【御厨人窟】「空海」と名乗るきっかけになった室戸岬の修行の地

室戸岬は空海が青年期に修行をした地としても有名で、「空海」と名乗るきっかけにもなった「御厨人窟」があります。岬の先の方に見える巨大な「青年大師像」など、立ち寄りスポットがたくさんあります。

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室戸岬への果てしない歩行も終盤戦

果てしなく長かった室戸岬への歩行もようやくゴールが見えてきました。
23番札所薬王寺を出発し、室戸岬の24番札所「最御崎寺」まで約75kmの道のりを、途中「鯖大師」「佐喜浜」で野宿をして、3日目にして室戸岬にたどり着くことができました。

海岸沿いの道は、徳島の道のりにはなかった雄大な水平線の景色や波の音が心地よく新鮮です。野宿をして朝早くの日の出の海を眺めるのも遍路の醍醐味だと思います。

佐喜浜 海岸 日の出

ということで、朝焼けの風景を一枚。

ただし、さすがに70km以上海岸線が続くと、変化が欲しくなってきますし、アスファルトの長距離歩行は自分が体感するよりも足にダメージが蓄積します。
徳島では山道がきつかった印象が残っていますが、意外に未舗装路はクッションがきいて足にはやさしかったんだなと気づきます。

佐喜浜を出発すると、室戸岬まではあと17kmほどで、途中で鹿岡鼻の「夫婦岩(めおといわ)」を眺めたり、高速バスの椎名バス停には「旅の宿 椎名」と看板の付いた一人野宿が可能な小屋があったりします。

室戸市 夫婦岩

「夫婦岩」は、波に浸食されて「蜂の巣構造」と「風紋」が美しいらしいのですが、そこまでじっくり確認できませんでした。

室戸市椎名バス停 旅の宿椎名

「旅の宿 椎名」はこんな感じ。高知の国道55号沿いには、バス停が小屋になっていて、野宿可能な場所がけっこうあります。

椎名の集落を通過すれば、室戸岬までラストスパート開始です。

 

巨大な「青年大師像」が目に入れば、室戸岬はもうすぐ

更に海沿いの道を進んでいくと、山のふもとに巨大な像が出現します。
これが「青年大師像(せいねんたいしぞう)」で、昭和59年に大師信者や地域の方の寄進によって建立された像とのことです。
遠くから見てもお大師さまの姿とわかり、室戸岬でお大師さまがお出迎えしてくれたと、ようやくたどり着いた実感がわいてきました。
私はここに「最御崎寺」があるのかと思ったのですが、お寺はまだ先なんですよね。

室戸市 青年大師像 遠観

車が全然通っていなかったので、車道の真ん中から写真撮影した青年大師像です。写真で見るより、遠くからでも間近に感じました。

室戸市 青年大師像 仁王像

近くまで行くと、色鮮やかな仁王さまが入口を守っています。

室戸市 青年大師像 涅槃

お大師さまの足元にはお尻を向けた「涅槃」が…

この青年大師像は、お大師さまが19歳の修行時をイメージしているとのことですが、この室戸岬の地に青年期の弘法大師像が建立されるきっかけになったのは「御厨人窟(みくろど)」の存在が関係しています。

 

「空海」を名乗るきっかけになった修行の地「御厨人窟(みくろど)」

ここ室戸岬は空海が厳しい修行を行い、悟りをひらいたとされる重要な地です。
修行時に洞窟に居住していたといわれ、それが御厨人窟で、この洞窟から外を見ると「空」と「海」のみの風景だったことが、「空海」と名乗るきっかけになったそうです。
また、修行を行っていた「神明窟(しんめいくつ)」では、難行の最中に明星が口に飛び込み、この時に悟りをひらいた伝えられています。

室戸岬 御厨人窟 みくろど

巨大な岩にあいた洞窟に神秘的な雰囲気を感じました。

歩き遍路としても、室戸岬までの道のりはまさしく「修行」です。
嫌というほど眺めてきた空と海ですが、お大師さまも見ていたと思うと、これまでの道がさらに美しく思え、感慨深いものがありました。

24番札所最御崎寺は、まだもう少し先で、お寺までは試練も待っていますので、お大師さまに室戸岬への道のりの報告をしつつ、油断なく進んでいきましょう。

ちなみに、青年大師像近くには、海洋深層水の温浴施設「シレストむろと」がありますので、ゆっくり休憩もよいと思います。

参考に施設リンクもはっておきます。

シレストむろと: http://www.searest.co.jp/

 

【「御厨人窟」 地図】

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この記事を書いた人

お遍路さん初心者です。  2015年1月20日(火)に1番札所を出発し、2015年3月1日(日)に41日間で88番札所で通し歩き結願を果たすことができました。 2015年4月12・13日の2日間で、開創1200年で盛り上がる高野山にお礼参りにも行ってきました。 自身の通し歩き遍路体験を元にお役立ち情報を発信しています。