阿波の國に別れを告げ、ひたすら続く海沿いの国道55号で、土佐の國に入っていきます。県境のまち「東洋町」には、猿との遭遇あり、歩きにくい危険箇所あり、それ以外にもネタ満載の要注意区間でした。
まったく気がつくことなく「土佐の國」に突入
果てしなく続く室戸岬への道のりの2日目は、前日野宿していた別格4番札所鯖大師からスタートし、徳島最後のまち海陽町の「宍喰温泉」で長時間休養をとって、いよいよ土佐の國に突入していきます。
私はここで大失態をおかすのですが、宍喰温泉から1kmほど先の「水床(みとこ)トンネル」を通過すると、そこから高知県に入るのですが、なぜかそれにまったく気が付かずに、東洋町内をまだ徳島県だと思って歩いていました。
ということで、かなり前の「鴨島のスーパー」で購入していた徳島銘菓「金長まんじゅう」を備蓄食料として持っていたのですが、徳島を出る前に食べようと思っていたのに、見事にそれを逃し、高知県内で食べるはめになってしまいました。
そろそろ高知県に入るはずだから食べておこうと思ったのが「生見(いくみ)海岸」の自動販売機コーナーでした。
まだこの時点でもすでに高知県にいることは気づきませんでした。
金長まんじゅうは、皮にココアパウダーが入っていて茶色、中は白餡で、徳島の民話「金長狸」のお腹をイメージしているそうです。
「金長ゴールド」は、中は同じ白あんで、皮も白のバージョン。
第22回全国菓子大博覧会で名誉総裁賞を受賞した徳島銘菓で、徳島県内ではお土産物屋や地元スーパーなどいたるところで売られていますし、ネットでも購入可能なので、ぜひ試してみてください。
ご興味ある方は、製造元の「株式会社ハレルヤ」のHPにてご覧になってみてください。
株式会社ハレルヤ:http://www.hallelujah.co.jp/
ネット購入可能な徳島特産品のお店のリンクも貼っておきます。
「野根まんじゅう」と、「野根の昼寝」の「明徳寺(東洋大師)」
生見海岸から更に2kmほど進んでいくと「野根(のね)」の集落にたどり着きます。
ここにはお遍路さんには有名な「明徳寺(みょうとくじ)」 別称「東洋大師(とうようだいし)」があります。
四国内に数多く残る弘法大師の水祈祷伝説スポットの番外霊場で、歩き遍路さんには宿泊可能な通夜堂を提供してくださっていることで知られています。
【番外霊場】 | 金剛山 明徳寺(こんごうざん みょうとくじ) 通称:東洋大師(とうようたいし) |
宗派: | 真言宗豊山派 |
開基: | 弘法大師 |
住所: | 高知県安芸郡東洋町大字野根丙2246 |
電話: | 0887-23-9777 |
この野根のエリアは、昔はお遍路さんにとっては難所だったそうで、現在の国道55号が開通するまでは、海岸に下りて「ごろごろ石」「飛び石」「はね石」と呼ばれていた足元が悪い磯を歩くか、満潮など歩けないときは野根山を越えなければいけなかったとのことです。そこで、この明徳寺で休憩していくお遍路さんが多く「野根の昼寝」という言葉もできたそうです。
もうひとつ野根の名物があり、それが「野根まんじゅう」です。
明治時代創業で、昭和・今上天皇陛下献上の歴史があり、高知県内はもとより、都内百貨店でも扱っているところがある銘菓です。
元祖は、現在5代目になっている「浜口福月堂」で、もちろん野根にお店がありますので、立ち寄るのもいいかもしれません。ちなみに野根まんじゅうをつくっているお菓子屋さんは浜口福月堂だけではなく、いくつかあるようで、野根でも数軒見つけました。
浜口福月堂の野根まんじゅうは、ふるさと納税の返礼品にもなっています。
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店名: | 浜口福月堂 |
住所: | 高知県安芸郡東洋町野根丙1942 |
電話: | 0887-28-1043 |
店HP: | http://www.nonemanjyu.com/ |
2回目の「猿との遭遇」の危険区間
野根を通過すると、ここからはしばらくお店やトイレがほとんどない区間に入っていきますので、それを前提に野根で準備を整えてください。
そしてこの区間で注意が必要なのが「猿」と「雑草」です。
猿に関しては、国道の山側がけっこうな高さの柵で落石対策がされているのですが、その柵の上や直下まで集団で迫ってきているところと遭遇しました。
他の歩き遍路さんと話したところ、かなり多くの方が遭遇しているので、ここは猿がたくさんいることを前提に、襲われないように携帯食を隠しておくなど対策をした方がよいと思います。
遍路旅で猿と遭遇したのは、初日の4番札所大日寺手前の旧遍路道とここの2回でした。
野生動物との遭遇も歩き遍路の醍醐味といえばそうですが、被害はないように常に対策は必要ですね。
そしてもうひとつの注意点が雑草です。
この区間は比較的歩道がしっかり整備されているエリアではあるのですが、歩道に多くの雑草が生えていて、一番厄介なのは木の枝のように固い正体不明の植物です。
この植物が生えているところは歩くことができず、やむをえず車道に出て歩いたこともあり、車がかなりのスピードでとばしてくる区間でもあるので、十分注意が必要です。
さすがにこれをすべて草刈りしながら歩くわけにはいかなかったのですが、別の機会で草刈りしに来ようかと思ったくらいの道でした。
室戸岬への果てしない道のり2日目は鯖大師から、東洋町をへて、室戸市に入り佐喜浜までの約40km弱を歩き、前日の40km超歩行と合わせて、足にかなりのダメージを受けていたのですが、このときはそこまで深刻には考えず、あとから痛い目をみるのですが、それはまた別の機会にご紹介します。