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86番札所「志度寺」に向かう遍路道途中に、志度寺奥の院の「地蔵寺」があります。
志度寺と同じく飛鳥時代創建といわれる歴史あるお寺の目印は「柏竜」で、「日本廻国六十六体尊」は貴重な文化財です。

「志度寺」に向かう途中の「柏竜」が目印の「地蔵寺」

85番札所「八栗寺」がある五剣山を下り、86番札所「志度寺」に向かう遍路道は香川県さぬき市志度の中心街を進んでいきます。
志度湾に面した志度の街は昔から漁業が盛んで、醸造業でも栄え、江戸時代の発明家「平賀源内」の生まれ故郷としても有名です。
※志度の街並みの様子に関しては、以下リンクの記事もぜひご覧ください。

多彩な分野で活躍した偉才「平賀源内」の生まれ故郷を歩く【86番札所「志度寺」周辺】

志度の中心街を志度寺に向かって東方向に歩いていると、一際目を引く巨木があります。

道に覆いかぶさるように巨木がせりだしています。

道に覆いかぶさるように巨木がせりだしています。

この巨木が目印のお寺が、86番志度寺奥の院「地蔵寺」です。

門前には「志度寺 奥の院」と表示されています。

門前には「志度寺 奥の院」と表示されています。

この巨木は柏の木で、飛鳥時代のお寺創建の以来の樹齢1000年をこえる古木だといわれていて、元々は山門をはさんで2本が対になっていたそうで「柏竜」と呼ばれ、街のシンボルだったそうです。
西側の柏は、落雷や台風で傷つき、倒れる危険があったことから、昭和58年に惜しまれながら切り倒され、現在は山門東側の1本だけになっています。

札所に到着する前に奥の院があるパターンは、48番札所「西林寺」61番札所「香園寺」でもありましたが、札所とのゆかりが深く遍路の歴史とも密接な史跡ですので、ぜひお立ち寄りいただきたいと思います。
※西林寺奥の院、香園寺奥の院に関しては、以下リンクの記事もぜひご覧ください。

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「日本廻国六十六体尊」がまつられている貴重な史跡

志度寺奥の院「地蔵寺」の縁起には、飛鳥時代に志度寺を創建したと伝えられる瀬戸内海の海洋技能集団海人族の「凡園子(おおしそのこ)」が地蔵寺も創建したといわれ、このことから志度寺奥の院となっているそうです。

「凡園子」は文殊菩薩の化身とされ、御本尊は文殊菩薩、境内には釈迦如来の隣に文殊菩薩の石像もありました。

「凡園子」は文殊菩薩の化身とされ、御本尊は文殊菩薩、境内には釈迦如来の隣に文殊菩薩の石像もありました。

「地蔵寺」と呼ばれるようになったきっかけには、日本神話の景行天皇の時代、日本武尊の子の霊子が天皇より土佐の海で船を襲い人を食して暴れる大魚の退治を命じられ、大魚が志度浦に隠れたところ退治し、後に里人は大魚の祟りを恐れ、魚霊堂(うおみどう)と呼ばれる小堂を建立し地蔵菩薩をまつったという伝説があります。

その後、戦火にまきこまれるなどたびたびの火災にみまわれて荒廃しますが、江戸時代中期に密英という僧が本堂を再建し、現在の形に整えられたそうです。
その当時、日本全国六十六カ国の神社仏閣を巡る日本一長い道のりの巡礼があったそうで、その御本尊を「日本廻国六十六体尊」として本堂にまつっており、これはたいへん貴重な文化財として残されているとのこと。

本堂には江戸時代の貴重な文化財が残されています。

本堂には江戸時代の貴重な文化財が残されています。

四国遍路がまだ大衆化される前に、日本全国を巡礼していた史実を伝える文化財が志度に残されていることは、志度の歴史の深さや巡礼文化のご縁を感じます。

 

札所の奥の院には、四国遍路の文化や歴史を深く知ることができる伝説や史跡が残っていることが多く、奥の院に目を向け、訪れてみると四国遍路の旅がより一層充実したものになると思います。
86番札所志度寺奥の院「地蔵寺」もたいへん歴史が長く、江戸時代の巡礼文化を後世に伝える貴重な史跡でもありますので、ぜひ立ち寄ってみてください。

 

【86番奥の院】  如意山 文殊院 地蔵寺(にょいさん もんじゅいん じぞうじ)
宗派: 真言宗善通寺派
本尊: 文殊菩薩
真言: おん あ ら は しゃ のう
開基: 凡園子
住所: 香川県さぬき市志度字江ノ口545番地
電話: 087-894-1196

 

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佐藤 崇裕

四国遍路情報サイト「四国遍路」を運営する株式会社四国遍路(https://shikokuhenro.co.jp/)の代表取締役。四国遍路の文化をより良い形で引き継いでいくために、四国遍路に新しい付加価値を生み出すべく日々奮闘中。