【別格7番札所金山出石寺】50年に一度の御遠忌・御開帳

平成29年(2017年)、別格7番札所金山出石寺は開山1300年を迎えます。前回の訪問で、50年に一度の秘仏本尊御開帳が行われると知り、このたび参拝に向かいました。

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出石寺 秘仏本尊ご開帳のお知らせ

御開帳の案内

—– こちらの記事に登場する主な地名・単語
金山出石寺(きんざんしゅっせきじ)
秘仏(ひぶつ)
御開帳(ごかいちょう)
真筆(しんぴつ)
御手引きの鹿(おてびきのしか)
観世音菩薩(おんぜおんぼさつ)
御遠忌(ごえんき)
川之石港(かわのいしこう)
宇和海(うわかい)
佐田岬(さだみさき)

—– こちらの記事に登場する人物
道教・作右衛門(どうきょう・さくえもん / 生没年不明)… 寺伝による出石寺を開山した人物

 

霧に覆われた山上の寺院

出石寺 開山壱千参百年 幟

参道階段に開山1300年の幟

2017年6月に寄稿した記事でお知らせしましたが、別格7番札所金山出石寺は平成29年(2017)に開山1300年を迎え、50年に1度の秘仏本尊御開帳が10月8日~17日に行われています。
※金山出石寺の開山1300年と50年に1度の秘仏本尊御開帳のお知らせに関しては、以下リンクの記事もご参照ください。

【別格7番札所金山出石寺】開山1300年と50年に一度の本尊御開帳

出石寺がある金山の標高は812m。
ふもとの各町から車道が通じているが、どの道もカーブが多く道幅が細いため、運転には注意を要する。また 霧の発生や冬季には積雪があるなど、山の気候は目まぐるしく変化する。
それゆえ、出石寺の駐車場に着いた時の安堵感は、他では得ることができない感慨深さがある。

出石寺 山門 霧

山門到着

この日も雨が降り、霧が立ち込めておりました。

出石寺 ご開帳御礼

山門前にある掲示

開山壱千参百年の御礼が述べられていました。
今でこそ防火設備がある時代ですが、1300年間で見ると そのような設備が存在しない時代の方が長かったわけで… お寺の守護と運営は大変なことだったと思われます。

出石寺 参道 霧

山門は霧の中

境内へ進みます。

 

開山由来の御手引きの鹿と道教

出石寺 境内 護摩堂 霧

境内

朝早い時間の参拝の特権 "凛とした空気"
標高800mを超す高所に位置するため、下界では感じることができない澄んだ空気と匂いは、山の寺である出石寺ならではのもの。

出石寺 般若心経 謹書

般若心経の謹書

開山壱千三百年を記念した、ご住職の真筆と思われる 般若心経の掲示。

出石寺 御手引きの鹿

御手引きの鹿

開山縁起に登場する、御手引きの鹿。

出石寺 御手引きの鹿の案内

御手引きの鹿の案内

猟師がシカを見つけ、それを追っかけ追い詰めた場所が現在の本堂。
まさに今、矢を射ろうとした時、激しい地鳴りの後暗雲が立ち込め、鹿の立っていた岩が割れ、そこから光と共に観世音菩薩が現れた…

猟師・作右衛門は殺生を悔い、仏門に入るために妻子に別れを告げ出家。
名を道教と改め、出現した観音さまを手厚く祀った…

その始まりが今からちょうど1300年前であり、こちらの場所なのです。
後年、お大師さまが金山に入山された際、本尊である観世音菩薩を後世に良い形で伝えるため、秘仏として祀った。それにより、50年に一度の御遠忌の時にだけ公開される仏さまになったと伝えられています。

出石寺 大師堂 本堂

本堂・大師堂

手前が大師堂、奥が本堂。新しい五色幕が掛けられていました。

出石寺 本堂からの景色 霧

麓を見渡すことができる地点

御開帳の儀式は9時から。到着した時間が少し早かったため、境内をゆっくり散策してその時間を待ちました。

この場所は下界を見下ろすことができる場所で、ふもとの街・川之石港と宇和海、そこから西に向かって伸びる佐田岬半島、天気が良ければ九州大分県の山並みも見ることができる、出石寺随一の展望ポイント。
金山へ上がる楽しみの一つに "お山の上(境内)からの眺望" があるのですが、この日はご覧の通り 山自体が雲の中にあり何も見えませんでした。残念!
※境内からの眺望に関しては、以下リンクの記事でご紹介していますので、ぜひこちらもご覧ください。

【別格7番札所金山出石寺】開山1300年と50年に一度の本尊御開帳

 

50年に一度の御開帳

出石寺 弘法大師像

弘法大師像

9時になり本堂に入堂。 数名の導師による御開帳の儀式の後、ご住職さんによる法話がありました。

撮影ができませんのでその時の写真はありませんが、そのお話の中で 「昭和16年の大火」 が出てきました。
落雷による発火により、本堂を始め多くの寺宝がその時失われたようです。

前回の御開帳が昭和42年(1967)。
焼失→復興後の初めてのお堂で行われる御遠忌(=御開帳)だったため、不慣れで少し慌ただしかったという裏話も。

また 「50年という月日は本当に長いもので 前回の事を鮮明に覚えている者はおらず、前はどうやったかな、ああだった、いやこうだった」 と話し合いながら今回の御開帳を行っているという、とても親近感の湧くお話を頂戴することができました。

 

平成29年10月8日(日)から10月17日(火)の間で行われた出石寺の御遠忌・御開帳。
この期間中に出石寺をお参りしご縁を結ばれた方にとっては特別な体験になったことでしょう。

 

【別格7番札所】  金山 出石寺(きんざん しゅっせきじ)
宗派: 真言宗御室派
本尊: 千手観世音菩薩
真言: おん ばざら たらま きりく
開基: 道教法師
住所: 愛媛県大洲市豊茂乙1
電話: 0893-57-0011

 

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この記事を書いた人

四国遍路案内人・先達。四国八十八ヶ所結願50回、うち歩き遍路15回。四国六番安楽寺出家得度。四国八十八ヶ所霊場会公認先達。 高松市一宮町で「だんらん旅人宿そらうみ(http://www.sanuki-soraumi.jp/)」を運営。