別格7番札所金山出石寺は、平成29年(2017年)が開山1300年を迎え、記念事業が行われています。10月8日~17日の10日間は50年ぶりの秘仏御本尊御開帳がありますので、ぜひこの機会にお参りください。
—– こちらの記事に登場する主な単語の読み
金山(きんざん)
出石寺(しゅっせきじ)
出石山(いずしやま)
----- こちらの記事に登場する主な登場人物
道教・作右衛門(どうきょう・さくえもん / 生没年不明) … 寺伝による出石寺を開山した人物
出石寺の始まりを伝える鹿
別格二十霊場・第七番金山出石寺。
愛媛県大洲市・八幡浜市を分ける標高812m 出石山と呼ばれる山の上に位置。
徒歩で向かう場合は麓から登って拝んで下りてくるだけで一日仕事。
自家用車で向かう場合は、どちらの街から向かっても、道幅の狭い山道を延々と上がって行った先で到着となります。
昔昔、宇和島の猟師・作右衛門が 一匹の鹿を追いかけて出石山に入った。
鹿を頂上付近へ追い詰め、今まさに矢を射ろうとしたその時、山一帯に暗雲が立ち込め地鳴りが響き、鹿が立っていた地面が割れ、金色に輝く千手観音が出現した。
作右衛門は殺生を生業とする猟師という職業を悔い改め仏門に帰依。
名を道教と改めてこの地に庵を構え、出現した千手観世音菩薩を祀った。
石から(観音が)出た。
山号、寺号はこの縁起に由来する。
本堂の周辺
寺伝では、作右衛門改め道教が千手観音を祀った場所だが、
現在の本堂は昭和31年(1956)の再建。
旧来の本堂は昭和16年(1941)の大火により焼失した。
山上に位置する場所柄、落雷による火災被害が多かったことに加え、水に乏しいためひとたび火が回れば消す術は無いに等しい。
その辺の事情は山にある寺院共通の非常に悩ましい事情。
近年は避雷針の設置により、昔と比べると落雷の難は幾分軽減された様子。
中央左の湾に広がる町は旧保内町の川之石(現八幡浜市)。銅の採掘や周辺の特産品である生糸を用いた紡績業、それらを運搬する海運業でかつて賑わいました。
右奥に重なるように続いて行く霞んだ山は佐田岬半島。天気が良ければ佐田岬先端や、九州の大分県を臨むことが出来る出石寺一の眺望スポットです。
本尊御開帳
本尊・千手観世音菩薩は、縁日である毎年1月3日に御開帳される。
しかしながらそれは前立本尊。
正式な本尊は床下に鎮座し、50年に一度しか御開帳されない厳格な秘仏。
今回 50年ぶりの御開帳は、記念すべき開山1300年に合わせたもの。
前述のお手引きの鹿の話は718(養老2年)の出来事なので、2017(平成29年)の今年がそれに当たる。
平成29年 10月8日(日曜日) → 17日(火曜日) 10日間
50年に一度の本尊開帳のご縁。
お忘れなく。
開山1300年祭に合わせて 境内各所で改修工事が行われています。所々、足元に気を付けてご参拝ください。
歩きにしろ自家用車にしろ、山を延々登って境内に入るとそこから長い階段が続きます。
易々参拝ができる寺院ではありませんが、それだけに参拝で訪れた時に受ける感銘はひとしおです。
【別格7番札所】 | 金山 出石寺(きんざん しゅっせきじ) |
宗派: | 真言宗御室派 |
本尊: | 千手観世音菩薩 |
真言: | おん ばざら たらま きりく |
開基: | 道教法師 |
住所: | 愛媛県大洲市豊茂乙1 |
電話: | 0893-57-0011 |