【66番札所雲辺寺】紅葉の名所の魅力・見どころ・見頃を徹底紹介

徳島県三好市にある「雲辺寺(うんぺんじ)」は、四国八十八ヶ所霊場の66番札所で、八十八ヶ所霊場で最も標高の高い場所にある寺院として知られています。山深く自然が豊かな寺院で、四季折々の風景が楽しめますが、特に秋の紅葉の名所で、多くの観光客・参拝者が訪れます。

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雲辺寺とは

徳島県三好市と香川県観音寺市の県境にまたがる標高927mの雲辺寺山の山頂付近にあるのが「雲辺寺(うんぺんじ)」です。
奈良時代後期の延暦8年(789年)に弘法大師空海が、自身の生誕地に善通寺を建立するために木材を求めて雲辺寺山に登り、この地を霊山と感得し堂宇を建立したことが起源とされています。また、空海は大同2年(807年)にこの地で秘密灌頂の修法を行い、さらに弘仁9年(818年)に嵯峨天皇の勅命を受けて本尊を刻んで、七仏供養を行ったと伝わっていて、空海にゆかりの深い山岳霊場です。

四国の弘法大師空海ゆかりの地を巡る四国八十八ヶ所霊場巡礼の66番札所になっていて、寺院の所在地は徳島県三好市ですが、霊場巡礼においては讃岐の最初の札所とされていて、1番札所から番号順に巡る(順打ち)お遍路さんは、徳島県・高知県・愛媛県の札所を巡って、愛媛県四国中央市にある65番札所三角寺から66番札所雲辺寺へと歩みを進めます。

雲辺寺の境内は標高900m付近の高所にあり、八十八ヶ所の札所の中では最も標高の高い場所にある寺院になります。四国八十八ヶ所霊場では数少ない、冬には雪景色が見られることがある寺院です。
四国八十八ヶ所霊場の各県の1ヶ寺ずつある「お大師さまの審判によって、邪悪な者や行いの悪い者が境内に入ると仏罰が下される」とされる関所寺のひとつでもあり、地理的条件も含めお遍路さんが参拝するのに困難が伴う難所です。

一方、山深く自然が豊かな寺院でもあり、四季折々の風景が楽しめるので、お遍路さんのみならずたくさんの観光客が訪れる観光名所でもありますが、特に秋の紅葉が美しいことで知られています。

本記事では、雲辺寺の紅葉の魅力・見どころ・見頃などを詳細に紹介します。

雲辺寺_雪景色

四国で積雪が見られる寺院はとても珍しいです。

 

雲辺寺の紅葉の魅力と見どころ

雲辺寺の紅葉の最大の魅力は、数々の歴史的建造物や仏像、境内に林立する杉の巨木と紅葉のコンビネーションです。

木々に囲まれた広い境内には、特徴的な寺院建築がたくさんあり、その建造物に寄り添うように、また、覆うように木々が配置されていて、いろいろな風景・表情を楽しむことができます。

まず、最初の見どころは、山門をくぐった先の石段参道に並ぶ紅葉です。

雲辺寺_紅葉_石段参道

紅葉にあわせて大きな杉も参道に沿って並んでいて、参拝者を出迎えてくれているかのようです。

雲辺寺_紅葉_杉

杉の巨木と紅葉のコンビネーションは境内の別の場所でも見ることでき、雲辺寺の紅葉の特徴のひとつです。

境内での紅葉おすすめスポットは、弘法大師空海が祀られている大師堂と、大師堂近くにいらっしゃる厄除不動の姿です。

雲辺寺_紅葉_大師堂_厄除不動

立派な大師堂と迫力ある厄除不動のオーラがにじみ出ているような紅葉です。

また、雲辺寺にはお釈迦様に付き従った500人の弟子をかたどった五百羅漢石像が境内を取り囲むように配置されているのも見どころで、紅葉の時期には五百羅漢と紅葉のコンビネーションも見ものです。

雲辺寺_紅葉_五百羅漢

様々な表情をした複数体の五百羅漢が、紅葉をともに楽しんでくれているかのようです。

 

雲辺寺の紅葉の見頃

雲辺寺の紅葉は、例年10月下旬頃から色づき始め、11月中旬頃に見頃を迎えることが多いです。標高が高い場所に立地しているので、平地に比べると見頃を迎えるのが早めになる傾向があります。

