香川県高松市の西部にある別格19番札所香西寺は、鎌倉時代の当地の豪族である香西氏ゆかりのお寺です。平安時代に刻まれたと伝えられる毘沙門天立像は国の重要文化財に指定されています。
車遍路さんは車で山門をくぐって駐車場へ
別格19番札所香西寺(こうざいじ)は、香川県西部の住宅地にあります。
県道から東西にのびる細い参道を入っていきますが、車遍路さんはこの参道を車で進み、たいへん珍しい光景を目にします。
車で山門をくぐることができるお寺は珍しく、貴重な体験です。
山門前まで来た時点でかなりびびると思いますが、勇気を出してそのまま車で山門へと進んでください。
勝賀山から様々な変遷をへて現在地へ
今でこそ住宅街の中にある香西寺ですが、縁起によると奈良時代に行基菩薩により「勝賀寺(かつがじ)」として創建された際には現在地の南西部にある勝賀山の北麓に庵を結んだのが始まりといわれています。
その後、平安時代に空海が現在地に寺院を移し、鎌倉時代に当地の豪族である香西氏の庇護を受け「香西寺」と改称したとのことです。
さらに室町時代に進むと細川氏により現在地より東に1kmほどの場所に移され、寺名も「地福寺」となり、戦国時代には「高福寺」となり、江戸時代の失火で現在地に再興された際に「香西寺」と名を戻し、現在に至るそうです。
その後も失火による再建が行われたそうで、様々な変遷をへて現在に至るお寺ですが、それぞれの時代に有力者に支援を受け地域に根付くお寺です。
国指定の重要文化財「毘沙門天立像」
本堂の向かって右側に朱塗りが目を引くお堂があります。
このお堂にまつられている「毘沙門天立像」は、平安時代中期の作と伝えられていて、檜一木造りで、失火や戦火の被害を受けてきたお寺において、元の勝賀寺時代から受け継がれる貴重なもので、国の重要文化財に指定されています。
香西寺参拝の際には毘沙門天堂にも参拝したいものです。
また、境内裏山の勝賀山山麓にあたる場所には、四国八十八ヶ所の写し霊場が設置されており、香西寺の時代の変遷を感じながら巡礼するのもオススメです。
様々な変遷をへて現在に至る香西寺には、ご利益のある仏様がたくさんまつられていますので、その歴史を感じながら参拝されてみてください。
※香西寺の門前にある名物店「お好み焼き山田屋」に関して、以下リンクの記事で紹介していますので、こちらもぜひご覧ください。
【お好み焼き山田屋】香西寺門前の鶏肉店が営むお好み焼き屋の名物「Cもつ玉」
【別格19番札所】 | 寶幢山 地蔵院 香西寺(ほうどうざん じぞういん こうざいじ) |
宗派: | 真言宗大覚寺派 |
本尊: | 延命地蔵菩薩 |
真言: | おん かかかび さんまえい そわか |
開基: | 行基菩薩 |
住所: | 香川県高松市香西西町211番地 |
電話: | 087-881-2337 |