87番札所「長尾寺」の御本尊「聖観音菩薩像」は、たびたびの火災に遭いながら無事で、「長尾の観音さん」として親しまれています。
源義経の側室「静御前」が出家得度したお寺としても知られ、本堂横には「剃髪塚」が残っています。

国の重要文化財に指定されている「経幢」

86番札所「志度寺」を出発し、県道3号を南下して、のどかな里道の休憩所でひと休みしながら、87番札所「長尾寺」に到着しました。
※「志度寺」から「長尾寺」の遍路道の様子は、以下リンクの記事もぜひご覧ください。

癒しの里道にはほっとするお遍路休憩所あり【86番札所「志度寺」→87番札所「長尾寺」】

歩き遍路道からお寺にたどり着くと、最短ルートは裏口のようになっている「東門」から境内に進む道なのですが、ここは正門である「仁王門」からお寺に入ります。

「仁王門」をくぐる前に注目なのが、参道両脇にある「経幢」です。

「仁王門」をくぐる前に注目なのが、参道両脇にある「経幢」です。

「仁王門」の前にある「経幢(きょうどう)」は、鎌倉時代中期から後期にかけて造られた石造りの塔で、中国の唐から宋の時代に流行した経文を保存したり、供養の標識として建立される意味があったそうです。

石柱の上に八角形の傘上の石が積まれた「経幢」

石柱の上に八角形の傘上の石が積まれた「経幢」

「仁王門」前に2基が参道をはさむ形で対になっています。

「仁王門」前に2基が参道をはさむ形で対になっています。

この長尾寺の「経幢」は国の重要文化財に指定されており、解説看板もありますので、境内に入る前にチェックしてみてください。

 

たびたびの火災でも無事だった「長尾の観音さん」

「長尾寺」の縁起によると、聖徳太子が開創したという説もあるようですが、一般的には奈良時代の天平11年(739年)に聖武天皇の勅願で行基菩薩が道端に楊柳の霊夢を感じ、その木で聖観音菩薩像を彫造し本尊として安置したのが起源であるとされています。
その後、空海もこの地を訪れ、唐に渡る前に年頭七夜に渡り護摩祈祷を修法して国家安泰と五穀豊穣を祈願され、年頭7日目の夜には護摩符を丘の上より人々に投げ与えたとの伝説があり、毎年1月7日に「大会陽」「福奪い」として現代にも伝わっています。

戦国時代から江戸時代にかけては、たびたび戦災・火災の被害を受けていますが、行基が彫像したと伝わる御本尊は不思議と無事で、讃岐七観音の中で随一とされ、「長尾の観音さん」として地元の人に親しまれているそうです。

たびたびの火災にあった堂塔は、江戸時代に讃岐高松藩主「松平頼重」によって再建されたものが現代に残る堂宇の基礎となっているとのこと。

たびたびの火災にあった堂塔は、江戸時代に讃岐高松藩主「松平頼重」によって再建されたものが現代に残る堂宇の基礎となっているとのこと。

 

源義経の側室「静御前」の「剃髪塚」

「長尾寺」の歴史の中で、ぜひ知っておいていただきたいのが「静御前」のエピソードです。

「静御前」は、平安時代後期に当代随一の「白拍子(しらびょうし) ※歌いながら舞う芸人」で、源平合戦で活躍した「源義経」に見初められ側室となりますが、義経が兄「源頼朝」と対立して落ちのびる途中に離れることになり、その際に義経の子を妊娠していて出産しましたが、対立していた頼朝の意向で息子を殺されてしまいます。
その後、自殺も考えたそうですが、母を伴っていたためそれもできず、母の生まれ故郷である讃岐國に帰り、「長尾寺」で出家得度したという伝説が残っています。

現在も本堂の横には、出家の際に剃髪した髪を埋めたといわれる「静御前剃髪塚」が残されており、「静御前」の悲しいエピソードをしのぶ史跡になっています。

大きなお地蔵さまの脇に「静御前剃髪塚」があります。

大きなお地蔵さまの脇に「静御前剃髪塚」があります。

讃岐國に帰って間もなくして母が亡くなり、静御前も24歳の若さで亡くなるという悲しいエピソードです。

讃岐國に帰って間もなくして母が亡くなり、静御前も24歳の若さで亡くなるという悲しいエピソードです。

 

87番札所「長尾寺」では、門前の「経幢」、「静御前剃髪塚」をぜひチェックしてみてください。
行基や空海の時代から脈々と受け継がれる歴史や習慣にも注目です。

 

【87番札所】  補陀洛山 観音院 長尾寺(ふだらくさん かんおんいん ながおじ)
宗派: 天台宗
本尊: 聖観音菩薩
真言: おん あろりきゃ そわか
開基: 行基菩薩
住所: 香川県さぬき市長尾西653
電話: 0879-52-2041

 

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ごんのすけ

お遍路さん初心者です。  2015年1月20日(火)に1番札所を出発し、2015年3月1日(日)に41日間で88番札所で通し歩き結願を果たすことができました。 2015年4月12・13日の2日間で、開創1200年で盛り上がる高野山にお礼参りにも行ってきました。 自身の通し歩き遍路体験を元にお役立ち情報を発信しています。