別格16番札所萩原寺は、寺号にもある萩の名所で約2,000株植えられている萩が9月に咲き乱れることで有名です。かつては寺勢隆盛を極め、国の登録有形文化財にも指定されている江戸時代の建築物が多く残るお寺です。
66番札所雲辺寺の前札所
別格16番札所萩原寺(はぎわらじ)は、香川県西部の観音寺市大野原町にあり、四国八十八ヶ所霊場でもっとも標高が高い66番札所雲辺寺(うんぺんじ)がある雲辺寺山のふもとに位置しています。
縁起によると、平安時代初期の大同2年(807年)に空海が創建したと伝わり、その際に空海は千手観世音菩薩と地蔵菩薩の2体の菩薩像を刻んだそうで、千手観世音菩薩は雲辺寺に、地蔵菩薩は萩原寺にそれぞれ安置したと伝えられていて、雲辺寺の前札所としての役割があるとのこと。
雲辺寺に向かうお遍路さんの多くが利用する「雲辺寺ロープウェイ」の山麓駅からも近い場所に萩原寺があるので、雲辺寺参拝前にぜひ立ち寄ってもらいたいお寺です。
雲辺寺ロープウェイ ホームページ: http://www.shikoku-cable.co.jp/unpenji/
【「雲辺寺ロープウェイ 山麓駅」 地図】
約2,000株の萩が咲き乱れる名所
萩原寺は寺号にもある萩が咲き乱れることで有名で、寺域には約2,000株の萩が植わっており、9月中旬から下旬には赤や白の萩の花が参拝者の目を楽しませ、「萩寺」とも呼ばれています。
花が咲く時期は1年のうちでも限られた期間ですが、一度は9月を狙って訪れてみたいお寺です。
かつての大寺の江戸時代の建築物
空海創建後、平安時代には醍醐天皇の勅旨談義所、朱雀天皇は讃州四箇談義所の1ヶ寺と定めるなど、天皇から認められる重要寺院となり、室町時代中期の応永年間(1394~1427年)には真恵僧正が中興し、室町幕府の管領「細川勝元」の祈願所となり、隆盛を極めたとのこと。
四国3國の國境に位置することもあり、その時代には、讃岐國・伊予國・阿波國に280余寺の末寺を従える大寺であったそうです。
そのような歴史を経て、江戸時代に建造された多くの建築物が現代にも残っており、国の登録有形文化財に指定されています。
写真でご紹介した以外にも多くの文化財が所蔵されており、お寺の隆盛の歴史を物語ります。
別格16番札所萩原寺は、古くより隆盛を極め、萩や登録有形文化財など観光地としても見どころの多い別格霊場です。
66番札所雲辺寺参拝の際に立ち寄りやすい場所にあるので、八十八ヶ所参りのお遍路さんにもぜひ訪れていただきたいお寺です。
【別格16番札所】 | 巨鼇山 地蔵院 萩原寺(きょごうざん じぞういん はぎわらじ) |
宗派: | 真言宗大覚寺派 |
本尊: | 地蔵菩薩 |
真言: | おん かかかび さんまえい そわか |
開基: | 弘法大師 |
住所: | 香川県観音寺市大野原町萩原2742番地 |
電話: | 0875-54-2066 |