【旧津島町→宇和島市街】二度目の「松尾峠」越えは自然満喫と採石場内通過

宇和島市の旧津島町地域から市街には、高知と愛媛の県境と同名の「松尾峠」を越えていきます。平成18年に復旧された自然豊かな未舗装峠道は、採石場の中を通っていくワイルドな遍路道でもありました。

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「嵐」が勇ましい集落から旧津島町中心街へ

この日は、宿泊していた個室遍路小屋のある「針木ふれあい広場」を出発し、ほどなくで「嵐」という集落に通りがかりました。
集落の名前が「嵐」なので、勝手に勇ましいイメージを持ってしまい、町の中の表示物がおもしろく見えてきたので、写真でご紹介してしまいます。

嵐郵便局 看板

郵便局が「嵐」です。「〒」と「嵐」の組み合わせがなぜかつぼにはまってしまいました。

Yショップ嵐

Yショップの看板は、いかにも「嵐」な字体で、かっこよかったです。

この集落から抜けていく道にはトンネルがあり、少し前に通過してきた「内海ふれあいトンネル」に引き続き、歩行者専用トンネルが設置されています。
その名も「嵐坂・風の通り道」で、ネーミングがばっちりだと思いました。

嵐坂トンネル 歩行者専用トンネル 風の通り道

「風と一緒に歩いていこう」というキャッチフレーズが、歩き遍路にもぴったりです。

「嵐」の集落を通過して約4kmほど芳原川沿いを歩いていくと、旧津島町の中心街に差しかかります。

 

峠越え前の休憩は「道の駅 津島やすらぎの里」で

旧津島町の中心街をさくっと通過して、国道56号を進んでいくと、峠越えが待ち構えている気配がぷんぷんする登り坂が始まります。
坂の途中で、国道56号から自動車専用の宇和島道路に入っていく左方向に、「道の駅津島やすらぎの里」がありますので、峠越えの前にひと休みしていくことにしました。

ここには「熱田温泉」という天然温泉の日帰り入浴施設がありますので、タイミングが合えば立ち寄り入浴もよいですし、時間がなければ無料の足湯も併設されていますので、疲れを癒すことのできる絶好のスポットです。

道の駅津島やすらぎの里 熱田の湯

元々温泉入浴施設があったところを拡張して「道の駅」にしたそうで、私は入りませんでしたがかなり充実した温泉のようです。

そして、ここでもいらっしゃいました「丸型ポスト」です。
※「丸型ポスト」に関しては、以下タグの記事をぜひご覧になってみてください。

四国遍路「丸型ポスト」タグ

道の駅津島やすらぎの里 丸型ポスト

宇和島名物のじゃこ天屋の店先の屋根まで設置された一等地に鎮座する「丸型ポスト」

 

施設名:  道の駅 津島やすらぎの里
営業時間: 10:00~22:00
定休日: 毎月第1・3月曜日(祝日の場合は、その翌日)
住所: 愛媛県宇和島市津島町高田甲830-1
電話: 0895-20-8181
施設HP: http://www.yasuragi-egao.jp/

 

二度目の「松尾峠」越えは自然豊かな遍路道

「道の駅津島やすらぎの里」から少し坂を登っていくと、国道56号をそのまま進む「松尾トンネル」があり、その入口脇左方向に、旧遍路道の入口があり、案内看板があります。

宇和島松尾峠へんろみち 地図

峠越えの旧遍路道は全長3.7km、標高差180mの道のりです。

この峠の名前は「松尾峠」で、高知と愛媛の県境も「松尾峠」を越えてきたので、デジャブな感じがあります。
愛媛県の南予地域は本当に峠越えがたくさんあります。
※高知と愛媛の県境の「松尾峠」に関しては、以下リンクの記事もぜひご覧ください。

【39番札所延光寺→40番札所観自在寺】高知県と愛媛県の県境「松尾峠」を越えて「菩提の道場」に突入

ここは国道56号の松尾トンネルをそのまま歩いていくこともできますが、全長1710mの長距離トンネルで交通量が多いため、空気がとても悪いそうです。
ということで、前日に旧遍路道の峠越え「柏坂へんろみち」を通らなかったこともあり、こここそは旧遍路道を進むことにしました。

松尾峠入口 遍路小屋てん屋

登山口にはブロック製の「遍路小屋てん屋」があり、雨風をしのぐことのできる宿泊スポットでもあります。「ゆっくり ゆっくり ゆっくり」の言葉が身にしみます。

この峠の未舗装路は平成18年に復旧されたそうで、しっかり整備がされていて、傾斜もそれほどきつくないので、自然を楽しみながら歩くことができました。

松尾峠へんろみち 道標遍路石 お地蔵さま

古い道標遍路石にも歴史を感じます。脇のパイプの中に小さなお地蔵さんがいらっしゃるのがわかりますか?

松尾峠へんろみち 頂上付近 岩道

頂上付近では、明らかに岩を切りひらいたであろう跡がそのまま残っていて、昔の人達の苦労がしのばれます。

松尾峠へんろみち 遍路小屋わん屋

峠頂上には「遍路小屋わん屋」があり、ひと休みしていきます。

遍路小屋の名前が登山口の「てん屋」と、峠頂上の「わん屋」と名付けられているのは、津島で獅子文六という文筆家が執筆した小説「てんやわんや」にちなんでいるそうで、峠道を復旧したのも「てんやわんや王国」という町おこし団体とのことです。
遍路文化を継承していくありがたい活動ですね。

 

峠の下り道では採石場を通過するワイルドな遍路道

この峠道は登りは自然豊かな気持ちのよい道ですが、下りの後半戦にはおもしろいイベントが待ってくれていますので、以下写真にてご紹介です。

松尾峠へんろみち 下り 工事現場

峠道を下っていくと、私が通ったときがたまたまだったのか工事現場の中に入っていきました。

松尾峠へんろみち 下り 工事現場 仮設橋

仮説の橋を通って工事現場を通過していきます。これはこれでなかなかスリルのある歩き遍路体験。

松尾峠へんろみち 下り 採石場

工事現場の先には採石場があって、大きな建設機械があったり、ダンプカーが通る中を歩いていきます。道を間違ったわけではなく、ここは公式遍路道のようです。

難所といわれる自然豊かな道はここまでもたくさん通過してきましたが、違った意味でワイルドな印象に残る遍路道でした。

さらに、採石場を抜けた先で、舗装路から川脇の旧道に入っていくと、以下写真のようなこれは文字通りワイルドな未舗装路もありました。

松尾峠へんろみち 下り 未舗装路 倒木

この倒木はなんとか整備しておきたいですね。この未舗装路はわざわざ通らなくても、すぐ横に舗装路もあります。

 

峠越えの多い南予の遍路道の中でも、特に印象に残る宇和島「松尾峠」の道のりをご紹介しました。
国道56号の松尾トンネルに比べると、アップダウンがあって、距離も少し長いですが、豊かな自然とワイルドさを兼ね備えた旧道をぜひぜひ通ってみてください。

【宇和島「松尾峠」 地図】

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この記事を書いた人

お遍路さん初心者です。  2015年1月20日(火)に1番札所を出発し、2015年3月1日(日)に41日間で88番札所で通し歩き結願を果たすことができました。 2015年4月12・13日の2日間で、開創1200年で盛り上がる高野山にお礼参りにも行ってきました。 自身の通し歩き遍路体験を元にお役立ち情報を発信しています。