高知県の難所である中土佐町と四万十町の境「七子峠」から約4km。遍路道に沿って歩くこと約1時間のところに、鉄道の無人駅「影野駅」が姿を現します。歩きお遍路さんにとっては、鉄道の駅も遍路旅の手助けになります。
影野駅にたどり着く前の峠越え遍路古道「そえみみず遍路道」の様子は、以下リンクの記事もぜひご覧ください。
【36番札所青龍寺→37番札所岩本寺】旧往還そえみみず遍路道・前編
【36番札所青龍寺→37番札所岩本寺】旧往還そえみみず遍路道・中編
【36番札所青龍寺→37番札所岩本寺】旧往還そえみみず遍路道・後編
—– こちらの記事に登場する主な地名・単語
影野(かげの)
土讃線(どさんせん)
久礼(くれ)
青龍寺(しょうりゅうじ)
岩本寺(いわもとじ)
窪川(くぼかわ)
JR土讃線・影野駅
四国八十八ヶ所参りをしていると所々鉄道と並走することがあります。
鉄道は街と街を結ぶためのものなので、少なくともJRさんはお遍路さんの便宜を図ったルートになっているということではないのですが、歩き遍路にとってベンチやトイレを借りることが出来る駅という施設は、休憩場所としてとても重宝します。
36番札所青龍寺→→影野駅→→37番札所岩本寺
と、36番と37番の間にある影野駅。こちらは駅舎が存在するので、悪天候時には心強い味方で、お手洗いを借りることもできます。
本来、駅の施設は列車に乗る乗客のための設備。
お遍路さんの利用マナーが、、、となってしまっては、駅本来の利用客に迷惑がかかりますし、後日・後年訪れるお遍路さんが締め出されてしまうかもしれません。謙虚さを心掛けて 大切に利用させてもらいましょう。
36番から37番は距離が長い。
ここでは須崎から列車に乗って(岩本寺がある)窪川に行ってしまう、もしくは久礼坂部分を列車に乗って回避する方法等が考えられますが、見ての通りの本数。利用する場合は、予めダイヤを調べておく必要があります。
高速で通過する特急列車に注意を促す掲示物です。
なんせ無人駅、注意喚起を促す駅員さんや、列車接近を知らせる駅放送はありません。
影野駅は、各駅停車しか停まらない駅なので、特急に乗車することはできません。
特急列車を利用する場合の付近の停車駅は窪川駅と土佐久礼駅。それらの駅へ行けば、県内を結ぶ「特急あしずり」や、岡山まで行き新幹線に接続する「特急南風」に乗ることが可能。
特に瀬戸大橋を越える岡山行きがある点は、歩き遍路を第37番岩本寺付近(窪川駅)で区切って一旦地元に戻ってまた次回この辺りから… とする区切り打ちを行う場合に重宝します(岡山で新幹線→在来線特急乗換 で直通)。
一日二往復のアンパンマン列車
高知県出身の漫画家・絵本作家である「やなせたかし」さんが縁となって、四国の主要線区を走行する特急列車ではアンパンマンが車両全体にラッピングされた車両が運行されています。
この辺りでは基本的に1日2往復の運行。前出の時刻表でその便がいつ運用されているかがわかります。
過酷な歩き遍路道中で走っている姿を見かけると、どこか和み嬉しくなる列車です。
影野駅ができた経緯など詳しい情報は、以下リンクの記事に続きます。
【JR土讃線・影野駅】久礼の急坂を克服した跡を見ることが出来る駅
【「影野駅」 地図】