高知県の有名な民謡「よさこい節」の舞台にもなっているのが31番札所竹林寺です。四国霊場で御本尊が唯一「文殊菩薩」のお寺で、お遍路を結願するために必要な知恵を授かりたいものです。
高知県の有名な民謡「よさこい節」
遍路道はいよいよ高知県の県庁所在地「高知市」に入り、30番札所善楽寺を出発してからは、市街地とは思えないネタが豊富な道のりを歩き、「五台山(ごだいさん)」を登りきれば、そこが31番札所「竹林寺」です。
※「善楽寺」から「竹林寺」までの道のりの様子は以下記事もぜひご覧ください。
【30番札所善楽寺→31番札所竹林寺】謝りながら走る路面電車を横目に歩道橋を渡った先は「植物園」
ここ竹林寺は、「土佐の高知の/はりまや橋で/坊さんかんざし/買うを見た/よさこい/よさこい」で始まる高知県の有名な民謡「よさこい節」の舞台なのです。
歌詞に出てくる「坊さん」は竹林寺脇坊「妙高寺」の住職だった「純信」で、寺に出入りする鋳掛屋の娘「お馬」と恋におち、高知城下の「はりまや橋」の小間物屋でかんざしを買って贈ったという噂が広まり、駆け落ちするまでに至ったが、関所破りで捕えられ、二人は別々の場所に追放されてしまうという物語です。
と民謡ももちろん有名なのですが、このエピソードから私が思い浮かべてしまうのが、土佐銘菓「かんざし」(やっぱり食いしん坊なのです)。
「かんざし」は年間450万個の販売実績を誇る高知を代表するお菓子で、昭和37年に発売された日本初のホイル焼き菓子だそうです。
私は高知土産として昔から口にする機会がたびたびあり、白餡が洋風の生地に包まれていてほろっとした食感、ほんのり香る柚子の風味が大好きで、お気に入りのお菓子のひとつです。
現代でも他ではない独自性をはなっているお菓子だと思いますが、昭和37年発売当時にこのような和洋折衷的なホイル焼き菓子は斬新だったと思われ、チャレンジスピリットも感じるところも好きなポイントです。
ご興味ある方は以下リンクから商品をご覧になってみてください。
|
日本三大文殊のひとつ
竹林寺の縁起によると、奈良時代に聖武天皇が唐の文殊菩薩の聖地「五台山」で、文殊菩薩を拝する夢を見て、行基菩薩に日本で五台山に似た山を探すように命じ、この地に文殊菩薩像を刻み、御本尊として開創したといわれています。
四国霊場で文殊菩薩を御本尊とするのは竹林寺のみで、「京都・切戸(きれと)」「奈良・安倍(あべ)」とともに日本三大文殊に数えられているとのこと(日本三大文殊をどことするかには諸説あるようです)。
文殊菩薩といえば「三人寄れば文殊の知恵」ということわざがあるように、智慧を司る仏とされていて、合格祈願に訪れる受験生も多いそうです。
私も遍路に必要な知恵を授かれるように祈願してみましたが、はて授かれたかどうか。
北村家の「福運招き猫」
竹林寺の多くの文化財が収蔵される宝物館や、高知三名園に数えられる国指定名勝の庭園、高さ31m総檜造の五重塔など見どころがたくさんあるのですが、わたし的にぜひ見ておいていただきたいのが「福運招き猫」です。
その姿は以下の写真のような感じです。
これは、高知市の愛猫家「北村家」で飼われていた猫が成長するにしたがって腹に「北」の模様が現れてきて、家に福運が続き栄えたことから、その猫に感謝する意味で安置されているそうです。
「知恵」も「福運」も授かることができれば、このあとの遍路旅も安泰のはずですので、見どころの多い竹林寺をゆっくりと拝観し、たくさん祈願をされるとよいと思います。
【31番札所】 | 五台山 金色院 竹林寺(ごだいさん こんじきいん ちくりんじ) |
宗派: | 真言宗智山派 |
本尊: | 文殊菩薩 |
真言: | おん あらはしゃ なう |
開基: | 行基菩薩 |
住所: | 高知県高知市五台山3577 |
電話: | 088-882-3085 |