【77番札所道隆寺】眼病平癒祈願の目なおし薬師如来さま

眼病平癒に霊験があるといわれている77番札所道隆寺。御本尊は「眼なおし薬師さま」と慕われていて、全国から眼病平癒祈願に多くの人が訪れます。ご利益のいわれや、一風変わった祈願方法をご紹介します。

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腹ごもり薬師の77番札所道隆寺

香川県多度津町にある77番札所道隆寺。奈良時代に起源がある長い歴史をもつお寺で、創建の頃はこの付近は広大な桑園でした。地域の領主の和気道隆が、周囲5mもの桑の大木が、夜ごと光が放っているのが怪しいと感じ、矢を射ました。すると、そこには乳母が倒れており、乳母の死を嘆いた道隆は、桑の木で仏像を彫って、草堂に供養しました。
そののち、道隆の子の朝祐が弘法大師空海に薬師如来像を彫像を懇願し、その薬師如来の胎内に道隆の像を納めて本尊としました。像の中にもう一体の像がおさめられていることから「腹ごもり薬師」とも呼ばれています。

この御本尊・薬師如来像は、50年に一度しか御開帳されない秘仏ですが、2023年は弘法大師空海御生誕1250年を記念して、1年間御開帳される貴重な機会なので、ぜひご拝観ください。

道隆寺_本堂・参道

本堂への参道にはたくさんの観音像が並んでいます。

 

京極左馬造と眼なおし薬師さま

道隆寺の御本尊・薬師如来は眼病平癒に特に霊験あらたかとされていて、このことは江戸時代のエピソードに由来します。
幼少より盲目だった丸亀京極藩の京極左馬造が、御本尊の薬師如来に祈願したところ、全快し、その後に医学を志し藩のご典医になり、眼病を治す達人であったことから、「眼なおし薬師さま」と呼ばれ、全国の目の病を持つ人が祈願に訪れるようになったそうです。

本堂の左裏手に位置する「潜徳院殿堂」に京極左馬造が祀られていますので、眼病平癒祈願で道隆寺を訪れた人は、御本尊とあわせてぜひお参りしてください。

道隆寺_潜徳院殿堂

眼病平癒を祈願する人は、本堂左裏手にある潜徳院殿堂にお参りください。

 

「め」を書いて眼病平癒祈願

道隆寺の眼病平癒祈願には一風変わった方法があり、数え年の数だけ「め」の文字を書いてお寺にお預けすると、京極左馬造が祀られている潜徳院殿堂に奉納され祈願をしてくれるのです。

道隆寺_眼病平癒祈願

専用の用紙に「め」の文字を書く特殊な眼病平癒祈願です。御札も授与されます。

 

このように道隆寺には眼病平癒に関する歴史的エピソードや特別な祈願がありますので、眼に不安がある人は特に念入りにお参りされてください。

 

道隆寺門前店の眼蘇茶

道隆寺参拝後は、門前にある遍路の店サンエイさんを訪れました。
こちらでは、お遍路さんにお接待をされていて、休憩所も併設されていました。

店内はお遍路用品やお土産物などが販売されています。その中でも、道隆寺の眼病平癒に関連する商品として「眼蘇茶(めいきるちゃ)」がありました。試飲をさせていただき、少し歩くと汗ばむぐらいの蒸し暑い日でしたので、冷えたお茶は身に沁みました。
眼蘇茶は、古くから目に良い効能があるとされてきた「メグスリノキ」や、ビワの葉など複数の薬草が配合されていて、商品名の通り眼に良い効果があるほか、お肌の改善、腰痛、冷え性、肩こりなどに効能があるそうです。

遍路の店サンエイ_眼蘇茶

眼のマークと赤いパッケージが印象的な眼蘇茶。

 

77番札所道隆寺には眼病平癒に関する歴史的エピソードや特別な祈願方法、門前店の眼に良い商品などがあり、全国から眼病平癒を願う人がたくさん訪れます。ゆかりの潜徳院殿堂もお見逃しのないようにお参りください。

※道隆寺がある多度津町内のおすすめ立ち寄りスポットを以下リンクの記事でご紹介していますので、ぜひこちらもご覧ください。

【桃陵公園】瀬戸内海一望の桜の名所でお花見と多度津町の歴史探訪

【根ッ子うどん】田園地帯にポツンとある温室でいただく極太麺のかけうどん

 

【77番札所】  桑多山 明王院 道隆寺(そうたざん みょうおういん どうりゅうじ)
宗派: 真言宗醍醐派
本尊: 薬師如来
真言: おん ころころ せんだり まとうぎ そわか
開基: 和気道隆
住所: 香川県仲多度郡多度津町北鴨1丁目3番30号
電話: 0877-32-3577

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この記事を書いた人

観光業界で従事した経験がある旅行・ホテル関連のテーマが得意なライター。グルメ、旅、四国が大好き! お遍路さんは初心者ですが、人との出会いを通して学び、成長できる旅だと思うので、いつかは歩き遍路に挑戦してみたいと思っています。 自身の経験が少しでも四国を旅する人のお役に立てたら嬉しいです♡