カツオの一本釣り漁で栄え、国の重要文化的景観にも指定された「土佐久礼」の町。観光市場である「大正町市場」の近くに位置する平屋建ての宿が「ゲストハウス恵kei」です。暮らすように滞在できることが魅力の宿です。
土佐久礼のど真ん中で、町暮らしを楽しむ「ゲストハウス恵kei」
お遍路さんが泊まる宿の歴史やオーナーの思いについてインタビューする遍路宿紹介シリーズ。今回は高知県高岡郡中土佐町久礼(くれ)にある「ゲストハウス恵kei」さんを訪ねました。
「ゲストハウス恵kei」があるのは、カツオ漁で栄えた土佐久礼の町のどまんなかで、観光市場である「大正町市場」へは徒歩5分圏内と、久礼の観光には最適の宿です。スーパーが近いので自炊もできるほか、地元の人でにぎわう居酒屋も徒歩圏内。まるで生活者のように滞在できるのが魅力です。
お話をうかがったのは、オーナーの北川真紀さん。宿の話からご近所さん紹介まで内容が多岐に渡りました。
叔母が使っていた家を久礼初のゲストハウスに
たくさんの路地が網目のように広がる土佐久礼の町で、民家のさらに奥に建つ「ゲストハウス恵kei」。まずはじめに、ここにゲストハウスを作った経緯についてお聞きしました。
「手前の家が私の実家で、奥にあるこの宿は元々叔母の家でした。空き家になり10年ほど経っていて、人に貸すにも隣が近く、借りる人も気を使うだろうと宿のアイデアに至りました。土佐久礼には旅館はあってもゲストハウスがないので、ゲストハウスがいいかなと。」
そして、2016年4月に久礼初のゲストハウスとしてオープンした「ゲストハウス恵kei」。これまでにどのような人が泊まられたのでしょうか。
「法事など人が集まるときに、家が手狭だからと親族で貸切りされることがあります。一軒家なので『久々に一つ屋根の下で過ごす経験ができてよかった』と言われたりもします。他には、大学生が夏にグループで遊びに来たり、仕事や研修で長期滞在される人もいたりと様々です。」
「この辺りは昔からお遍路さんが歩いていた場所なので、お遍路さんの宿泊も多く、宿泊者全体のうち半分くらいがお遍路さんです。男性だと定年後の65歳〜70代前半の人、女性だと65歳くらいまでの人が多い印象です。小さい頃に見たお遍路さんは、近寄りがたいイメージで怖かったのですが、今はみなさん身綺麗な装いで、普通の旅行客と変わらないですね。一度泊まった方は、翌年も来てくれたり、遊びに来てくれたりしますよ。」
海外旅行で感じた「適度な放置」の心地よさをゲストハウスに生かす
北川さん自身、年に一度は海外旅行に行く旅行好きで、コロナ禍の前はアジアによくいっていたそうです。そこで感じた海外の宿の「適度な放置」の心地よさが、ゲストハウス運営にも生かされているとのこと。
「海外の宿はアバウトで、宿泊者は基本的に放置。必要なことはその都度対応してもらうスタイルが多かったです。自分はそのほうが気楽なので、うちでも宿代をいただいた後は自由にしてもらっています。近くに住んでいるから何かあっても対応もできますし。」
確かに「ゲストハウス恵kei」では、あちこちに備品や設備説明のメモが置かれていて、ホストがいなくても困らないような工夫がされていました。周囲にスーパーや食事処が充実しているのも、宿泊者が自由に過ごしやすい要因かもしれません。
ユニークなご近所さんなど、宿の周りにも魅力がいっぱい
取材の中では北川さんがご近所さんに引き合わせてくださって、そこでも面白い話を聞くことができました。気さくでユニークなご近所さんたちに出会えるのも、この宿の魅力の一つだと思います。紹介してくださった北川さんのフットワークの軽さにも感謝です。
最後に、取材で出会った人や風景の一部を写真でご紹介いたします。
【「ゲストハウス恵kei」 基礎情報】
名 称 | ゲストハウス恵kei |
宿の形態 | ゲストハウス |
住所 | 高知県高岡郡中土佐町久礼6501-7 |
「ゲストハウス恵kei」の詳細情報とご予約はこちらから↓
四国宿泊予約サイト「お遍路さん家」【ゲストハウス恵kei】
「近くにはスーパー(マルナカ)もあり、美味しい居酒屋もある。観光客で賑わう大正町市場も歩いて5分。久礼を楽しむには最適の場所。」との北川さんの言葉通り、「ゲストハウス恵kei」は久礼を満喫できる宿です。近所のユニークな人にも会えたりと、地元目線の久礼が体感できました。