別格18番札所「海岸寺」がある地域は、お大師さまの母親「玉依御前」の出身地といわれ、現在の「海岸寺 奥の院」がある場所が空海誕生の地という説があります。
ミニ八十八ヶ所もある「海岸寺 奥の院」は立ち寄り必須の史跡です。

弘法大師空海誕生地の謎

弘法大師空海の誕生地として一般に知られているのは、香川県善通寺市にある75番札所「善通寺」です。
「善通寺」の「西院」は、お大師さまの出身家「佐伯家」の邸宅があった場所といわれていて、院号が「誕生院」であることからも誕生地として特別に扱われていた歴史がわかります。

ただ、誕生地には異説もあり、別格18番札所「海岸寺」がある香川県多度津町白方の地域がお大師さまの母親「玉依御前」の出身地であったことから、現在の「海岸寺 奥の院」がある場所が空海誕生地であるともいわれています。
どちらが誕生地であるかに関しては、江戸時代には領主丸亀藩や京都嵯峨御所も間に入って仲裁をするほどの争い事も起きた歴史があります。
本当の誕生地がどちらなのか定かではありませんが、どちらもお大師さまゆかりの地として大切にしていきたい場所であることにはかわりありません。

ということで、別格18番札所「海岸寺」に参拝の際には、少し場所が離れていますが「奥の院」には必ず立ち寄っていきたいものです。
※「海岸寺」の「本坊本堂」の様子は、以下リンクの記事もぜひご覧ください。

お相撲さんが守るお寺にはたくさんの神様仏様【別格18番札所「海岸寺(かいがんじ)」】

71番札所「弥谷寺」から天霧峠を越えて歩いて「海岸寺」に進んでくると、先に「奥の院」の前を通るルートになります。写真は「奥の院」近くの分岐点にある古い遍路石。

71番札所「弥谷寺」から天霧峠を越えて歩いて「海岸寺」に進んでくると、先に「奥の院」の前を通るルートになります。写真は「奥の院」近くの分岐点にある古い遍路石。

「海岸寺 奥の院」の山門は鐘撞堂になっていますが、鐘を打つとすさまじい音が響き渡りますのでご用心ください。

「海岸寺 奥の院」の山門は鐘撞堂になっていますが、鐘を打つとすさまじい音が響き渡りますのでご用心ください。

 

お大師さまの産屋と産湯

「海岸寺」の縁起によると、弘法大師が生まれた宝亀5年(774年)に現在の「奥の院」の「湯手掛の松」あたりに産屋が建てられ、その後空海が唐から帰国して大同2年(807年)に弥勒菩薩像を彫像し、本堂に安置して「海岸寺」を創建したとのこと。
さらに弘仁6年(816年)、空海42歳のときに厄払いとして自身の像を刻み、誕生の地に安置したのが現在の「海岸寺 奥の院」の始まりであるといわれています。

「海岸寺 奥の院」の境内には古い橋が残っています。少し進んだ先に産湯の井戸跡もありました。

「海岸寺 奥の院」の境内には古い石橋が残っています。少し進んだ先に産湯の井戸跡もありました。

「海岸寺 奥の院」の本堂

「海岸寺 奥の院」の本堂

この「奥の院」にお参りして、「弘法大師誕生佛」の納経も可能です(普段は「奥の院」は無人で、「本坊」で納経をしてくださるようです)。

 

お大師さま誕生の地でミニ八十八ヶ所

「海岸寺 奥の院」では、二重塔が建つ小高い丘のまわりでミニ八十八ヶ所をまわることができます。
お大師さま誕生の地で、四国八十八ヶ所参りを経験できるのは粋な計らい。
距離が短く、道も整備されているので、四国内をまわることができない人は、ここのミニ八十八ヶ所で巡礼を体感してみるのもよいと思います。
私はここはまわらなかったのですが、スタートとゴールだけ写真でご紹介しておきます。

「屏風浦新四国」は、1番札所「霊山寺」の「釈迦如来」からスタートです。

「屏風浦新四国」は、1番札所「霊山寺」の「釈迦如来」からスタートです。

本堂前にある88番札所「大窪寺」の「薬師如来」と、高野山奥の院のお大師さまにまでお参りして、ミニ八十八ヶ所を結願・満願です。

本堂前にある88番札所「大窪寺」の「薬師如来」と、高野山奥の院のお大師さまにまでお参りして、ミニ八十八ヶ所を結願・満願です。

 

別格18番札所「海岸寺」の「奥の院」は、弘法大師が誕生した地ともいわれる霊跡です。
71番札所「弥谷寺」からのワイルドな遍路道も合わせて、お大師さまゆかりの地を巡る貴重な経験になりました。
※「弥谷寺」からの遍路道の様子は、以下リンクの記事もぜひご覧ください。

難攻不落の「天霧城」制覇を目指す別格霊場への登山道【71番札所「弥谷寺」→別格18番札所「海岸寺」[前編]】

悪路急坂の先には「砂防ダム」とお大師さま修行の「虚空蔵寺」【71番札所「弥谷寺」→別格18番札所「海岸寺」[後編]】

 

【「海岸寺 奥の院」 地図】

 

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佐藤 崇裕

四国遍路情報サイト「四国遍路」を運営する株式会社四国遍路(http://shikokuhenro.co.jp/)の代表取締役。四国遍路の文化をより良い形で引き継いでいくために、四国遍路に新しい付加価値を生み出すべく日々奮闘中。