別格15番札所「箸蔵寺」は、香川県琴平町の有名な神社「こんぴらさん」と所縁の深いお寺で、「こんぴら奥の院」として知られています。
山の山頂付近にある山岳霊場は神仏習合の影響を色濃く残しています。

箸蔵山の山頂付近にあるお寺を目指す登山

別格15番札所「箸蔵寺(はしくらじ)」は、徳島県三好市の吉野川上流にある標高633mの箸蔵山の山頂付近にあり、お寺の境内にたどり着くには山登りが必要になります。

現在多くのお遍路さんは山のふもとからお寺までを約4分で運んでくれる「箸蔵山ロープウェイ」を利用していて、苦労なく絶景の空の旅を満喫しながらお寺にたどり着くことができます。
※「箸蔵山ロープウェイ」に関しては、以下リンクの記事もぜひご覧ください。

吉野川を見下ろす絶景ロープウェイ【別格15番札所「箸蔵寺」への箸蔵山ロープウェイ】

絶対歩いて巡礼するという歩き遍路さんや、ロープウェイからも見える巨大な仁王門や高灯籠に興味があるという方は、歩いてお寺を目指すのもおすすめです。
山門からの長い参道は見どころがたくさんあります。
※箸蔵寺の参道の様子は、以下リンクの記事もぜひご覧ください。

ロープウェイを見上げる高灯籠からこんぴらさんを彷彿とさせる長い参道へ【別格15番札所「箸蔵寺」参道】

手段はともあれ、山頂付近の本坊・護摩殿までたどり着けば、箸蔵寺のお寺巡りスタートです。

本堂かと見まごうほどの立派な「護摩殿」です。狛犬がいたり、護摩堂ではなく護摩殿であることはこのあとご説明します。

本堂かと見まごうほどの立派な「護摩殿」です。狛犬がいたり、護摩堂ではなく護摩殿であることはこのあとご説明します。

 

長い石段をのぼって「本堂」ではなく「本殿」へ

本坊・護摩殿にたどり着いてもそこで安心してはいけません。
ここからが箸蔵寺の本番です。

護摩殿向かって右脇の道を進むと、鐘楼堂があります。下層の柱の間に板を張った珍しい「楼造(ろうづくり)」の建物です。

護摩殿向かって右脇の道を進むと、鐘楼堂があります。下層の柱の間に板を張った珍しい「楼造(ろうづくり)」の建物です。

鐘楼堂に向かって左側を見ると、人によってはぞっとする光景が。

鳥居の先にはゴールが見えない果てしない石段が…

鳥居の先にはゴールが見えない果てしない石段が…

箸蔵寺には、山門からの長い参道からカウントすると約600段の石段があり、本宮まで785段の長い石段が有名な香川県琴平町の有名な神社「金刀比羅宮(通称:こんぴらさん)」を彷彿とさせます。

600段のうちでいうと一部ではありますが、鐘楼堂からの石段をのぼりつめると、そこには一際目を引く建造物が。

階段途中でちらっと建物の頭が見えてきていました。

階段途中でちらっと建物の頭が見えてきていました。

石段をのぼりつめた先には圧倒されて石段を後ずさるぐらいの巨大な建造物がありました。

石段をのぼりつめた先には圧倒されて石段を後ずさるぐらいの巨大な建造物がありました。

側面にまわると三層になっていて、正面から見るよりもさらにその壮大さを実感できます。

側面にまわると三層になっていて、正面から見るよりもさらにその壮大さを実感できます。

この建物は「本堂」ではなく「本殿」で、「金毘羅大権現(こんぴらだいごんげん)」という水の神様がまつられています。
この神様が箸蔵寺の御本尊ならぬ御神体で、神と仏が同じくまつられていた神仏習合の歴史を色濃く残しています。
お寺として存在する現代においても、拍手を行う神社の参拝方式でもよいとされています。
四国霊場のお寺で神社形式の参拝をするのはここ箸蔵寺ぐらいではないでしょうか。

同じ神様をまつる金刀比羅宮との所縁も深く、昔からこんぴら参りのあとに箸蔵寺を参拝する人も多く、「こんぴら奥の院」の通称でも親しまれているのが箸蔵寺です。

 

大師堂と御砂踏道場

本殿に向かって左方向に進んでいくと、広々した境内の一角に大師堂があります。

「御影堂(みえいどう)」と名付けられたお堂が大師堂です。

「御影堂(みえいどう)」と名付けられたお堂が大師堂です。

見逃してはならないのが、大師堂の裏にある「四国八十八ヶ所霊場御砂踏道場」です。

大師堂前に御砂踏道場の大きな看板があります。このスペースには礎石が残っており、かつてはここに巨大な建造物があったと思われます。

大師堂前に御砂踏道場の大きな看板があります。このスペースには礎石が残っており、かつてはここに巨大な建造物があったと思われます。

各札所の御本尊石仏がずらっと並ぶミニ八十八ヶ所霊場になっています。

各札所の御本尊石仏がずらっと並ぶミニ八十八ヶ所霊場になっています。

このミニ八十八ヶ所霊場を結願すると結願証も発行してもらえます。

 

重要文化財の宝庫

箸蔵寺にはここまででご紹介した以外にも江戸から明治期にかけて建造された貴重な建物がたくさんあります。

本殿前の「手水舎」は反りが見事な屋根と様々な細工がすばらしいです。石造の手水鉢は邪鬼が支えています。

本殿前の「手水舎」は反りが見事な屋根と様々な細工がすばらしいです。石造の手水鉢は邪鬼が支えています。

本殿右奥には「観音堂」があります。江戸初期の建造物だといわれていて箸蔵寺では最古のものだそう。

本殿右奥には「観音堂」があります。江戸初期の建造物だといわれていて箸蔵寺では最古のものだそう。

本殿への石段途中にある「薬師堂」です。内部は彫金がほどこされている場所が多く装飾が美しいそうです。

本殿への石段途中にある「薬師堂」です。内部は彫金がほどこされている場所が多く装飾が美しいそうです。

これらは国の重要文化財に指定されていて、江戸時代の寺勢隆盛の歴史を知る貴重な資料であり、建造物としてもそれぞれが特徴的でお堂好きにはたまらないお寺だと思います。

 

金毘羅大権現をまつる別格15番札所「箸蔵寺」は、神仏習合の歴史を色濃く残し、広大な寺域と貴重な建造物を後世に伝える山岳霊場で、四国霊場の中でも稀有なお寺のひとつです。
寺の歴史をかんがみ、参拝の際にはあえて神社式でおまいりしてみるのもよいと思います。

 

【別格15番札所】  宝珠山 箸蔵寺(ほうしゅざん はしくらじ)
宗派: 真言宗御室派
本尊: 金毘羅大権現
真言: おん くびらや そわか
開基: 弘法大師
住所: 徳島県三好市池田町州津字蔵谷1006
電話: 0883-72-0812

 

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佐藤 崇裕

四国遍路情報サイト「四国遍路」を運営する株式会社四国遍路(http://shikokuhenro.co.jp/)の代表取締役。四国遍路の文化をより良い形で引き継いでいくために、四国遍路に新しい付加価値を生み出すべく日々奮闘中。