【28番札所大日寺】お大師さまが爪で彫ったとされる「爪彫薬師」を拝みに「奥の院」へ

28番札所大日寺は、お大師さまが爪で彫ったとされる「爪彫薬師」が「奥の院」になっています。本堂からの距離が近く、お大師さまの「御加持水」もわいていますので、立ち寄りをオススメします。

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27番札所神峯寺から実は長距離歩行

27番札所神峯寺の「真っ縦」を登りきってから、美しい砂浜が広がる「芸西村」を歩きますが、次の28番札所「大日寺」までは約40kmの長距離歩行になります。
室戸岬の24番札所最御崎寺までの海岸歩行を乗り越えているので、それほど長い感じはしないかもしれませんが、私はこの区間を1日で歩ききったので、足にかなりのダメージを蓄積してしまいました。
札所間が長距離だと先を急ぎたくなってしまいますが、海岸の美しい景色を楽しみながら、間で1泊いれるぐらいにゆっくり歩いた方がよかったと振り返った道のりです。

ちなみに、私は大日寺手前の「高知黒潮ホテル」に宿泊し、翌日朝一番でお寺に向かいました。
このホテルには立ち寄り入浴も可能な天然温泉「黒潮温泉 龍馬の湯」がありますので、長距離歩行の疲れを癒すのに最適だと思います。
ホテルの詳細情報は以下リンクからご確認ください。

 

 

四国最大級の寄木造り大日如来が御本尊

28番札所大日寺は、奈良時代に聖武天皇の勅願により行基菩薩が大日如来像を彫像し開創されたと伝えられていますが、この像は寄木造りで高さが約146cmもあり、四国最大級といわれています。
2014年に御開帳されたそうですが、通常は秘仏とされ、お目にかかれる機会はほとんどありません。

その御本尊がいらっしゃる「本堂」は、平成9年に再建されたもので、比較的新しく、屋根の反り具合が絶妙などっかりとしたお堂でした。
釘を使わずに木組みだけで建てられているそうです。

高知 大日寺 本堂

大きな大日如来像がいらっしゃるにふさわしい堂々とした本堂

 

お大師さまが爪で彫ったとされる「爪彫薬師」とその脇に流れる「御加持水」

この大日寺は奈良時代の開創後、荒廃してしまう時期があったそうで、平安時代に空海がこの地を訪れた際に地域の安寧を願って復興されたとのことです。
その時に、空海が楠の大木になんと爪で薬師如来像を彫ったとされる伝説があり、これが現在は「爪彫薬師」として「奥の院」になっています。
他の札所の奥の院は、距離が離れていたり、遍路道からそれることが多いのですが、このお寺の奥の院は、境内から200mほど山の中に入ったところで、距離が近いので、ぜひ立ち寄ってみてください。

高知 大日寺 奥の院 爪彫薬師

2014年に建て替えられたできたてほやほやの「爪彫薬師」のお堂。首から上の病に霊験があるといわれています。

爪彫薬師のわきには岩から「御加持水」がしみ出ています。
この水は空海の時代から地域が渇水の時期でも流れ続けて地域の人々から尊ばれてきたそうで、土佐の名水40選にもなっているとのことです。
遍路道にはお大師さまの水に関連する伝説がいくつもありますが、治水によって地域を助けてきた空海の功績を後世に伝えるものだと思います。

高知 大日寺 本堂大日寺 奥の院 御加持水

お大師さまの功績をしのびながら、ありがたくのどを潤します。

 

ちなみに、「大日寺」は同じ名前の札所が徳島県に2札所あり、ここで3カ所目になります。
各県にある「国分寺」に次いでの、同名寺になりますので、お間違いや混乱のなきように。

 

【28番札所】  法界山 高照院 大日寺(ほうかいざん こうしょういん だいにちじ)
宗派: 真言宗智山派
本尊: 大日如来
真言: おん ばざら だどばん
開基: 行基菩薩
住所: 高知県香南市野市町母代寺476-1
電話: 0887-56-0638

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この記事を書いた人

お遍路さん初心者です。  2015年1月20日(火)に1番札所を出発し、2015年3月1日(日)に41日間で88番札所で通し歩き結願を果たすことができました。 2015年4月12・13日の2日間で、開創1200年で盛り上がる高野山にお礼参りにも行ってきました。 自身の通し歩き遍路体験を元にお役立ち情報を発信しています。