85番札所八栗寺の境内は、天を突く剣のごとき山「五剣山」に抱かれています。商売繁盛や学業成就、縁結びにご利益があるといわれる「歓喜天」は「八栗の聖天さん」として親しまれています。
「お迎え大師」のお出迎えをうけて境内へ
85番札所八栗寺は、標高375mの「五剣山(ごけんざん)」の中腹にあり、山を登るケーブルカーも整備されていますが、歩き遍路さんは舗装路を距離約1km、標高差約150mを登ってお寺にたどり着きます。
※八栗寺への遍路道の様子は、以下リンクの記事をぜひご覧ください。
【85番札所八栗寺への遍路道】癒し系休憩所に立ち寄って「八栗山」でお大師さまのお出迎えをうける
坂を登りきるとお寺の境内手前で「お迎え大師」のお出迎えをうけ、山のふもとを一望できる絶景スポットもあります。
山の中腹にお寺があるとはいえ、他の難所登山遍路道に比べると、比較的やさしい道のりを余裕をもって登りきり、山門をくぐって八栗寺に参拝です。
天を突く剣のごとき山「五剣山」
お寺に足を踏み入れて、まず目を奪われるのが、本堂の裏手側にある「五剣山」の姿です。
天を突く剣のごとき形は、お大師さまでなくとも、神秘性を感じる姿で、昔から信仰の対象であったことがうかがえます。
八栗寺の縁起によると、天長6年(829年)に空海がこの山に登り虚空蔵求聞寺法を修めた時に、五振りの剣が天から振り注ぎ、山の鎮守「蔵王権現」が現れ、「この山は仏教相応の霊地なり」と告げられたので、空海はそれらの剣を山中に埋め鎮護とし「五剣山」と名づけらたそうです。
また、寺名が「八栗寺」となったのは、延暦年中(782~806年)、空海が唐へ留学する前に、再度この山に登り、仏教を学ぶ念願が叶うかどうかを試すために8個の焼き栗を植えられ、無事帰国し、再び訪れると、芽の出るはずない焼き栗が芽吹いていたことが由来となっているとのこと。
山岳修行の霊山であったことをしのばせるエピソードがいくつも残っているお寺です。
たくさんのご利益がある「八栗の聖天さん」
八栗寺の見どころといえば、本堂と納経所の間に建つ「聖天堂」です。
この聖天堂には、木喰以空上人が東福門院から賜った「歓喜天」がまつられていて、商売繁盛や学業成就、縁結びにご利益があるといわれています。
このこともあってか、八栗寺は昔から初詣の参拝者がとても多く、地元の人には「八栗の聖天さん」と呼ばれて親しまれているようです。
85番札所八栗寺では、境内から見える「五剣山」の神秘的な姿をお見逃しなく。
いろいろなご利益がある「聖天堂」にもぜひお参りしていってください。
【85番札所】 | 五剣山 観自在院 八栗寺(ごけんざん かんじざいいん やくりじ) |
宗派: | 真言宗大覚寺派 |
本尊: | 聖観世音菩薩 |
真言: | おん あろりきゃ そわか |
開基: | 弘法大師 |
住所: | 香川県高松市牟礼町牟礼3416 |
電話: | 087-845-9603 |