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14番札所常楽寺び階段や境内などの造りは一般的な寺院ではあまり目にかかれない不思議な景色で構成されていて、とても印象に残った。

 

地層マニアにはたまらない境内とその土台

神山町からいくつか山を越え、朝日が反射する鮎喰川にご対面。その後13番札所大日寺で参拝を済ませたのち、入り組んだ小道をくねくねと進んだ先に現れるのが14番札所常楽寺。四国八十八ヶ所霊場の寺院の中で、唯一弥勒菩薩をご本尊とする寺院だ。そのこともひとつの特異性ではあるが、池のほとりの少し盛り上がった場所に佇むこの寺院は、いわゆる一般的なお寺とはその基礎となる地盤の構造が一風変わっていて印象的だ。
小ぶりだが連なる桜並木が春先に随分と気持ち良さそうな参道入口。そこへ自転車を停めさせてもらい、階段を上り境内へとアプローチする。

ミニベロ遍路 常楽寺参道入口

桜が並ぶ参道入口に自転車を停める

 

通常、お寺の階段はいくつもの石を敷き詰めて造られていたり、場合によってはコンクリートのみで造られたものもある中、常楽寺のそれは明らかに異なる味を持っている。自然の岩盤を基礎として利用し、その形を補填するかのように、削った石を合わせて造成されており、自然との一体感が実に素晴らしいのだ。少し調べてみると、流水岩という地層をうまく利用して寺院の基礎としているようで、ネパールやブータンなどで時々出会うお寺のような雰囲気を醸し出しており、なんだか一種独特の雰囲気を醸し出していて実に面白い。個人的に、いつかこんな家を一軒建ててみたいな、などと妄想した。

ミニベロ遍路 常楽寺階段

地層岩盤をうまく利用した階段

ミニベロ遍路 常楽寺岩盤

寺院の基礎となる土台も岩盤と石造りで重厚感たっぷり

 

流水岩が露出した境内

歩くのが少し難しいと思うような階段ひとつが随分とその印象を刻むが、それを一歩一歩上ってゆくと境内に出る。すると、こちらの境内もまた随分珍しいビジュアルをしていて驚かされる。なんだか、岩山の登山をしている時の足元のように、境内ほぼ全体にうねうねと波打つ岩盤が露出しているのだ。気をぬくと足がはまってしまい蹴つまずきそうだが、こんな不思議な境内は他にお目にかかったことがない。本堂や大師堂を順繰りに参拝するために踏みしめる一歩一歩までもが、地層のジャンルにそこそこ関心が高い私には随分と楽しい機会となった。
見た目においては、これを借景と呼ぶと少し無理があるように思うが、本堂自体も岩盤の上に配置されており、偶然にしては面白い造りとなったもんだなと感心してしまった。言葉で表現するのは難しい、何かエキゾチックな境内で、その唯一性を楽しんだ。地質学や地形が専門だったり、その分野に関心を持つ人が訪れるとウキウキしてしまうような造形美の庭園ではないだろうか。

ミニベロ遍路 常楽寺境内

山だけどそれでいて海のよう

 

【14番札所】  盛寿山 延命院 常楽寺(せいじゅざん えんめいいん じょうらくじ)
宗派: 高野山真言宗
本尊: 弥勒菩薩
真言: おん まい たれいや そわか
開基: 弘法大師
住所: 徳島県徳島市国府町延命606
電話: 088-642-0471

 

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田村啓

株式会社TABIKYO JAPAN 代表取締役。長期海外在住経験を活かした海外目線により、伝統文化の継承活動、地方創生・地域活性化を目的としたインバウンド誘致に取り組む。