愛媛県大洲市にある四国別格二十霊場8番札所十夜ヶ橋には、空海が橋の下で野宿をした伝説が残っています。お大師さまと同じように橋の下で野宿可能ですし、ありがたい通夜堂も用意してくださっています。
お大師さまが橋の下で野宿をした「十夜ヶ橋」
43番札所明石寺を出発し44番札所大寶寺に向かう途中の大洲市には、空海が橋の下で野宿をしたという伝説に由来する、別格霊場8番札所十夜ヶ橋(とよがはし)があります。
空海が四国巡錫中にこの地を訪れた際に、日が暮れ、周囲は田園であり、宿泊場所となる民家が見あたらなかったため、小川にかかる橋の下で仕方なく野宿をすることになったそうです。
空腹や寒さで、一夜の野宿が十日に思うほど長く感じられ、「行き悩む浮世の人を渡さずば 一夜も十夜の橋とおもほゆ」と歌を詠んだとされることから、「十夜ヶ橋」と呼ばれることになったとのこと。
空海が安眠できるように、遍路中に橋の上で杖をつかないという習慣は、このエピソードからきているといわれています。
ということで、現在では橋の下に大師堂とお大師さまが横になっている像があり、ここで野宿することが修行として公式に認められている、珍しい空海ゆかりの地となっています。
私がここを訪れたのは2月中旬で、この日通過してきた三間盆地では雪も舞う厳しい寒さで、さすがにここで野宿は厳しかったです。そこまできつい思いをしたくないという方には、ありがたい「通夜堂」が用意されています。
十夜ヶ橋の環境抜群の「通夜堂」
十夜ヶ橋ではありがたい通夜堂を用意してくださっていて、そちらで一夜宿をお借りすることが可能です。
国道56号線沿いの松山自動車道「大洲IC」入口に十夜ヶ橋があり、本堂(納経所)がとても目立つので場所はすぐにわかると思いますが、境内の本堂脇に、通夜堂とトイレの建物がふたつ建っています。
【「十夜ヶ橋」地図】
ちなみに私はこの通夜堂に宿泊するつもりでここまで歩いてきたのですが、到着したのが19時頃で、既に先約が3名いて、スペース的に厳しかったので、急遽近くの「オオズプラザホテル」に泊まることにしました。
「通夜堂」や「遍路小屋」などの無料宿泊・野宿場所は、このようなこともあるので、臨機応変に対応しないといけないです。
お大師さまの時代と違って、現在の大洲市街には宿泊施設がたくさんありますので、泊まるところが見つからずに困るということはないと思います。
※オオズプラザホテルはリーズナブルで周辺にコンビニや飲食店が多く便利でした。参考に施設詳細情報リンクをはっておきます。
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また、十夜ヶ橋の宿泊する際には、すぐ近くの複数の商業施設がある「オズメッセ21」に日帰り入浴施設「オズの湯」があり、入浴だけであれば350円とリーズナブルなので、そちらで入浴するのがおすすめです。
私は十夜ヶ橋宿泊ではなかったのですが、せっかくここまで歩いてきたので、「オズの湯」にゆっくりつかって疲れを癒しました。
施設名: | オズの湯 |
営業時間: | 11:00~22:00 |
定休日: | 水曜 |
住所: | 愛媛県大洲市東大洲1596 |
電話: | 0893-25-4100 |
施設HP: | http://www.ozmesse21.net/02_tenpo/04_ozunoyu/01_ozunoyu.html |
ちなみにこの記事でご紹介した十夜ヶ橋は、「永徳寺(えいとくじ)」の境外仏堂で、本坊は1.5kmほど離れた場所にありますので、参考に地図を掲載しておきます。
場所のお間違いのなきように。
【「永徳寺」本坊 地図】
野宿遍路さんは、十夜ヶ橋で野宿もしくは通夜堂泊で、お大師さまと同じような気持ちを味わってみるとよいと思います。