ところどころに遍路古道が残る「あしずり遍路道」は、断崖絶壁あり倒木あり草ぼうぼうありのワイルドな道のりでした。そんな難路の中で、ひとときの癒しを与えてくれるのが津呂のありがたい遍路小屋です。
以布利(いぶり)の浜にでる遍路古道
足摺岬への果てしない歩行もようやくゴールが見えるところまで進んできました。
この日の前夜は大阪海遊館海洋生物研究所以布利センターの「ジンベエ広場」の小屋で野宿させていただき、ここから足摺岬の38番札所金剛福寺までは約13kmの道のりです。
海沿いを進んでいくルートは、今でこそ県道27号が整備され、車も通行できるようになっていますが、昔は断崖絶壁の相当な難所だったそうです。
歩き遍路の場合、県道27号を進んでいくこともできますが、「あしずり遍路道」と呼ばれている歩き遍路古道がところどころに残っていますので、あえて旧道を満喫したい場合はこちらを選択しながら進むとよいと思います。
が、この区間はなかなかワイルドな道のりです。
まず「以布利(いぶり)港」では、浜に出る道があります。
断崖絶壁が続く足摺半島ですので、昔は浜を進むのが安全だった(浜しか進みようがなかったかも)ところもあるはずです。
ということで、もちろん浜におりてみましたが、以下写真のように倒木やごみが打ち寄せいている状態で、残念な気持ちになりました。
貴重な遍路古道として定期的に整備をしておきたいのはもちろんですが、ここは海からごみが打ち寄せているので、そもそも海にごみ投棄することをやめないとどうしようもないですね。
お遍路さんのためにお接待や遍路道の保存・整備をしてくださる方がいらっしゃる一方で、海にごみを捨ててしまう人がいることに、いろいろなことを考えさせられました。
断崖絶壁あり倒木あり草ぼうぼうありのワイルド遍路道
以布利の浜以外にも、山手にワイルドな遍路道が残っていていますが、危険を感じる場所もあります。
昔の悪路(昔は今よりも危ないところがたくさんあったと思いますが)を体感できる古道といえばそうなのですが、通行不能にならない程度の整備は必要だと思います。
私が遍路後にいつか整備活動をしたいと思ったのが、この「あしずり遍路道」と室戸岬への「国道55号」の一部です。
※室戸岬への「国道55号」に関しては以下リンクの記事もぜひご覧ください。
【高知県東洋町国道55号】昔の難所「野根」で休憩のあとは「猿との遭遇Part2」の要注意区間
こんな悪路を苦労して進んでいる中でも癒しの機会が訪れるのが四国遍路です。
山手の古道沿いで柑橘類を生産している農家さんがいらっしゃって、通りかかったときにちょうど八朔(はっさく)の収穫中で、お接待をしていただきました。
一個かと思いきや、ソフトボールよりも大きい巨大サイズを5個もいただいてしまい、このあと何日か荷物にぶら下げて歩き、少しずついただきながら進みました。
高知の方々は、海のように心が大きく豪快です。
野宿可能なありがたい「津呂」の遍路小屋
「あしずり遍路道」の癒しの機会その2が、「津呂(つろ)」にある遍路小屋です。
金平さんという方が善意で建設したという小屋で、ここでお世話になった方々が整備や改修をしながら、維持しているそうで、トイレ休憩はもちろん、一夜宿としてお借りすることも可能です。
※参考に場所の地図を掲載しておきます。
津呂の遍路小屋から、足摺岬の金剛福寺までは6kmの距離まで迫ってきました。
「あしずり遍路道」のワイルドな道のりに、昔のお遍路さんの苦労を感じながら、足摺岬への果てしない歩行のラストスパートに入ります。