【81番札所白峯寺】紅葉の名所の魅力・見どころ・見頃を徹底紹介

香川県坂出市にある「白峯寺(しろみねじ)」は、四国八十八ヶ所霊場の81番札所で、四国唯一の天皇墓所である崇徳上皇陵が隣接していることで知られています。山深く自然が豊かな寺院で、四季折々の風景が楽しめますが、特に秋の紅葉の名所で、多くの観光客・参拝者が訪れます。

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白峯寺とは

香川県坂出市と高松市にまたがる、いくつかの峰が連なる台形の山塊「五色台(ごしきだい)」の西寄り、標高337mの白峯山の山頂付近にあるのが「白峯寺(しろみねじ)」です。
平安時代の弘仁6年(815年)に弘法大師空海(こうぼうだいしくうかい)が白峯山の山頂に如意宝珠を埋め井戸を掘り、衆生済度を祈願し、後に空海の甥にあたる智証大師円珍(ちしょうだいしえんちん)が瑞光に導かれて白峯山に登頂し、地主神である白髪の老翁のご神託を受け、瀬戸内海に現れた光明に耀き芳香薫ずる霊木で千手観音像を彫造し、これを本尊として創建したと伝わっています。

白峯寺_本堂

御本尊・千手観音菩薩が祀られている本堂をはじめ、多くの建造物が平成29年(2017年)に国の重要文化財に指定されました。

平安時代後期の京の都で起こった皇室の政変「保元の乱(ほうげんのらん)」で破れた「崇徳上皇(すとくじょうこう)」が讃岐(現在の香川県)に流され、都へ帰りたいという思いが叶わぬままこの地で亡くなられ、白峯寺の隣接して御陵が築かれたことも有名なエピソードで、現在でも四国で唯一の天皇墓所です。
第100代後小松天皇が崇徳上皇の霊を祀る法華堂に「頓証寺」の勅額を奉納し尊崇の意を表したり、崇徳上皇と親交のあった西行法師(さいぎょうほうし)が慰霊の為に御廟に参詣した際に崇徳上皇の霊と歌を詠み交わした伝説が、のちの上田秋成作「雨月物語」に取り上げられるなど、崇徳上皇にまつわる伝説が地域に多数のこっており、現代も崇敬をあつめています。

白峯寺_崇徳天皇陵

白峯寺境内すぐ隣の崇徳天皇陵は静謐な雰囲気です。

白峯寺は、四国の弘法大師空海ゆかりの地を巡る四国八十八ヶ所霊場巡礼の81番札所になっていて、五色台の麓には80番札所国分寺(こくぶんじ)、81番札所白峯寺を経て、同じ五色台山上に82番札所根香寺(ねごろじ)があり、1番札所から番号順に巡る(順打ち)お遍路さんにとってはお遍路終盤の山岳霊場の難所として知られています。

山深く自然が豊かな寺院で、四季折々の風景が楽しめるので、お遍路さんのみならずたくさんの観光客が訪れる観光名所でもありますが、特に秋の紅葉が美しいことで知られています。

本記事では、白峯寺の紅葉の魅力・見どころ・見頃などを詳細に紹介します。

 

白峯寺の紅葉の魅力と見どころ

白峯寺の紅葉の最大の魅力は、数々の歴史的建造物と紅葉のコンビネーションです。

起伏にとんだ境内に、特徴的な寺院建築がたくさんあり、その建造物に寄り添うように、また、覆うように木々が配置されていて、いろいろな風景・表情を楽しむことができます。

まず、最初の見どころは、境内入口の山門前の修行大師像と紅葉の組み合わせです。

白峯寺_紅葉_修行大師像

この写真では、残念ながら1番大きなモミジの木の葉が散ってしまったあとですが、タイミングがあえば山門前の真っ赤に染まった空間に弘法大師空海が佇む様子を見ることができます。

参道にもたくさんのモミジの木があり、本堂・大師堂は急な石段をのぼった先にありますが、石段がトンネルのようにモミジに覆われる様子も見どころのひとつです。

白峯寺_紅葉_石段

この写真ではまだ色づいていませんが、たわわな緑のトンネルも絶景です。

石段をのぼりきった先の本堂・大師堂では、日本の伝統的な建築美と紅葉のコンビネーションを堪能することができます。

白峯寺_紅葉_大師堂

この写真は色づきはじめの時期ですが、赤と緑のコントラストと、伝統的建築物との組み合わせの表情も豊かです。

そして、紅葉のフォトスポットとして有名なのが、本堂近くにある阿弥陀堂です。
宝形造りで正面蔀戸・両側面連子窓の江戸時代初期の建物で、白峯寺に現存する建造物の中で最も古く、堂内中央に阿弥陀三尊が安置され、後方に木造阿弥陀小立像千体が5段に並べ安置されていて、千体堂とも呼ばれています。
コンパクトな阿弥陀堂が真っ赤に染まる様子は必見です。

