四国八十八ヶ所結願所・第88番大窪寺。今も昔も多くのお遍路さんがこの場所を目指しますが、ここが終わりの場所とは限りません。
四国八十八ヶ所は “線” じゃなくて “円” なので、終わりはありません。

第88番大窪寺・山門

お遍路さんが結願所を目指す想いは様々です。
ある人にとっては通過点であり、また閏年であれば 逆打ち始まりの寺であったり、大窪寺には様々な顔があります。

—– こちらの記事に登場する主な地名・単語
第88番大窪寺(だい88ばんおおくぼじ)
結願所(けちがんしょ)
第87番長尾寺(だい87ばんながおじ)
白鳥神社(しろとりじんじゃ)
第10番切幡寺(だい10ばんきりはたじ)
第3番金泉寺(だい3ばんこんせんじ)
阿讃國境(あさんくにざかい)
大坂峠(おおさかとうげ)

 

讃岐路に秋の訪れを知らせる紅葉の名所

参道は紅葉の名所

88番大窪寺は、徳島県との県境に近い香川県山間部に位置し、県内ではいち早く秋が訪れる場所。
参道には紅葉、境内には銀杏の木があったりと、秋に訪れるとお参りと紅葉見物を楽しむことができます。
※ 平地より1ヶ月近く早い時期に紅葉が始まるので、訪問時期に注意

 

門前の石柱が告げる先

結願所を表す石

境内への入口、参道が始まる地点にある 「八十八番結願所」 の石柱。
大窪寺ならでは呼称になりますが、それだけを見るのでは勿体ない。四国遍路には終わりがない事をこの石は伝えます。

前後の札所と距離


八十七番長尾寺へ四里半

十番切幡寺へ五里
三番金泉寺へ九里
白鳥宮へ五里

前後札所の距離が刻まれています。

何故に10番札所?
この場所から順打ちの方向に進んだ場合、最も近い札所が10番切幡寺。約20km、その道中は殆どが車道なので、半日と少しで歩くことができる距離。四国一周の円を完成させることが目的であれば、切幡寺へ向かうルートが最短距離になります。

3番札所が意味するものは?
昔ながらの阿讃國境越えをたどる場合、奥の院と称される與田寺や併記されている白鳥宮(白鳥神社)を経て、阿讃國境の峠・大坂峠を越えて下りた地点が3番金泉寺
距離は切幡ルートより長く、間に大きな峠はあるものの、旧来の遍路道であることからこのルートを選択するお遍路さんは多い。

いずれにしてもこの場所が終わりを意味するものではありません。四国遍路の札所は 全てが通過点です。

門前のおみやげ屋さんの間にある標石

こちらが示す情報もこの先の道筋を表したもの。

破損はあるが 情報を読み取ることができる

是ヨリ
切幡へ五里
白鳥へ四里半

①切幡ルート
②白鳥→(書いてはいないが)大坂越えルート

の選択肢を示しています。

 

様々な想いを抱いて…

秋は紅葉見物で賑わう参道

こちらに到達することで八十八ヶ所参りを終える遍路がいれば、四国一周を目指して先へ進む遍路もいる。
また、秋になると紅葉見物として大窪寺単体を観光で訪れる人たちがいる。

結願所… の限りではない。様々な人たちの想いと目的を受け止める場所が88番札所大窪寺です。

※88番札所から順打ち方向で先を目指すルートの様子に関しては、以下リンクの記事に続きます。

中務茂兵衛、生きて四国遍路を回った証、最後の標石【阿讃県境「境目(さかいめ)」編】

 

【88番札所】  医王山 遍照光院 大窪寺(いおうざん へんじょうこういん おおくぼじ)
宗派: 真言宗
本尊: 薬師如来
真言: おん ころころ せんだり まとうぎ そわか
開基: 行基菩薩
住所: 香川県さぬき市多和兼割96
電話: 0879-56-2278

 

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野瀬 照山

八十八ヶ所案内人・先達であり、旅人をお迎えするゲストハウスそらうみを運営。 四国八十八ヶ所結願30回、うち歩き遍路12回。 四国六番安楽寺出家得度。四国八十八ヶ所霊場会公認先達。 高松市一宮町で「さぬき高松ゲストハウスそらうみ(http://www.sanuki-soraumi.jp/)」を運営。