60番札所横峰寺は西日本最高峰「石鎚山」の中腹に位置し、お寺までの道のりは伊予の國最大の難所であり、久々の遍路ころがしです。湯波休憩所からの川沿いのワイルドな歩き遍路登山道を慎重に進みました。
伊予三芳からほっとする遍路道で「石鎚山」のふもとへ
伊予三芳(いよみよし)の「光明寺」で宿泊させていただいた私は、早朝出発で60番札所横峰寺がある「石鎚山(いしづちさん)」方面を目指しました。
※光明寺の遍路宿の様子は、以下リンクの記事もぜひご覧ください。
【光明寺】ありがたいお言葉をいただけるお寺の「通夜堂」ではなく「遍路宿」に泊まらせていただく
※遍路道で私が注目していた「丸型ポスト」に関しては、以下タグの記事もあわせてご覧ください。
伊予三芳の昔ながらの商店街の県道150号を3kmほど進み、県道155号に入って南下していくと、西条市丹原町の分岐点でほっとする光景に出くわしました。
この分岐点からさらに5kmほど進んでいくと、国道11号にぶつかり、遍路旅で2度目のこれまたほっとする光景に遭遇です。
※高知県でも歩道橋が遍路道になっているところがありました。詳しくは以下リンクの記事をぜひご覧ください。
【30番札所善楽寺→31番札所竹林寺】謝りながら走る路面電車を横目に歩道橋を渡った先は「植物園」
光明寺から国道11号にたどり着くまで距離10kmで2時間以上の時間がかかりました。
この地点が石鎚山のふもとにあたり、ここから山の中に入っていきますので、スケジュール管理と飲食物の調達を確実に行ってください(近くにコンビニがあります)。
伊予最大の難所、西日本最高峰「石鎚山」の横峰寺への遍路ころがし
60番札所横峰寺は、西日本最高峰の石鎚山の中腹にあります。
石鎚山は標高1982mで、その頂上には「石鎚神社」があり、空海も山岳修行を行ったといわれている聖地でもありますが、八十八ヶ所巡礼では山の中腹の標高750m地点にある横峰寺が札所になっています。
山頂の標高1982mと比べると標高750mが低く感じますが、十分すぎる登山で、伊予の國唯一の「遍路ころがし(遍路道の難所)」でもあります。
遍路ころがしは、高知県の27番札所神峯寺以来で、南予では峠越えはたくさんあったものの本格的な登山は久々なので、けっこうビビりながら進んでいきました。
※遍路ころがしに関しては、以下タグリンクの記事もぜひご覧ください。
この山のふもと地点から妙谷川沿いを進んでいくことになりますが、この川の上流に遍路道が続いており、下流地点で水量が多いと上流では遍路道が増水で危険な状態になっている可能性があるそうで、63番札所吉祥寺近くから登っていく車道を経由する方が安全とのことです。
歩き遍路をしている以上旧遍路道を通りたい気持ちが大きくなりますが、慎重に状況判断をしたいところです。
私が訪れた際には、前の数日はまったく雨がなく、水量の心配がなかったので、予定通り山登りを開始していきました。
「湯波休憩所」までは意外に遠い舗装路坂道
いよいよ登山だと意気込んでスタートしたのですが、しばらくは山方向にダラダラと登っていく舗装路坂道で、登山な雰囲気はあまり感じないまま約5km進みます。
地味につらい登り坂を無心で歩き、ようやく「湯波(ゆうなみ)休憩所」に到着です。
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川沿いのワイルドな遍路道の丸木橋はスリル満点
ここからがいよいよ遍路ころがしの本格的なスタートです。
噂にたがわぬワイルドな遍路道ではありますが、よく整備をしてくださっていて、危険を感じることはなく、気持ちよく進んでいくことができます。
下流の方では雪が舞うぐらいに気温は低いのですが、さすがの急坂により、汗が噴き出してきます。
息を切らしながら進んでいくと、この遍路道が遍路ころがしといわれる所以のひとつのポイントにたどり着きました。
久々の遍路ころがしということで、かなり慎重に進みましたが、天候が良かったこともあり、危険を感じることはなく、気持ちよく進んでいくことができました。
未舗装路を歩く距離がそれほど長くないので、過剰に恐れる必要はない遍路道に感じましたが、天候によっては状況が全く変わるのだと思うので、他の難所よりも状況判断に気をつかう必要はあると思います。
伊予最大の難所である60番札所横峰寺への遍路ころがしを無事制覇できたことに感謝し、お寺の参拝を楽しみに歩を進めました。