【82番札所根香寺】密教修行の山寺には人間を食べる恐ろしい怪獣「牛鬼」の伝説あり

82番札所根香寺は、五色台の「青峰」の山中にあるかつての密教修行のお寺です。山中には人間を食べる恐ろしい怪獣「牛鬼」がいたという伝説も残っています。

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「五色台」山中を歩いて「根香寺」へ

81番札所白峯寺を出発し、峰が連なる「五色台(ごしきだい)」の山中の未舗装遍路道を歩き、白峯寺がある「白峰」から尾根伝いに「青峰」を目指します。
約4.5km進んだ先に、私が遍路道中で出会ったヘンロ小屋の中で最強といえる「五色台子どもおもてなし処」で休憩をさせていただきました。
※「五色台子どもおもてなし処」に関しては、以下リンクの記事もぜひご覧ください。

子ども達の心遣いと宿泊可能な設備がうれしい最強ヘンロ小屋【五色台子どもおもてなし処】

休憩後、300mほど山道を歩くと、82番札所根香寺に到着です。

根香寺 山門

巨大なわらじがある「山門」がお出迎えしてくれました。この山門の先に注目。

根香寺 山門 参道 石垣

山を切り拓いて建造したであろうことがよくわかる、林の中を下って登る長い階段と見事な石垣の道に静謐な空気が流れていました。

 

山岳密教修行の地

根香寺の縁起によると、弘仁年間(810年~824年)に空海がこの地を訪れ、連なる山々に金剛界曼荼羅の五智如来を感得し、五大明王をまつって密教修行の地として「花蔵院」を創建し、その後の天長9年(832年)に円珍(智証大師)が、近くの蓮華谷の木で千手観音像を彫造し「千手院」を建立し、「花蔵院」と「千手院」を総称して「根香寺」となったそうです。
寺名「根香寺」は、円珍が御本尊を彫像するために切った木の切り株から芳香が放ち続けていたことからつけられたともいわれています。

根香寺 本堂 拝殿 石段

長い石段を登った先の本堂の前には「拝殿」があり、なかなか本堂にたどりつけないところが、山岳修行の地に来たという気持ちを盛り上げてくれました。

根香寺 本堂 拝殿

暗い廊下の拝殿を抜けて、本堂にお参りします。

私がお寺を参拝した時には、80番札所「国分寺」でも遭遇した「高野山専修学院」の修行僧の皆さんも参拝されており、大人数での読経が山の中に響き渡り、圧倒される光景でした。

根来寺 高野山専修学院の学生たち

「国分寺」で出会った皆さんと再度遭遇。どんなペースでどのようにまわっているのかがとても気になりましたが、これは不明のままです。

 

人間を食べる恐ろしい怪獣「牛鬼」の伝説

根香寺には珍しい伝説が残っています。
その昔、この地には人間を食べる恐ろしい怪獣「牛鬼」がいたそうで、住人は弓の名人「山田蔵人高清」に退治を依頼しましたが、牛鬼は姿を現しません。
そこで、根香寺の本尊に願をかけると、21日目の満願の暁に牛鬼が現れ口の中に矢を命中、逃げる牛鬼を追うと2kmほど西の定ヶ渕で死んでいるのを発見しました。
高清は退治した牛鬼の角を切り取り、根香寺に奉納し菩提を弔い、以来牛鬼は魔よけの意味があるとして親しまれているとのことです。

お寺入口の山門前には、その牛鬼をイメージした像がありますので、恐ろしい伝説をイメージしながら眺めてみてください。

根香寺 牛鬼像

山の茂みの斜面から今にも襲ってきそうにも見えますし、どこかポップないでたちにも感じる「牛鬼」です。

 

82番札所根香寺では、山の中の静謐な空気の中で心静かにお参りし、山門前の「牛鬼」の伝説にも注目してみてください。

 

四国遍路情報サイト「四国遍路」を運営する株式会社四国遍路では、喝破道場と共同で、五色台周辺の札所・遍路道・遍路文化を体験を通してご紹介するツアープランをご提供しています。
ツアーの様子を撮影した以下動画をぜひご覧ください。
ツアーの参加希望・お問い合わせは株式会社四国遍路にご連絡ください。
TEL: 087-899-6737
E-mail: info@shikokuhenro.co.jp

 

【82番札所】  青峰山 千手院 根香寺(あおみねさん せんじゅいん ねごろじ)
宗派: 天台宗
本尊: 千手観世音菩薩
真言: おん ばさら たらま きりく
開基: 弘法大師 智証大師
住所: 香川県高松市中山町1506
電話: 087-881-3329

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この記事を書いた人

お遍路さん初心者です。  2015年1月20日(火)に1番札所を出発し、2015年3月1日(日)に41日間で88番札所で通し歩き結願を果たすことができました。 2015年4月12・13日の2日間で、開創1200年で盛り上がる高野山にお礼参りにも行ってきました。 自身の通し歩き遍路体験を元にお役立ち情報を発信しています。