【85番札所八栗寺への旧遍路道】復元された「七曲り道」でお大師さまの元へ

85番札所八栗寺は急峻な五剣山の中腹に位置し、山登りの遍路道を進みます。もう少しでお寺にたどりつこうかというところに、2016年に復元された旧遍路道「七曲り道」があります。

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歩き遍路さんはケーブルカーを横目に急坂遍路道に

85番札所八栗寺は、剣のようなとがった五つの峰が連なる「五剣山」の中腹に位置し、お寺に行くためのケーブルカーが整備されています。
車遍路さんの多くはこのケーブルカーを使ってお寺に向かいますが、ふもとのケーブルカー乗り場から歩いて登っても、距離1kmほど、標高差約150mで、舗装された安全な道なので、車遍路さんでも歩いて登ってみるのもありかもしれません。
歩き遍路さんはもちろん歩き遍路道を進んでいきます。
※「八栗寺」への遍路道の様子は以下リンクの記事もぜひご覧ください。

【85番札所八栗寺への遍路道】癒し系休憩所に立ち寄って「八栗山」でお大師さまのお出迎えをうける

八栗ケーブルカー乗り場 鳥居

ケーブルカー乗り場横の鳥居をくぐって、遍路道(参道)を登っていきます。

 

お大師さまの御加持水

この登り坂遍路道は、道沿いに住宅やお店(よもぎ餅が有名)、お接待処(仁庵)などがあって、登山というよりものんびりした集落を歩む雰囲気で、気持ちが和みます。
ただし、途中に「傾斜21度」という看板があるように、急坂ではありますので、登りはそれなりにしんどいですし、お寺から下ってくるときには特に用心して歩く必要があります。

集落ゾーンを通り過ぎると、山の景色が広がってきて、そこにはお大師さまの御加持水があります。

八栗寺遍路道 御加持水 鳥居

山登り札所の登山道にはこのような水場があることが多いです。

八栗寺への遍路道 御加持水

現代よりもずっと険しい道を進んでいた昔のお遍路さんは、お大師さまに感謝しながら、水場でのどを潤し、山を登っていったのでしょう。

御加持水の先に見えている鳥居をくぐったすぐ先に、今回の記事でぜひ皆さんにご紹介したい旧遍路道の入口があります。

 

2016年に復元された「七曲り道」

鳥居をくぐった先は、以下写真のようになっています。

八栗寺への遍路道 七曲り道分岐点

従来の遍路道は右方向の舗装路を進んでいきます。

上の写真で石仏がいくつか見える場所が左方向の山の中に入っていく分岐点で、ここからの山道が2016年に復元された旧遍路道「七曲り道」なのです。

八栗寺への遍路道 七曲り道入口

分岐点には多くの石仏があり、木の立て看板で分岐をわかりやすく表示してくださっています。

八栗寺への遍路道 七曲り道入口 立て看板

その名も「七曲り道」です。この名前から道の様子を想像しながら山道に入っていきます。

そこは想像通りのくねくね道ですが、復元時に階段や道の境を整備してくださったようで、思ったよりも歩きやすかったです。

八栗寺への遍路道 七曲り道

くねくね道には切り株が残っているところがありますが、目につくようにテープを貼って注意喚起してくれています。

八栗寺への遍路道 七曲り道 石仏

道沿いには短い間隔で複数の石仏があり、昔の遍路道の様子が色濃く残っています。

八栗寺への遍路道 七曲り道 ビュースポット

くねくねをしばらく登っていくと、高松市街方面を見渡すことができるビュースポットもありました。

切り株の残り方を見ると、復元前はかなり荒れて道もない状態だったと思いますが、この道を通ることができるようにしてくださったことには頭が下がります。

そして、くねくね道を登りきると、お迎え大師の真下の位置にたどり着きます。

八栗寺への遍路道 七曲り道 お迎え大師

写真真ん中上のところの台座にお迎え大師さまが鎮座していらっしゃいます。

この「七曲り道」は、順打ちで遍路道を登ってくると前出のように分岐点がわかりやすいのですが、2016年は逆打ちの年なので、八栗寺から下ってくるルートだと道の入口がわかりづらいかもしれません。

八栗寺への遍路道 七曲り道 逆打ち入口

七曲り道を登りきったところから道の入口を見るとこんな感じ。逆打ちのお遍路さんはお迎え大師のすぐ下を見逃すことなく、七曲り道を下ってみてください。

 

このような昔の遍路道こそ、遍路の醍醐味を感じることができ、後世にも引き継いでいきたい遍路の歴史そのものだと思います。
車でお遍路をされる方々も、このような遍路道をところどころでも歩いてみると、お遍路の魅力をさらに感じられることでしょう。
遍路道を整備してくださっている方々に感謝です。

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この記事を書いた人

四国遍路情報サイト「四国遍路」を運営する株式会社四国遍路(https://shikokuhenro.co.jp/)の代表取締役。四国遍路の文化をより良い形で引き継いでいくために、四国遍路に新しい付加価値を生み出すべく日々奮闘中。