ただし、気候条件や年によって変動がありますので、訪れる前には最新の情報をチェックしてください。紅葉の進行は、一般的に気温の変化に大きく影響されます。秋が深まり、朝晩の冷え込みが強くなると、紅葉が一気に進みます。

また、日中と夜間の寒暖差が特に大きい時期に紅葉のピークが訪れるので、この時期は最も鮮やかな紅葉を楽しむことができるとされています。また、朝の光が差し込む時間帯や、夕方の柔らかい光が紅葉を照らす時間帯は特に美しいので、これらの時間帯を狙うと良いでしょう。

 

雲辺寺への公共交通機関でのアクセス

雲辺寺への公共交通機関でのアクセスは、雲辺寺山の麓から雲辺寺ロープウェイで山頂の雲辺寺に向かうことができます。

雲辺寺ロープウェイの山麓駅までは、JR観音寺駅から市営のりあいバスの五郷高室線で最寄りの谷上(教育センター)バス停の先までは行くことができますが、そこから約3km歩かなければいけなので、JR観音寺駅からタクシーを使う方が無難だと思います(約11km、約20分)。

雲辺寺ロープウェイは、全長約2,600m、山麓駅から山頂駅の高低差約660mを毎秒10m、約7分で一気に山頂に到着する日本最大級の規模を誇ります。ゴンドラの定員は101名と1度に多くの人が乗ることができますし、20分毎に運行されているので、長い時間待つようなことはまれで、スムーズに雲辺寺までアクセスすることができます。

雲辺寺_ロープウェイ_紅葉

雲辺寺参拝の際の雲辺寺ロープウェイ空中散歩の楽しみのひとつで、紅葉の時期には山々の多様な表情を見ることができます。

 

雲辺寺への自家用車でのアクセス

雲辺寺ロープウェイ山麓駅までの公共交通機関でのアクセスが便利ではないので、多くの人が自家用車で山麓駅までアクセスしています。

高松自動車道・大野原ICから約8km・約15分で山麓駅まで行くことができます。山麓駅付近の山の麓の林道は道幅が狭いところがありますので、対向車に十分に注意して運転してください。
山麓駅には無料駐車場が約400台分ありますので、駐車は安心です。

また、自家用車であれば徳島県側から林道を通って雲辺寺に直接アクセスすることも可能で、境内近くに駐車場もあります。寺院近くの道は参拝のための私設道路で、参道補修協力費(普通車・軽自動車500円)を雲辺寺納経所で支払います。
徳島自動車道・井川池田ICから約18km・約30分ですが、カーブが多い山道を長距離・長時間の運転になりますので、山道運転に慣れていない人にはおすすめできませんし、特に気温が低い時期は積雪や路面凍結にも注意が必要です。

 

雲辺寺訪問時の注意事項

秋の山深い雲辺寺は、平地に比べて気温が低く、特に朝晩の冷え込みが強くなることが多いため、防寒対策をしっかりと行うことが重要です。脱ぎ着しやすいはおりものやマフラー、手袋、携帯用カイロなどを準備しておくと安心でしょう。
また、境内は石段や未舗装で凹凸のある場所があり、特に雨の日や落葉時期は足元が滑りやすくなりますので、履き慣れた歩きやすい靴で散策されることをおすすめします。

雲辺寺は寺院ですので、お遍路さんをはじめ、信仰のための参拝に訪れる人がたくさんいらっしゃいます。礼儀作法や他の訪問者への配慮を忘れずに、寺院の静謐な雰囲気を楽しんでいただければと思います。

 

雲辺寺の紅葉は、自然の美しさと歴史的な建造物が織りなす絶景が魅力です。雲辺寺ロープウェイでの空中散歩で、山々が色づく景色を見下ろすことができるのも、雲辺寺の紅葉狩りならではです。秋の訪れを感じながら、雲辺寺で特別な時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。

※香川県の紅葉の名所を以下リンクの記事でまとめてご紹介していますので、こちらもぜひご覧ください。

香川県の紅葉の名所5選(栗林公園・屋島・大窪寺・雲辺寺・白峯寺)

※雲辺寺や周辺の情報は、以下リンクの記事でもご紹介していますので、こちらもぜひご覧ください。

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【「雲辺寺」 地図】

 

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この記事を書いた人

四国遍路情報サイト「四国遍路」を運営する株式会社四国遍路(https://shikokuhenro.co.jp/)の代表取締役。四国遍路の文化をより良い形で引き継いでいくために、四国遍路に新しい付加価値を生み出すべく日々奮闘中。