別格14番札所「椿堂」がある場所は愛媛県の最東部であり、数km走れば徳島県との県境。歩き遍路を順打ちで進んだ場合、本札所・番外札所を含め、伊豫國最後の霊場となります。

椿堂常福寺

“椿堂” と書いて、「つばきどう」と読みます。

 

—– こちらの記事に登場する主な地名・単語
伊豫國(いよのくに)
椿(つばき)
(おこり) ※本文参照
椿堂常福寺(つばきどうじょうふくじ)

 

椿堂、名前の由来

境内にある大きな椿の木

その名の通り、境内にある大きな椿が名前の由来でありシンボルとなっています。こちらのご利益は 「病気に効く」

弘法大師御杖之椿

その昔、大師がこの地を訪れた時。
家はあれども辺りを見渡しても住民が見当たらない。心配になりある家を訪ねて理由を聞いてみると、その家の住人は

「瘧(オコリ)が流行して外を出歩く事ができないんです」

と告げた。

大師は病に冒された村人たちをこの地に集め、加持祈禱を行い、厄を地面に封じ込め、そこに持っていた杖を立てた。

椿で出来ていた杖はその後芽吹き、今日の椿堂のシンボルとなっている大きな椿に成長したということです。

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瘧(オコリ)
ハマダラカによって媒介されるマラリアの一種。潜伏期間を経た後、高熱と悪寒が同時に出て、次第に身体が衰弱していく。日本本土で流行した “おこり” は「三日熱マラリア」と呼ばれる、比較的症状が軽微なマラリア。沖縄など温暖な地域で発生していた「熱帯性マラリア」は致死率が高く、戦時中には未開地域への強制疎開などにより罹患、多くの人命が失われた。
古くは平安時代の書物にその病名が登場、平清盛はこの病気が原因で亡くなったという説がある。

世界的に見れば熱帯地域を中心に蔓延地域が存在するが、日本国内において土着マラリアは戦後になって根絶されている。

 

ご利益を求めて…

悪いところが治るおさわり大師

その縁起に因む大きな椿の下に休まれているお大師さま。

「おさわり大師」として、参拝者が触れることで身体の悪い部分が治るというご利益があります。
みんなが届く部分だからか、さすり易い形状だからか、膝のご利益をお願いされる方が多いようで、その部分がツルツルです。

“熱病” という括りでは、今日のインフルエンザも高熱が出て数日続く、非常に苦しい熱の病。
毎年冬になると大流行する悪病ですが、広義的な意味ではそれにもご利益がありそうです。

 

別格14番札所「椿堂」は、お大師さまが地域の病を封じ込めた伝説が残る霊場です。
愛媛県・徳島県・香川県の県境近くのお遍路の要所で、お遍路の疲れや痛み、病平癒を祈願していきましょう。

 

【別格14番札所】  邦治山 不動院 椿堂常福寺(ほうちざん ふどういん つばきどうじょうふくじ)
宗派: 高野山真言宗
本尊: 地蔵菩薩
不動明王
真言: おん かかかび さんまえい そわか
のうまく さんまんだ ばざら だん せんだ まかろしゃだ そわたや うんたらたかんまん
開基: 邦治居士
弘法大師
住所: 愛媛県四国中央市川滝町下山1894
電話: 0896-56-4523

 

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野瀬 照山

八十八ヶ所案内人・先達であり、旅人をお迎えするゲストハウスそらうみを運営。 四国八十八ヶ所結願30回、うち歩き遍路12回。 四国六番安楽寺出家得度。四国八十八ヶ所霊場会公認先達。 高松市一宮町で「さぬき高松ゲストハウスそらうみ(http://www.sanuki-soraumi.jp/)」を運営。