別格18番札所海岸寺の「二王門」は、日本で唯一ともいわれる実在した力士像が安置されている珍しい門です。境内を散策するとたくさんの神様仏様に出会うことができ、お寺の名前にもなっている海岸の景色も見逃せません。
「天霧峠」を越えて瀬戸内海が見える「海岸寺」へ
71番札所弥谷寺の境内から山の中に入り、ワイルドな遍路道を通り「天霧峠」を越えて、瀬戸内海が見える住宅地にたどり着きました。
※71番札所弥谷寺から別格18番札所海岸寺への遍路道の様子は、以下リンクの記事もぜひご覧ください。
【71番札所弥谷寺→別格18番札所海岸寺・前編】難攻不落の「天霧城」制覇を目指す別格霊場への登山道
【71番札所弥谷寺→別格18番札所海岸寺・後編】悪路急坂の先には「砂防ダム」とお大師さま修行の「虚空蔵寺」【71番札所「弥谷寺」→別格18番札所「海岸寺」[後編]】
山道を抜けてからの住宅街の遍路道は入り組んだ細道を抜ける場所があり、古い遍路石や道標シールに助けられながら進みました。
住宅街を抜けて、交通量の多い県道21号(通称:さぬき浜街道)を渡った先に、目的地である別格18番札所海岸寺(かいがんじ)があります。
実在した力士が守る珍しい「二王門」
別格18番札所海岸寺の見どころは、なんといってもお寺入口の「二王門(におうもん)」です。
通常は金剛力士像が守る「仁王門」と表記しますが、「二王門」の表記は昔朝鮮で王(ワン)という兄弟が仏門を警護していたことにちなんでこのようにいうこともあると、お寺の解説版に書いてありました。
と、表記が珍しいのが見どころではなく、写真を見ていただければいつものお寺の門とは明らかに違うのが一目瞭然です。
力士が守る門は日本唯一といわれていて、力士像が安置されたのは、立派な像を建立する財力がなかったため、郷土出身の力士の顕彰を兼ねて建立したことがきっかけだそうです。
向かって右側の力士は、観音寺市出身の元大関「琴ヶ濱 貞雄(ことがはま さだお)」です。
向かって左側の力士は、丸亀市出身の元関脇「大豪 久照(だいごう ひさてる)」です。
この珍しい二王門を見るだけでも海岸寺を訪れる価値があると思います。
境内にはたくさんの神様仏様
二王門をくぐって境内に入ると、すぐ目の前に本堂があり、コンパクトなお寺なのかと思いきや、本堂の向かって左方向や裏側に境内が広がっていて、いろいろな神様仏様に出会えますので、ぜひ散策してみてください。
境内に入ったときは海岸寺なのに「海岸」はどこにあるの?と思ったのですが、本堂の裏側にまわってみると、すぐ近くに海岸線が迫っていました。
別格18番札所海岸寺創建は、お大師さまの誕生と深い由縁があるのですが、これに関しては次回の「海岸寺 奥の院」の記事でご紹介することにします。
※海岸寺 奥の院に関しては、以下リンクの記事もぜひご覧ください。
【別格18番札所海岸寺奥の院】<お大師さまが生まれた地との説があるミニ八十八ヶ所の奥の院/a>
【別格18番札所】 | 経納山 迦毘羅衛院 海岸寺(きょうのうざん かびらえいん かいがんじ) |
宗派: | 真言宗醍醐派 |
本尊: | 正観音 |
真言: | おん あろりきゃ そわか |
開基: | 弘法大師 |
住所: | 香川県仲多度郡多度津町西白方997 |
電話: | 0877-33-3333 |