白峯寺_紅葉_阿弥陀堂

天気の良い日の夕方は、夕日が阿弥陀堂と参道、モミジを赤く照らして、紅葉と相まって、絶好のフォトタイミングです。

 

白峯寺の紅葉の見頃

白峯寺の紅葉は、例年11月に入ると色づき始め、11月中旬頃から12月上旬頃に見頃を迎えることが多いです。山上の立地ではありますが、それほど標高が高くはないので、平地の紅葉の時期と大きく異なることはありません。

ただし、気候条件や年によって変動がありますので、訪れる前には最新の情報をチェックしてください。紅葉の進行は、一般的に気温の変化に大きく影響されます。秋が深まり、朝晩の冷え込みが強くなると、紅葉が一気に進みます。

色づき始める前の緑豊かな時期や、徐々に色づき始め、緑と赤・黄が混ざり合う時期も美しいので、秋シーズンに複数回訪れて、それぞれの時期の風景を楽しむのもおすすめです。

また、日中と夜間の寒暖差が特に大きい時期に紅葉のピークが訪れるので、この時期は最も鮮やかな紅葉を楽しむことができるとされています。また、朝の光が差し込む時間帯や、夕方の柔らかい光が紅葉を照らす時間帯は特に美しいので、これらの時間帯を狙うと良いでしょう。

 

白峯寺への公共交通機関でのアクセス

白峯寺への公共交通機関でのアクセスは、JR坂出駅から路線バス(琴参バス)の王越線で約20分の高屋バス停が最寄りですが、高屋バス停は五色台の麓なので、ここから約2.5kmを徒歩で山を登らないと白峯寺にたどり着くことができません。
バス停にタクシーを呼んでおいてタクシーで白峯寺に向かう、もしくは、JR坂出駅からタクシーで白峯寺に向かうのが現実的な交通手段だと思います。

路線バスもおおむね1~2時間に1本しか走っていないので、もし路線バスを利用される際は、事前に時刻表を詳細に確認して、行動計画を立ててください。

 

白峯寺への自家用車でのアクセス

公共交通機関でのアクセスが便利ではないので、多くの人が自家用車で白峯寺にアクセスしています。

高速道路からのアクセスは、高松自動車道の坂出北IC・坂出IC・高松檀紙ICからそれぞれ約20分なので、向かってくる方向から便利なICを利用してください。五色台の麓からは一般道山道を走りますが、五色台スカイラインという道路が整備されていて、片側1車線の2車線が確保されている区間がほとんどなので、山道にしては安全で走りやすいと思います。
ただし、お遍路さんや観光客などでそれなりに交通量があり、時期や時間帯によっては対向車も多いので、十分に注意して安全に走行してください。

駐車場は、五色台スカイラインから境内入口に向かう間に複数の駐車場があり、約250台無料で駐車することができます。境内入口から少し離れた駐車場に駐車すると、境内入口まで約5分程度歩く必要がありますが、その道中にも木々が茂っていて、国の重要文化財に指定されている十三重塔など歴史的価値がある建造物がありますので、寺院までのアプローチも楽しんでいただければと思います。

 

白峯寺訪問時の注意事項

秋の白峯寺は、平地に比べて気温が低く、特に朝晩の冷え込みが強くなることが多いため、防寒対策をしっかりと行うことが重要です。脱ぎ着しやすいはおりものやマフラー、手袋、携帯用カイロなどを準備しておくと安心でしょう。
また、境内は石段や未舗装で凹凸のある場所があり、特に雨の日や落葉時期は足元が滑りやすくなりますので、履き慣れた歩きやすい靴で散策されることをおすすめします。

白峯寺は寺院ですので、お遍路さんをはじめ、信仰のための参拝に訪れる人がたくさんいらっしゃいます。礼儀作法や他の訪問者への配慮を忘れずに、寺院の静謐な雰囲気を楽しんでいただければと思います。

 

白峯寺の紅葉は、自然の美しさと歴史的な建造物が織りなす絶景や、秋が深まるにつれて変化していく木々の色づきが魅力です。見頃の時期に訪れると、心を打つ美しい紅葉を存分に楽しむことができます。秋の訪れを感じながら、白峯寺で特別な時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。

※香川県の紅葉の名所を以下リンクの記事でまとめてご紹介していますので、こちらもぜひご覧ください。

香川県の紅葉の名所5選(栗林公園・屋島・大窪寺・雲辺寺・白峯寺)

※白峯寺や周辺の情報は、以下リンクの記事でもご紹介していますので、こちらもぜひご覧ください。

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【「白峯寺」 地図】

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この記事を書いた人

四国遍路情報サイト「四国遍路」を運営する株式会社四国遍路(https://shikokuhenro.co.jp/)の代表取締役。四国遍路の文化をより良い形で引き継いでいくために、四国遍路に新しい付加価値を生み出すべく日々奮闘中。