、他のお寺の「不動明王」と比べても屈指の迫力でした。

車遍路さんは駐車場で穏やかな表情の「十一面観世音菩薩」にお出迎えを受けます。「不動明王」との表情のあまりの違いに注目です。

車遍路さんは駐車場で穏やかな表情の「十一面観世音菩薩」にお出迎えを受けます。「不動明王」との表情のあまりの違いに注目です。

 

高知版ひなあられ「花きび」と多種多様な「ポン菓子」

そしてこのお寺がお気に入りになった理由のひとつでもありますが、地元の香りがぷんぷんするお菓子が置いてあったので、おまけでご紹介します。

まずは「高知版ひなあられ」と銘打たれた「花きび」です。
これはポップコーンに桃・菜の花・若草をイメージした鮮やかな色をつけたもので、売られていた「MACK」というメーカーの「花きび」は桃の節句の春季節限定の商品で、「ひなあられ」ではなく「ひなポップコーン」が高知独特の文化なのだそうです。
高知県民の皆さんに、この商品がどのぐらいポピュラーなのかは私はわからないのですが、こういう地域を感じさせてくれる商品、特に食べ物は、食いしん坊の私は興味をひかれてしまいます。

当然のごとくの自己会計制。粒が小さいB品でお得なところもいいですね。上記のストーリーを知っていれば購入したのですが、そのときはこの量はひとりで消費するのはつらい、かさばって荷物になると思ってスルーしたのが悔やまれます。

当然のごとくの自己会計制。粒が小さいB品でお得なところもいいですね。上記のストーリーを知っていれば購入したのですが、そのときはこの量はひとりで消費するのはつらい、かさばって荷物になると思ってスルーしたのが悔やまれます。

製造元の「あぜち食品」のネットショップを見つけたので、ついでにリンクをはっておきます。
「花きび」は春限定なので、ネットショップでは見当たりませんが、なかなかおもしろそうなお店です。

 

さらにお寺の境内に「ポン菓子」もおいていました。
遍路中に「ポン菓子」を露店販売している光景を時々見かけたのですが、四国では「ポン菓子」文化が根付いているのでしょうか?
私は「ポン菓子」自体は知っていたのですが、皆さんはこのお菓子自体ご存知ないかもしれません。
穀物に圧力をかけて一気に開放することで膨らませるお菓子のことで、地域によっては「ばくだん」や「パットライス」など様々な呼び名があるようです。
機会を見つけて詳しく調べてみようと思うのですが、私の中では「ポン菓子」の原料は「米」だと思っていたのが、ここで売られていたのは「米」のほかに「大豆」「マカロニ」「とうもろこし」、米関連の「おもち」「玄米」と多種多様だったことに驚きました。

遍路旅で「ポン菓子」の奥深さを感じる、しかも札所で、とは思いませんでした。

遍路旅で「ポン菓子」の奥深さを感じる、しかも札所で、とは思いませんでした。

 

浦戸の海の景色、本堂・大師堂の御開帳遭遇の幸運、見事なにらみの不動明王、地元を感じる「花きび」「ポン菓子」と、コンパクトな中に見どころがたくさんあった「みねんじ」は、いつか再訪したいお寺のひとつになりました。

 

【32番札所】  八葉山 求聞持院 禅師峰寺(はちようざん ぐもんじいん ぜんじぶじ)
宗派: 真言宗豊山派
本尊: 十一面観世音菩薩
真言: おん まか きゃろにきゃ そわか
開基: 行基菩薩
住所: 高知県南国市十市3084
電話: 088-865-8430 

 

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ごんのすけ

お遍路さん初心者です。  2015年1月20日(火)に1番札所を出発し、2015年3月1日(日)に41日間で88番札所で通し歩き結願を果たすことができました。 2015年4月12・13日の2日間で、開創1200年で盛り上がる高野山にお礼参りにも行ってきました。 自身の通し歩き遍路体験を元にお役立ち情報を発信しています。