ようやく24番札所最御崎寺に到着したと思ったら、お寺はまさかの山の上。海岸平地に慣れ、しかもアスファルトでダメージを受けた足で登るにはきつすぎでしたが、その分、山上から見下ろす岬は絶景でした。
ようやく室戸岬に着いたとおもったらお寺が無い?
海岸線の国道55号をひたすら歩き、巨大な「青年大師像」が見えたときには、ようやく室戸岬の24番札所最御崎寺(ほつみさきじ)に到着したと思いました。
どうやら青年大師像の場所がお寺ではないことがわかり、お大師さまが「空海」と名乗るきっかけになった洞窟「御厨人窟(みくろど)」に立ち寄り、岬先端方向に少し進むと、以下写真のまさかの道標が…
最御崎寺には、この登り口から800m進まなければいけないらしい…
室戸岬への海岸道は、ほとんどアップダウンがなかったので、ここにきて登山はとてもきつく、想定できていなかったので、なにより精神的にもダメージを受けました。
そして登り始めた登山道がなかなかの急勾配だったのです。
ここまでのアスファルト道で自分が思っているよりも足にダメージを受けていたようで、この前日あたりから右足の足首から脛にかけて発生していた痛みがかなりひどくなってきていて、お寺まで登りきったときにはへろへろになっていました。
「空海の七不思議」が残る通称「東寺」の「火つ岬寺」
24番札所最御崎寺は、地元の人には「東寺(ひがしでら)」とも呼ばれているそうです。
同じ室戸にある26番札所金剛頂寺(こんごうちょうじ)が「西寺(にしでら)」と呼ばれ、室戸岬に東西に対峙していることが由来とのこと。
ちなみに間にある25番札所津照寺(しんしょうじ)は「津寺(つでら)」と呼ばれているそうです。
お大師さまが修行されている時代は、室戸岬は相当な僻地でたどり着くだけでもかなりの苦労があったと思いますが、複数のお寺が寺勢を維持してきたことを考えると、それだけ大師信仰の重要な役割を担ってきたことが推察できます。
また寺名は「火(ほ)つ岬寺」の意味で、海に向かって聖火を焚く古代信仰・修行を表しており、この室戸岬が厳しい修行の聖地であったことも、お寺の歴史に深く関連していることがわかります。
このような歴史に関連してか、「空海の七不思議」とされる史跡が残っており、「くわずいも」「鐘石」「観音窟(一夜建立の岩屋)」「明星石」「行水の池」「目洗いの池」「ねじれ岩」がそれなのですが、私は体力と精神力が限界だったのか、これらをゆっくり見ることなくお寺を通過してしまったので、解説は「最御崎寺公式HP」にお任せしてしまいます。
24番札所「最御崎寺」HP 「最御崎寺について」: http://www1.ocn.ne.jp/~nijyuyon/hotu.html
登山道途中にある「ねじれ岩」は見たはずですし、他のいくつかも見たはずなのですが、記憶も写真も残っていません。
そのほかにも、「室戸岬灯台」や「中岡慎太郎像」など、観光名所もありますので、皆さまをお見逃しのなきように。
苦労した登山の先には海を見下ろす絶景のご褒美
納経を済ませ、次の札所へはお寺奥の方に進んでいき、休憩所としても利用可能な「室戸岬最御崎寺遍路センター」脇を通っていきます。
この施設は最御崎寺が運営する宿坊なのですが、一般の観光客の受け入れに積極的で、食事もなかなか豪勢なものが出るようです。
そこを通過すると、ほどなくして「室戸スカイライン」に合流します。
車でお寺に来る人は、しっかり整備されて気持ちのよい道を通って到着できてしまうのです。
ここから海と室戸市街地を見下ろす景色は絶景でした。
室戸岬までの長距離歩行と、直前の登山を乗り越えたご褒美ともいえるもの。
24番札所最御崎寺では、室戸岬までたどり着いたご褒美として、史跡散策と山上からの景色をぜひ楽しんでください。私も次の機会には、観光気分で楽しみたいと思っています。
【24番札所】 | 室戸山 明星院 最御崎寺(むろとざん みょうじょういん ほつみさきじ) |
宗派: | 真言宗豊山派 |
本尊: | 虚空蔵菩薩 |
真言: | のうぼう あきゃしゃ きゃらばや おん ありきや まりぼり そわか |
開基: | 弘法大師 |
住所: | 高知県室戸市室戸岬町4058-1 |
電話: | 0887-23-0024 |